【幕間劇】大吾と神スキル
またもや一万字クラスの幕間劇です。
もう書くのが楽しいったらないの。
大吾さんには欲望のまま生きて欲しい。
最近ちっぱい女子たちにフルぼっこにされている大吾さんだったが、新たに手に入れた神スキルでリーダーとしての威厳()を示そうとするが…?
『ちぱリング』
ちっぱいの神専用スキル。日に三回まで自動発動する。四回目からは全MP消費で使用可能。
生理現象シバリングをベースとしたスキル。
ちっぱい女子から精神攻撃を受けた時に発動し機能停止した五臓六腑を活性化させる。
その副作用として体温が上昇し、スキル発動後10分間はちぱリング状態となって精神攻撃を90%カットする。
受けスキルのため自発する事は出来ない。
『Chipason』
ちっぱいの神専用スキル。
術者の前方にいるちっぱい女子を自身に引き寄せるスキル。効果範囲はINTに依存する。消費MP10。毎秒MP1消費でスキル継続する事も出来る。ちっぱいの神はいつだってちっぱい女子に傍にいてほしいと願っている。
対象のちっぱい女子は看破の神眼で見た人物のみ。
スキルの吸引力は想いの強さに比例する。吸引力よりもAGI値が高い相手は引き寄せられない。
「また神スキルを手に入れた、か」
とある日の夜。
俺は自宅である聖マール教会別館の自室にてステータスボードを開いていた。
今日はクエストの日であり、最近は慣れもあってDランクのクエストにも体力90%くらい持っていかれるだけで済んで来ている。
Dランク昇格当初は120%くらい使って帰りの馬車の中では疲れ果てて寝ちゃってたからね。これでも大きな進歩です。
そしてミスニーハの街に帰還し家へ戻って風呂に入る。
その後の夕飯の席でマールやヴィヴィの幸せそうなフルもっふ顔、シオンとサンルナが真似してのフルもっふ顔、それを呆れて見るスズランやオリオンさん夫婦。
そんな日常の光景が俺の削られた体力を回復させた。
で、夕飯後の食休みを挟んで今に至る、と。
俺はマールのように信者の数でレベルが上がってスキルを覚えたりしないのでこうやって定期的に自分のステータスを確認しているのだ。
俺のスキルを覚えるタイミングはマールとの間に何かしらの事があった時だと思っているのだが、予想は当たって俺は新たなスキルを得ていた。
この前の王都の件でマールちゃんが洗脳されてしまい聖域の結界から近寄れなくなってしまった。
そうなると俺はもうお手上げなのでそこから生まれたスキルこそこの『Chipason』というわけだ。近寄れないなら近寄ってもらうしかない。引き寄せるしかない。
これは神スキルですよ。応用次第で今まで禁止されていたちっぱいタッチが出来るようになるかもしれない。
相手のお胸様の位置に掌を構える→ちぱソン発動する→相手引き寄せる→ちっぱいタッチ、と。
我ながら天才的で完璧な作戦っスね。その後軽蔑されるって点に目をつぶればよぉ~。
しかし。男には、やらねばならぬ、時がある。
最近は俺の周りのちっぱいガールズから精神フルボッコにされてるからね。
ここらでクランのリーダーの威厳を見せておかないといけない。
決してちっぱい感触が恋しくなったからではないよ? そこを間違ってはいけないよ。
さて。
そこで役にたつのがもう一つの神スキル『ちぱリング』だ。
恐らくマールにしろ、ヴィヴィにしろ、スズランにしろちぱソンからのちっぱいタッチしたら何かしら可愛い反応があるだろう。
その可愛さに俺はきっと殺られる、が! 前回のガチ休日のようにリザレクションで復活するのではなく自力で復活出来るようになったのだ。
あの子達可愛さとかたまらなさを具現化して攻撃してくるからね。日に三回までって所がネックだけどそんな即死級の攻撃をポンポン喰らう俺ではない。スキル発動すればダメージカットの恩恵もあるしね。
