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まだ泣く事をやめないでくれた君へ。

作者: 民間人。

 人間誰しもが、心の中で隠している苦しい思いがあることを知っている。そういう事を隠さずに言う人がいて、そう言う人は極端に疎まれるか、極端に好かれるかする。奉仕する事を否とすることを善しとする人、freedomを得るために、libertyを放棄する事が持ち上げられたり。


 奉仕する事を「好きでしているならすればいい」と言って、放り投げて、そして、奉仕しなくなった途端に他者を貶めるような人がいる。そう言う人に限って、「自分はそうあるべきじゃないから」と、時折、いや、頻繁に我儘になって、そうして、勝手に嫌われても、「それは貴方が悪い」と言ってみたりする。


 思考よりも先行する感情の表面を取り上げたものが、言葉だ。だから、誤解されやすい君は、多分、言葉で誤解されていて、理解されないから少し、少しだけ、皆から遠ざかってしまう、我儘になってしまう。

 もしも、それを取り除くことが出来たなら、きっと誰もが幸せになれるんだろうね。僕もそうして、幸せになりたいと思うよ。


 でも、現実はそうじゃない。皆身勝手で、双方向に我儘を言い合って、噛み合わないままで反吐を吐くだろう?だから、そう言う現実から逃れるために、僕達は解放する手段を手に入れた。以前の君が抱え込みすぎていた、そう言ったしがらみから逃れるために。


 僕にとっては通り過ぎていくようなふとした瞬間、あるいは衝撃的な瞬間に、君は「泣く事」を諦めないでくれたね。

 通り過ぎていく時間に取り残されないように、必死に、自分がどうありたいか考えて、うまくいかないままだった君が、何も好転していないけれど、きっとまだ幸せじゃないけれど、それでもきちんと、嘆く事、心を揺るがす事、全部覚えて、吐き出すところを見つけてくれたね。


 それが僕じゃなかったとしても、それはとても嬉しい事で、とても、些細な幸せだ。

 人生は、始まってすぐに不幸だ。終わりだけが救いだ。その思いは変えられないけれど。君が、まだ泣く事をやめないでいてくれるなら、僕にもまだ、ここにいる勇気が生まれるから。


 ありがとうを言わせてほしい。


 諦めても、苦しんでも、まだ泣く事をやめないでくれていた君へ。

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