バイト先にいる彼女もまた、悲しみを負った人物であった
なんか暇で書いてみた小説です。
是非感想お願いします!
「...はぁ」
「何よ」
「別に...」
バイトを初めて早一年
高校2年生の俺、『坂本 零』は今、隣でバイトを手伝ってくれる後輩、『川崎 燐』とお客様が来るまで無言でいたが、ついに俺が我慢できず、ため息をしてしまった
そりゃそうだ
後輩の癖に先輩の俺に向かって暴言を普通に吐くし、さらには俺だけに対して態度が違う
「あ、マスター!まだお客様は来ておりませんからまだ休憩してて大丈夫ですよ?」
「そ、そうかい?なら、もう少し店の中を掃除...」
「あ、じゃあ私がやっておきますので...」
...あんな嬉しそうに話している川崎が俺と二人きりになると性格が変わるんだもんなぁ...
一緒に居たくないんだ
「あ、そういえばテーブルを拭くやつ...洗わないとね...それじゃ、店番は頼んだよ。川崎さん、坂本さん」
「「はーい」」
そして、マスターは休憩室に戻っていった
「...で、先輩。ため息した理由教えろ」
「先輩に向かってその態度はなんだよ...」
「ふん。こんなに可愛い子に話しかけられることが嬉しいと思いなさいよこの変態先輩」
「...はぁ...」
かなり精神が持ってかれるが、親は他界、おばあちゃんの家があるこの都市の学校に通えるのはおばあちゃんとおじいちゃんのお陰だ
「あ、お客様、いらっしゃいませー!」
「いらっしゃいましたー!あはは!」
...あんな客も最近来ている
大体の原因は隣でスマホを弄っているこいつのせいだが...
変な噂を流しやがって...
「...それにしても、お昼タイムだけど、全然来ないな...人」
「先輩のせいとか?ぷぷっ」
「...まぁ、親が他界して、おばあちゃんとおじいちゃんのお金を使って学校通って...」
「っ...」
「お金今家に無いのに一生懸命働いてるおじいちゃんに、おばあちゃんの為に俺だって働いてるのに、お前はいいよな」
「...ふん。そんなの、私関係ある?どうでもいいじゃん。あ、ベル鳴った。早く行けばどうです?先輩」
...思わず自分の今を言ってしまったが、それよりもお客様へメニューをお聞きしないと...
★
「......はぁ...今日は本当に疲れた...」
特にあのお客様。
やっぱり噂を嗅いできた人だった...
「...俺、ここのバイトやめようかな...」
そんな独り言を言っても、話しかけてくれる人なんて、この休憩室にも、カウンターにも...あ、マスターは見てくれて...んなわけないか
「...はぁ...家に帰ろう...」
立ち上がり、休憩室のロッカーから鞄を取りだし、外で作業していたマスターに別れを言って帰ることにした
★
「...やっぱり、そうなんだ...」
私、川崎 燐は休憩室のドアで聞き耳を立てていた
先輩...私と同じなんだ...
「...約半年間、ずっと私のことに絡んできてくれて、反応が面白かったからいつも暴言とか...吐いちゃって...」
私も、親が他界して、先輩とは違い、おばあちゃんも他界してる。
おじいちゃんの家がこの地域にあるから、先輩と同じ高校に入って...
「でも、先輩がいないんじゃ...楽しみが減っちゃいますよ...先輩...」
...私は、明日から...ってすぐ止めるわけじゃないよね...
でも、もうそろそろ先輩と会えなくなるんだ...
★
「...でも、あいつ、時々笑顔を見せてる気もするよな...」
帰り道、オレンジ色に染まる日曜日の空
そんな空を見上げて、俺は考えていた
「...あんな話、しても意味なかったな」
お昼タイムに言ったあの言葉...
正直、なんであの言葉を言ったのかわからないが...
「...その時のあいつ...少し悲しそうな姿を見せてたよな......気のせいか...はぁ...明日からもバイトだし......テストもあるし...頑張るしか...ないな...」
そんな悲しい日常を送っている自分が情けない
あんな暴言に負けちゃいけない...
「...あいつのあの態度...どうにか出来ないかな...」
★
「先輩に対するあの態度...どうにか直したいな...」
「「俺(私)には、どうにか出来るのかな...」」
「...態度...正す方法...調べてみるか...」
★
「...ちゃんと自分で自分の態度を正してみないと...」
今日も、彼らの青春は過ぎていく....