よし、じゃあ行くか。
正直明日はクエストではなく布教活動で時間が空きそうだから起きてからでもいいんだけど、思い立ったら吉日だからね。
決して風呂あがりの今ならブラ付けてないだろうからパジャマ越しの生ちっぱいを堪能出来るとか思ってるわけではないよ? そこを間違ってはいけないよ。
今夜の風呂の順番は運がいい事に俺が一番最初だった。
つまりエントランスで待っていれば風呂あがりのホカホカちっぱいガールズの温もりを堪能出来るというものよ。思い切り思ってました。
―――
「俺の次は確かヴィヴィだったはず」
風呂あがったよってヴィヴィの部屋に呼びに行ったからね。間違いない。
俺はエントランスの壁から顔だけだして脱衣所の扉に動きがないか確認する。あの扉が開いたらすぐさま何気ない顔してエントランスのソファーに座る為である。
そこにヴィヴィがやって来てスキル発動。風呂あがりのみかんちっぱいをおててでぬくぬくしようというわけだ。我ながらゲス野郎である。また評価落ちちゃうかなこれ。
でも最近は背中でしかヴィヴィのお胸様の感触味わってないからね。久し振りにおててで堪能したいと思うのはちっぱいの神である前に男として当然ではないだろうか? 人としてどうか何て知ったこっちゃねぇよ。
などと考えていると脱衣所の扉がガチャッと音をたて、
「ふぃ~。いい湯だった~」
タオルで銀髪を拭きながらヴィヴィが出てきた。
普段着であるパーカー&ホットパンツ姿ではなくパジャマ用のマンガ肉がプリントされてる大きめのTシャツ(とパンツ)、のみ。
俺はその格好に思わず奇声を上げるところだったが懸命に口を抑えつけた。声にならない叫びとなった。
ここでヴィヴィに気付かれては作戦が水の泡だからね。水泡に帰すからね。
今はこのちぱリングで活性化している体に鞭を打ってソファーに座らなくては。もう殺られてスキル発動してんのかよ。俺、ちっぱい女子に対し弱すぎ…? いや、ヴィヴィたちがチートなだけだ。チート級にたまらんだけだ。
しかしいいものがいきなり見れた。拝もう。拝んだ。
健康的な褐色肌は風呂あがりの火照りから少し赤くなっていて、Tシャツから伸びるきゅっと引き締まった手足は色っぽさ抜群だった。
それに着ているTシャツが大き目で判断しづらいが恐らくあのボディラインからするとノーチューブブラだ。俺には分かる。分かるぞ。前回の裸オーバーオールから逆算すればシャツの上からでもブラの有無を目視で確認出来る。
つまりこれからあの火照りちっぱいをふにふに出来るんだ幸せ。
「ダイゴ。さっきから何ブツブツ言ってるの?」
「はっ」
いつの間にかヴィヴィが俺の背中に引っ付いとる。
は、はえぇ…。
相手はパンサー。俺はパンサーに盛ってるガゼル。勝ち目はない。勝ち目はないが! こ、この背中に当たる感触はっ…!
「ヴィ、ヴィヴィ~。そんな急に抱き着いたら危ないだろぉ~?」
「えっと…、顔とセリフが合ってない気が…」
勝ち目はないが勝ちました。
いや、おててでちっぱいをふにふにしたいという試合には負けたんだけど、そんな事どうでもよくなるくらいこの背中に当たるちっぱい感触というかお腹から太ももからいつもより柔らかい幸せ温かい。ぽかぽかする。
多分今この場にマールがいたら俺の顔見て腰抜かすんじゃないかな。自分でも凄い事になってるって自覚あるくらい崩壊してるよ。
「なんか壁からダイゴが顔出してるのが見えたからさ。何してんのかなぁーって思って」
「べ、別にヴィヴィのちっぱいふにふに…じゃなかった、えっと。あれだ。ほら。俺の後じゃ嫌だったかな~って思ってね。見に来たの」
「そんな事ないよ。ダイゴいい匂いだし」
俺の襟足辺りに鼻を近づけてスンスンするヴィヴィ。
おぉぅ…。ゾクッとしたよゾクッて。あとちっぱいぬっくぬく。
