「エリンギのバター醤油焼き」
エリンギはきのこの中で一番うまいと思っている。
突然の宣言でどうしたのだろうと思っている方もいるだろう。特に気にしないで構わない。ただ言いたかっただけなので、適当に「へえ」ぐらいで思っててほしい。
実際、食べたことあるキノコが、エリンギ、えのき茸、しいたけ、シメジ、マッシュルームぐらいなので、その中で一番のキノコであるから、規模の小さいものである。
まあ。そんなことは置いといて。
エリンギ食べたい。
仕事をしている最中にふと思った。ですので、すぐに買いに行くことにした。
いつも通りスーパーに寄ってエリンギを購入する。もうさすがに迷ったりしない。
今回は難なくエリンギをみつけ、カゴに入れた。
そして、家に帰り早速料理に取りかかる。ラップを開き、エリンギを2本取り出す。
エリンギを1本を縦に5等分に切る。それを2つ分作る。
具材の準備完了。
フライパンに火をかける。強さはだいたい中火。
そして、バターをのせる。ジュワーッとバターが溶けていき、優しいまろやかな匂いが漂う。
これだけでお腹一杯になりそう。
いやいや……。
切ったエリンギを投入し、黒色のヘラで炒める。
適当に焼き色がついた時に、ひっくり返す。
そして適当に焼く。
両面とも丁度いい焼き加減になったら弱火にし、醤油を上から垂らすようにかける。
ジュワーッと音をたてて、醤油がパチパチと弾け、エリンギに絡まっていく。
この音は醤油とバターのハーモニー……。
表現が何かちょっとあれだな……。
と締まらない感じでツッコみをいれた所で完成。
さっと皿にのせる。
ご飯と梅酒を用意し、今日の晩飯は始まる。
まずは出来たてのエリンギを一口で食べる。
エリンギ特有の、少し反発してから切れる食感。身から染み出てくるバターと醤油の甘味、熱さをったって鼻にやってくる仄かな香り。
「うめえ」
次にご飯だ。
炊きたてのホクホクと湯気立つ米をパクっと一口。
米の淡白な味と、バター醤油の味と香りが合身し、炊き込みの米と変わらない味となって、私の舌を虜にする。
「う、うめえ」
またエリンギを食べる。そして米を食べる。永久機関の完成である。
飲むような勢いで二つの品を食べていった。
ものの数分で完食。
そして最後の締めは梅酒。
コップに氷を一杯に入れて、市販の梅酒をざっと流し込む。
なみなみまで入れると、グッと一口飲む。
「ぷはー。うめえ!」
甘い梅の味と、少しだけ鼻をつつくアルコールの匂い、そして喉を洗う冷たいのどごし。
やっぱり仕事終わりは、こうでないと。
今日も飲まずにはいられない。