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定時退社の男  作者: 三箱
8/23

「エリンギのバター醤油焼き」

 エリンギはきのこの中で一番うまいと思っている。

 突然の宣言でどうしたのだろうと思っている方もいるだろう。特に気にしないで構わない。ただ言いたかっただけなので、適当に「へえ」ぐらいで思っててほしい。

 実際、食べたことあるキノコが、エリンギ、えのき茸、しいたけ、シメジ、マッシュルームぐらいなので、その中で一番のキノコであるから、規模の小さいものである。

 まあ。そんなことは置いといて。


 エリンギ食べたい。


 仕事をしている最中にふと思った。ですので、すぐに買いに行くことにした。

 いつも通りスーパーに寄ってエリンギを購入する。もうさすがに迷ったりしない。

 今回は難なくエリンギをみつけ、カゴに入れた。

 そして、家に帰り早速料理に取りかかる。ラップを開き、エリンギを2本取り出す。

 エリンギを1本を縦に5等分に切る。それを2つ分作る。

 具材の準備完了。

 フライパンに火をかける。強さはだいたい中火。

 そして、バターをのせる。ジュワーッとバターが溶けていき、優しいまろやかな匂いが漂う。

 これだけでお腹一杯になりそう。

 いやいや……。

 切ったエリンギを投入し、黒色のヘラで炒める。

 適当に焼き色がついた時に、ひっくり返す。

 そして適当に焼く。

 両面とも丁度いい焼き加減になったら弱火にし、醤油を上から垂らすようにかける。

 ジュワーッと音をたてて、醤油がパチパチと弾け、エリンギに絡まっていく。

 この音は醤油とバターのハーモニー……。

 表現が何かちょっとあれだな……。

 と締まらない感じでツッコみをいれた所で完成。

 さっと皿にのせる。

 ご飯と梅酒を用意し、今日の晩飯は始まる。


 まずは出来たてのエリンギを一口で食べる。

 エリンギ特有の、少し反発してから切れる食感。身から染み出てくるバターと醤油の甘味、熱さをったって鼻にやってくる仄かな香り。


「うめえ」


 次にご飯だ。

 炊きたてのホクホクと湯気立つ米をパクっと一口。

 米の淡白な味と、バター醤油の味と香りが合身し、炊き込みの米と変わらない味となって、私の舌を虜にする。


「う、うめえ」


 またエリンギを食べる。そして米を食べる。永久機関の完成である。

 飲むような勢いで二つの品を食べていった。

 ものの数分で完食。

 そして最後の締めは梅酒。

 コップに氷を一杯に入れて、市販の梅酒をざっと流し込む。

 なみなみまで入れると、グッと一口飲む。


「ぷはー。うめえ!」


 甘い梅の味と、少しだけ鼻をつつくアルコールの匂い、そして喉を洗う冷たいのどごし。

 やっぱり仕事終わりは、こうでないと。


 今日も飲まずにはいられない。

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