「んー。でも今は石鹸とかの匂いであまりわかんないや。あたしはいつものダイゴの匂いの方が好きだなー」
「ヴィヴィちゃんさ。そんな事言って俺が新スキル覚えてなかったら死んでるからね? 俺が」
「んー?」
ヴィヴィは俺の背中に抱き着くとスンスンからのほっぺスリスリするのが一連の流れだからね。猫の血が騒いだのかな? 何とも可愛くてたまらんけどこの状態になると話半分で俺の話全然聞かないからね。控えめに言って俺は今瀕死状態です。
でも早速役に立ってるちぱリングと違ってちぱソンをするタイミングがって言うか暇がねぇ。
ヴィヴィはAGI値がめちゃくちゃ高いからね。
前方相手対象のちぱソンする前に背後取られちゃそれは不発に終わりますわ。そもそも発動させる暇すら無かったし。
とにかく今はヴィヴィのほかほかちっぱいから離れたくないよぉって駄々こねてる背中を言い聞かせてヴィヴィに次風呂入る人を呼んできてもらわないと。
っと、その前に。
「オリオンさんとかサンもいるんだから見つからないように部屋に戻るんだぞ。その格好は正直言って無警戒すぎる。俺以外に見せちゃダメよ」
如何に家の中と言ってもヴィヴィのオープンさを注意しておかないとね。俺だけならいいけど他の人に見られでもしたら発狂するよ、俺が。…的な事を言ったつもりだったけどヴィヴィの抱き着く力がさっきより増した。背中に当たる低反発も増した。
「うぇっ!? う、うん。わかったよ。ダイゴの前だけにするね…?」
と耳元でごにょごにょ話すヴィヴィの熱も増し増しになってるような気がした。
―――
「いつもは大トリを飾るマールちゃんがまさかの二人目か」
じっと先程と同じようにエントランスの壁から顔を出して脱衣所の扉を注視する俺。
こういうちっぱいたまらんしてる時って大抵マールちゃんが最後に来て俺を処すって流れが多いからね。今回は変えてきたね。まぁ風呂の順番が違うだけなんだけどさ。
よし、さっきのヴィヴィのように不意打ちでちぱリング発動させないように事前に予習しておこう。
まずマールちゃんのパジャマは上がキャミソールの下がショートパンツ姿。そしてパンツはお徳三枚セットの一角である青パンツ。
マールはヴィヴィと違って風呂あがり姿とかは結構見てるし、何なら一緒の部屋で寝てたんだから一発でのされるって可能性は少ないはずだ。
パジャマ姿のマールちゃんに腹の上のしかかられてその体温を肌で感じた事もあったしね。
部屋が別々になってその機会もなくなっちゃったのが正直寂しいので定期的にのしかかってほしいと思う俺なのでした。今度わざと寝坊してみようかな。
そんな予習バッチリの俺はいつマールが風呂から出て来ても大丈夫な程準備万端だ。
そういえば今日はシオンと一緒に入っているはずだが問題はないだろう。シオンはまだまだ幼精だからね。大人のスキンシップを見ても遊んでいるように思うだろう。って。
「ぷぇ~」
「シオンちゃん待って下さい。まだ髪が濡れてるからちゃんと拭かないと」
「あは♡ あは♡」
脱衣所からマールとシオンが出てきた。
予習済みの俺は風呂あがり補正がかかっているとは言えマールのパジャマ姿に負けたりはしないんだけど念のため覗き見していた顔を急いで引っ込めた。念のためね、念のため。
そしてエントランスへと近寄る二人分のぺたぺたぺたぺた足音。もう足音だけで可愛いマールとシオンなのであった。
よし。もう少しだ。もう少しでマールのお風呂あがりのほかほかちっぱいをこの手でぬくぬく
「あっ。ぱぱー♡」
「なん…だと…?」
しようとしてた俺の元へシオンがぺたぺた走り寄って来ました。
何故ここにいるのがわかった!?
マールもシオンも脱衣所から廊下に出る前に超光速で隠れたはず。それに廊下から見えない位置に隠れたからエントランスまで来ないと気付かないはずなのに何故!
