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光の旅人たち  作者: アカツキハル
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旅立ち

「そろそろ夜明けかしら、見に行ってみましょ」そう言ってメリッサは歩き出した。

 外に出ると、遠くの空が赤く染まっていた。空は藍色から赤色に変わってきている。そして暗いところには、まだ星が少し残っている。今まで、たくさんの夜明けを見てきたが、その中で一番美しい夜明けだと思う。それは、神よりも神々しく、そして美しく、まるで現実のものではないような、絵画を見ているような気分だった。

「私、ここで見る朝日が世界で一番好きなんだ。小さい頃、よく父上に連れて行ってもらって朝日を見たわ。ここは秘密の絶景スポットなの」

 メリッサは昔のことを思い出すように、遠くの空を見つめている。

 レックスは、その美しい朝焼けを、時がたつのも忘れ、ずっと眺めていた。


 すっかり夜が明けて、小鳥のさえずりが聞こえてきた。なんだか、昨日とはまるで別の世界のようで、全てが新しく生まれ変わったみたいだ。それは今まで一度も味わったことのない感覚で、気持ちも明るく、心地の良い朝だった。まさに、新しい日常の始まりという感じ。

 俺は勇者なのか。俺が勇者だなんて、最初はとても信じられなかった。今まで、毎日生きていくのに精いっぱいで、外の世界のことなんて考えたこともなかったし、そんな余裕もなかった。でも、今はもう違うんだ。もう盗みはしない。俺は、勇者として人を助け、魔族は悪い奴ばかりじゃなって伝えるために、旅に出るんだ。まともに生きていくんだ。昨日、そう決心したんだ。

「明るくなったし、そろそろ行こうか」

「そうね。まずは、ここから一番近い町に行って色々準備したいところだけど、昨日逃げてきた城下町には兵士がいそうだわ」

「兵士から逃げなきゃいけないなんて、姫なのに、お尋ね者みたいだな」

「まあ、そんなところね」そう言いながら、邪魔な髪を耳にかけて微笑した。

「じゃあどこいくの?」

「うーん、じゃあ、ここから東のほうにあるエリの森を抜けて、その先にあるエリッテの村に行きましょう」

 エリの森は、サンディア王国でも有名な大きな森で、旅人が迷うことで有名で、『迷いの森』とも言われている。迷って出られなくなった人もいるのだとか。

 こうして目的地も決まり、二人はエリの森へと歩き出した。

 

 森で何が起こるかな?

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