表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

約3000字漫才集

漫才【結婚】

作者: 名もなき山田

ボケ=A(エー/小太り)


ツッコミ=B(ビー/細身)

A/B「よろしくお願いしますー」

A「俺さビーくん、思うのよ」 B「どうしたの急に」

A「誰もいない家に帰ってさ、安っすい発泡酒片手にコンビニの弁当食う。そんな生活は寂しすぎるって」


B「僕は平気ですけどね、全然」

A「かぁ~、これだもの。例えばよ? 家帰って可愛い奥さんが『先にごはん食べよ?』なんつってテーブルには2組分の茶碗とかが置いてあったらよ? もう疲れとか吹っ飛ぶと思わない?」

B「僕まずお風呂入りたいんで、別にそんなかな」


A「じゃあお風呂の後でいいよ。『今日どんなことしたの?』そんな話をしながらさ、奥さんの手料理に舌鼓、どうよこれ」

B「どんなことって、それエーくんと楽屋で話してるしなぁ。それに最近はコンビニの総菜も美味いですからね」


A「寝るときによ? こっちは先に横になってて、向こうは化粧水だなんだでちょっと寝室に来るのが遅くなる。そんで俺は寝てると思った奥さんが『今日もごくろうさま』で額にちゅ、ほらもう結婚したいよね」

B「僕寝るときには完璧に綺麗な状態でいたいんで、奥さんだろうが額に触れないで欲しいんですけど」


A「はぁ~っ!? え、はぁ~っ!?(混乱)」

B「いや僕に軽く潔癖のきらいがあるの知ってるでしょ」

A「お前絶っっ対結婚できないね!」

B「脇に汗染み作ったデブに言われてもね」


A「僕は結婚したいですよ。でもね、出会いがない」

B「気になる子とかもいないの?」

A「いてもどう話しかけたらいいのか分かんない。いない歴×年齢だから」

B「お前幾つだよ」


B「アプローチね。じゃ、ここにエーくんの気になるあの子がいるとして」

A「気づいてくれるまでミサイル打つかなぁ」

B「北の将軍かお前」

A「あっ、サイフを落とす!」 B「またベタだね」


A(立っているビーの前に、サイフを落とす)

B(エーが行ったのを確認し、中身を抜き取って立ち去る)