「ぱぱの匂いしたもんー♡」
えへーと笑うシオンちゃんマジ天使。ってそうじゃねぇ。
シオンは俺とマール、ヴィヴィ、スズラン、メア、もしかしたらバニラ皆の心、魔力から生まれた幼精だ。
見た目も皆に似てるし能力の一部を受け継いでる可能性を考えていなかった。シオンはマールから受け継いだ嗅ぎ分ける能力を持っているに違いない。
ヴィヴィも嗅覚が優れているけど嗅覚に関してはマールちゃんの方が上かな。寝ながらおにぎりの具を当てるくらいだからね。あれにはビックリしたね。
「どうしました? 大吾さん。そんな所に隠れて」
「…」
「…」
「…えっと、あれだ。マールの」
「聖浄化!」
「ぎゃあああああああああああ!!!!!」
パァァっと心が晴れた。
マールのちっぱいお胸様はぁはぁしてる邪な心が晴れた、って。
「ちょっとマールちゃんいきなり浄化魔法使う事ないじゃないか!」
「すみません。大吾さん。てっきりヴィヴィさん達のお風呂あがりの姿を見てはぁはぁしてるものだと思ってしまいました」
「…」
「…正解なんですか」
ジト目マールちゃん可愛い。それに俺の事よく分かってくれてる嬉しい。評価はどん底だろうけど。
「浄化しても浄化してもすぐに穢れてしまう大吾さんをどうすれば綺麗に出来るのでしょうか?」
「前にも言ったけど俺別に汚れてるわけじゃないからね? 仮に汚れてると言うならそれはマールに問題があると思うんだ」
「わたしですか? 何でです?」
「そんなハテ?顔可愛い子を見てはぁはぁしない男がいると思うか? いやいない!」
「大吾さんに女性の顔を判断できる脳があったのに驚きです」
「そろそろ泣いちゃってもいいかな」
俺の渾身の反語もマールちゃんには通用しないんだった。
確かに俺はどっちかっていうと顔より先に胸に目が行くからね。まずはちっぱいかどうかを判断するからね。でも男って皆そんなもんだよマールちゃん。顔か胸か尻かだよマールちゃん。
「ってマール。そのパジャマ」
「あ、そうです。シオンちゃんとお揃いのパジャマにしたんですよー」
色違いですけど、っとシオンを抱っこしながら答えるマールはいつものキャミ&ショーパン姿ではなく、フリルのフレンチ袖でロングスカートタイプのネグリジェ姿。
色白金髪碧眼のマールのネグリジェは白色で正に天使のような格好。ピンクパープルの髪にほんのり褐色肌のシオンはピンクのネグリジェで天使度がアップ。天使は二人いた。
「この前お買い物行った時に可愛かったので買っちゃいました。可愛いですよね?」
「あぁ。白のネグリジェ姿のマールちゃん可愛い」
「わ、わたしじゃなくてこのパジャマ可愛いですよね?」
「あぁ。可愛いパジャマ着てるマールちゃん可愛い」
「だ、大吾さんよくそんな恥ずかしいセリフ言えますね」
「思っている事に嘘はつけない。今のマールちゃんは本当に可愛い」
「うぅ…」
そして照れてるマールちゃん可愛い色っぽい。風呂あがりは最高でした。
「ぱぱー。しーは? しーは?」
「シオンも可愛いよー」
「えへ♡ えへ♡」
シオンはなでなですると手足をパタパタさせるの。可愛いのぅ可愛いのぅ。
「ところで大吾さん」
「何だいマールちゃん」
「今更なんですけど、大丈夫ですか?」
「本当に今更だねマールちゃん」
はい。
既に察している方もいらっしゃると思いますが、風呂あがりのネグリジェ姿のマールちゃんを見た俺はその尊さから腰を抜かして床に崩れています。
ちぱリングで活性化しているにも関わらずまだ起き上がる事が出来ないのは、マールが即死級の尊い格好をして俺に継続ダメージを与えているから。
つまりちぱリングの効果が切れる10分以内に今のマールに慣れないと俺はまたアンナのリザレクションに厄介になるかもしれないということ。
「明日布教活動の空き時間にケイの店に行って車椅子買って来ようかな。住居も元気な時にDIYでスロープとか手すり作ってバリアフリーにするんだ」
「まだ20代前半なのにもう老後の心配ですか大吾さん」
「いや、危険な冒険者稼業だし何かあってからじゃマールたちに迷惑かけるからさ。それに俺ってば定期的にマールたちの尊さに殺られて足腰悪くなるから急いだ方がいい気がするんだ」
「大吾さんもいよいよですね」
はぁ、と溜息をつきながらもマールちゃんは俺に肩を貸してくれて椅子に座らせてくれた。
その際に感じたマールのほかほかリンゴちっぱいの感触は最高でした。もう本当に最高でした。
