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 密談が終わり、エリオットはローゼンベルク家の屋敷へと戻った。その頃、王宮では、それぞれの得票数が開示されていた頃だろう。そして、勝利に酔いしれながら帰宅したミランダとアイリスを、何食わぬ顔で出迎えたのだ。

 

 その後、エリオットは王国にローゼンベルク家の品評会での優勝が広く知れ渡る頃を待って、ハリスの元へ偽装された痕跡のある票の集計結果と、中に指輪の入ったローゼンベルク家の公印が押してある手紙を届けた。


 指輪と公印は、あの強盗騒ぎのときにクロウが盗んでくれたものである。公印が壊されたというのも演技だ。あらかじめ偽の公印を用意して、それを床にわざと落として粉々にした。もちろん、ミランダたちの目を欺くためである。公印が行方不明となれば、不正利用される前に血眼になって探そうとするのは明白だ。その過程で万が一にも、エリオットの関与が露見するような事態が起きては困る。それを防ぐため、公印は壊されてしまったのだと思わせたのだ。

 

 ハリスは上手くやってくれたようである。エリオットが渡した証拠品を、さもフォーレスト大臣の身辺から出てきたように見せかけて、公正実行委員会とスミス新聞社に足を運んだ。同じくウィリアムも、エリオットが用意した作り話を交えた真実を告白し、ユリアはそのインタビューを新聞に掲載した。記事によると、ダニエルも計画通りに動く準備をしてくれているようだ。


 エリオットの思惑に違わず、名門貴族の不正を暴露したスミス・ウィークリーの号外は、大きな波紋を呼んだらしい。だが、まさかこんなに早く屋敷に記者たちが押しかけて来るとは思わなかった。エリオットが予想していなかったことといえば、そのくらいだ。

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