A「あのっすいません! そのお金あげるんで付き合ってくださいッ!」

B「結構入ってんなと思ったらこれ全部割引券じゃねえか」


A「出会いがないね。もういっそいいね嫁でもいたらよかったのに」

B「SNS受けでもいいのかな。許嫁いいなずけね」


A「いないかなぁ、美人で料理上手で資産家の父を持ち母親もギリ抱ける子」

B「つまり美人のヒモになって熟女にも手を出したいって? お前バーカ!」

A「ビーくん、俺は真面目に言っているんだよ?(真)」

B「気持ちが悪いよ」


A「よく合コンとか聞くけどさ、本当まったくないよね」

B「そうでも……」

A「はっ!? あるの? いつ? 俺も連れてって!」

B「いや誘われたことは何度かあるけど、僕そういうの行かないし……」


A「出たホントは行きたいのに『俺いいよ』とか言って駆け引き奴~」

A「そんで『あ、そう、じゃあいいや』って言われてから後悔奴~」

A「その夜『俺も行ってればこんな未来もあったのかな』夢想奴~」

A「奴~」

B「やかましいよ」


B「っていうか僕とエーくんじゃ、その、役割が違うっていうか」

A「誰がブサイクの数合わせだってんだッ!?」

B「おお立場をわきまえている」


A「やっぱ運命的な出会い、これよね。そこで二人に立ちふさがる壁。こういうのがあってこそよ」

B「じゃあ出会う場所は?」 A「そうね~、病院なんてどう」

B「あ、不治の病的な?」 A「いや何言ってんの名前はまだ早いよ(照)」

B「藤野谷麻衣じゃねえよ。ふじのやまい! なおらないびょうき!」


A「あ、だ……、何だよもー! でも、うん、いいよ、藤野谷麻衣さん、か」

B「遠くを見るな。何いいよ、って実在もしないのに」


A『麻衣、車いすで廊下を移動。その顔には元気がない』

B「何か始まりましたよ」

A『それもそうだろう。家族は懸命に隠してはいるが、とうに麻衣は知っているのだ。自分の病が、決して治るものではないことを……』

B「悲しいですね」


A『しかしA男と出会い、麻衣は見違えるように変化した。二人が結ばれるのは、まだ、もう少し先の話である――』

B「それドラマ化してみ。クソだから」


A「でもいざ結婚となるとやることが多くてね、大変ですよ」

B「そうね、両親に挨拶行って結婚式して。そういうのも嫌だね僕は」

A「あー、それならお義父さん役やってくれる?」 B「頼み方が雑」


A『ここが麻衣さんの家か……、ピンポーン』

B『はいはい……、ん、何だね君は――ははぁ』

A『あ、どうも初めまして……』


B『フン、もしや君が娘――麻衣の言っていたA男か。何の用だ』

A『ハッ、貴方が彼女――麻衣さんの言っていたみきおか。入り用だ』

B「破談だよ! 対抗しなくていいから」


A『単刀直入に申し上げます! お嬢さんを僕にくださいっ!』

B『……やはりな。そういうことにもなろう……』

A『お、お義父さん……っ!?』


B『麻衣は近頃よく笑うようになったよ。聞けばある男が毎日見舞いに来ると言うではないか。もちろん私と妻は不審に思った。麻衣はあれでかなりの器量良しだ。見た目だけにつられた愚かな男が麻衣を誑かしているのでは、とな』

A『ぼ、僕は別にそんな――!』


B『彼は娘の病気を知っても一切態度を変えなかった。それが一番嬉しかったと娘は言っていたよ。そしていつしか彼が来るのを心待ちにしていた、ともな。ここにきて私たち夫婦は、彼を信じてもいいのではないかと、そう、思い始めていた』

A『お、お義父さん……』


B『A男くん……。君は娘を――麻衣を幸せにできるか?』

A『……無理、ですね』 B『んっ? A男くん?』


A『よく考えたら重すぎて僕の手に負えないというか……』

B『んっ? ん? いやもう、うん、完全に『幸せにします』の流れ――』

A『それじゃ失礼しました。麻衣さんのお父さん』

B『A男くーんッ! 麻ァー衣ッ!』



A/B「………………………………」



A「……まぁ、どっちも悪いとこあったよね」

B「いや、これは僕だ。ごめん。何か調子乗って役に入り過ぎた」

A「あ、分かってんだ?」 B「お前ふざけんな」


A「もうこうなったらね、婚活サイトに登録しようと思う(スマホ)」

B「マッチングってやつ? でもああいうのサクラとかいるんじゃない?」

A「やる前からそんなこと言ってたら、何もできないよ? って幼馴染に励まされたい」

B「何を言っているんでしょうか」


A「ここにしようかな。累計成婚数5万超だし。どう?」

B「ふーん、なかなかおしゃれだし運営もちゃんとしてそうじゃない。エーくんプロフィール作成だって」

A「あ、じゃあ俺答えるからビーくん聞いてよ」


B「まず、ニックネーム」

A「う~ん、ジョニーかデップで」

B「んなもんデップ一択じゃねえか」


B「年齢と居住地はいいよね……24で東京都と。職業フリーターで年収は――」

A「2千万くらいかな」 B「2百万と」


B「学歴は大卒で……エーくん身長いくつ?」

A「180ないくらい」 B「169センチと」


B「最後、体形! やせ・やややせ・ふつう・ややぽっちゃり・ぽっちゃり」

A「ふつう?」 B「ぽっちゃり。はい、できた!」


ニックネーム【デップさん】

年齢    【24歳】

居住地   【東京都】

職業    【フリーター】

年収    【200万】

最終学歴  【大卒】

身長    【169cm】

体形    【ぽっちゃり】


A「だめだめこれ! ぽっちゃりとデップさんが強すぎるよ!」

B「いやでもジョニーさんでも地雷臭半端ないからね!」


A「俺決めましたビーくん!」 B「何をですか」

A「まず痩せることにします!」


A/B「どうもありがとうございました」

(*^◯^*)明日からCSなんだ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