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闘技会3

18話 闘技会3


「続いて、50戦目です!対戦するのは前回大会ベスト8を収めているモーガン選手と、今回初参加、実力未知数のクレア選手です!では、両者構えてください!」


 実況者の掛け声と共に、俺はモーガンと名乗るコワモテの男を前に木刀を構えた。ちなみにクレアというのは、どうしても名前登録が必要との事だったので適当につけた名前だ。特に意味はない。


「おいおい、初戦からこんなヒョロガキが相手かよ。まあ手加減はしねえからせいぜい死なねえように頑張るんだな」


 そう言い放ちモーガンは高笑いした。きっとこいつも中々の実力者なのだろう。完全にハズレくじを引いた。


「では、50戦目、開始です!!」


 試合が始まった途端、モーガンは一気に距離を詰めてきた。


「死ねぇぇぇ!!」


 腕を大きく振りかぶり、木刀を力一杯脳天目掛けて振り下ろしてくる。あのルカとかいうやつほどの速度はないが、その力任せの攻撃には中々の速度があった。まともに食らえばひとたまりもない。


「クソッ!ちょこまか逃げるんじゃねぇ!!」


 だが、それは当たればの話だ。恐らく普段コイツは、大剣を振り回して敵を蹴散らすとかそういう類の「脳筋」なのだろう。この手の奴は、攻撃が単調で読みやすい。


 俺は上から横からと力任せに振り下ろされる攻撃を避け続け、木刀が握られている右手を下から一突きした。


「いっ......」


 みしっ、という痛々しい音と共に、男の右手に激痛が走る。いくら木刀とはいえ、威力は中々に出る。今の感触だと、ヒビの一つや二つ入ったかもしれない。


 そして、その痛みで開かれた手からは握られていた木刀が吹き飛び、リングの外へと消えていった。


「くっそ、痛ぇ……」


「どうだ?まだやるか?」


「っっ……くそ、降参だ……」


 ふぅ、何とか加減できたか。ベスト8でこんなものなら、まあこの先も何とかなるだろう。


 10秒にも満たない戦闘時間で幕を閉じた試合に、観客は熱狂した。至る所から歓声が飛び交い、会場は熱気に包まれていく。


「勝者は、なんと、クレア選手です!!これは、とんでもないダークホースが現れたァァ!!」


 実況者もかなりの盛り上がりだった。まあ、前回大会でベスト8までいった実力者が一撃でやられてしまったのだから、当然と言えば当然か。


◇◆◇◆


 試合を終えて観客席の端に戻ると、レインが待ち伏せていた。


「おうあんちゃん!!すげえ試合だったな!!もし当たったらその時は精々堂々やり合おうぜ!!」


「ん?あ、ああ。ありがとう」


 レインとしばらく話しているうちに、あっという間に残りの2試合は終了していた。かなり短い時間で終わったようなので見れなかったが、もしかしたらかなり強い奴がいたのかもしれない。



 そして第一回戦の計54試合は終了し、そのまま二回戦が始まった。

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