「大吾さん。お顔が重力に負けてこれでもかというくらい垂れ下がってますよ」
はっ。
マールちゃんのちっぱいひゃっほうしてたからつい顔に出てしまった。
「もうしばらくしたら立てると思うけどマールちゃんが近くにいてくれた方が回復も早い気がするんだ」
「わたし回復魔法とか使えないって言ったじゃないですか」
「気持ちの問題かな。マールちゃんも好きなバニラとかシオンと一緒に寝ると気持ちよく寝れるでしょ? それと一緒」
「確かにバニラと一緒に寝る時はいつもよりいい夢が見れる気がします」
大きいアイス食べてる夢とか、と。
確かにマールちゃんはバニラと一緒に寝るとバニラ抱いてハムハムしてるからね。シオンもだけど。やはりこの二人は母娘だった。
「しょうがないですね、大吾さんは。でも最近は大吾さん頑張ってくれてますし、回復するまで付き合います」
そう言ってマールは俺の隣にぽふんと座り俺の背中をサスサスしてくれた。
さすがにぴったりくっついては座らないが、風呂あがりのマールの熱量を感じるには十分な距離だった。
背中を摩るマールのおてては柔らかくていい匂いたまらん。
「ぱぱー! しーもよしよしするー」
「ありがとな、シオン」
ひょいっとシオンを腿の上に跨がせるように抱くと、シオンも俺の胸辺りをサスサスしてくれた。何ていい子なのかしら。
「大吾さん。いつも迷惑ばかりかけてすみません。こういうゆっくりとした時間を過ごせるのも大吾さんが頑張ってくれてるおかげです」
「ぱぱー♡ いつもおいしいご飯ありがとー♡」
前から後ろから感謝の言葉をかけられ俺は今までの自分の行いを恥じた。
何が風呂あがりのちっぱいをおててでぬくぬくだ。
マール達はこんなにも俺に尽くしてくれているというのに。
これからはマールやシオンに恥じぬ生き方をしよう。
俺が回復するとシオンを抱いて次の入浴者を呼びに行くマールの背中を見て俺はそう心に誓った。
―――
と、言ったな? あれは嘘、ではないが言葉が足りなかった。正確には明日から恥じぬ生き方をしよう、だ。何故なら。
「ちっぱいガールズ三連発…。最後はスズラン、か」
ちぱガの入浴タイム大トリを飾るのは未完の大器、禁断の果実であるスズラン16才。
何を隠そう三つ輪のクローバーメンバーのちっぱいガールズでそのちっぱいお胸様をこの手でふにふにした事ないのはスズランただ一人。
マールもヴィヴィもふにふにさせてくれたわけではないが、結果ふにふにした。
スズランは逆にふにふにさせてくれるだろうが俺は恐れている。禁断の果実に手を出した代償とスズラン中毒に。
一度でも手を出してしまうとそれはもう病みつきになってしまうのは火を見るよりも明らかだ。
何せこの手が定期的にちっぱいを欲しているから今回のような作戦に至ったわけで、そうなる前にスズランに処理させてもらえれば俺はいつでも賢者タイムでいられる。
しかし俺は恐れている。禁断の果実に手を出した代償とスズラン中毒に(二回目)。
主に恐れているのは代償の方なんだけどスズランに手を出した瞬間、何故か窓の外にいるユリさんに襲撃される、なんて事があるかもしれない。
――なーんてそんな事はないか。
スズランが言うには最近ユリさんも落ち着いてきて、ギルドで一緒に仕事をする時でも軽く手を握る程度って言ってたしな、うん。うん?
『ちょ、お、お姉ちゃん…。何でここに…?』
『久し振りに姉妹水入らずでお風呂に入ろうと思ってね? ほら、スズラン。体洗ってあげるわ』
『ま、待って…。体はもう洗ったから大丈夫よ』
『まだ背中しか洗っていないでしょ? お姉ちゃんが隅々まで綺麗にしてあげるわね』
『何でそれを知って…ひゃっ!』
『スズラン…。私の可愛いスズラン…』
『まさかお風呂場にまで現れるなんて…。完全、にっ、油断、してたわ…。睡眠薬も部屋に…ひゃっ。置いて…んっ』
…。
…。
…。
………何か凄い事になってる気がする。
何か今、風呂場で凄い事になってる気がする(大声)!
俺はもう脱衣所の扉からユリさんっぽい声が聞こえた瞬間耳をビタ付けしましたわ。
す、スズランに何をする気ですかユリさん…の声によく似た誰かさん。隅々まで綺麗ってどういう事ですか?
それにスズランもいつもは反撃に出る睡眠薬攻撃もどうやら手元にないらしく完全にされるがままになっているご様子。
これは危険な百合の香りがします。俺はどうしたらいいんだ、どうしたら。
風呂場へ駆け込んでスズランを助け出してもすっぽんぽんスズランちゃん直視して俺即死、このままただ黙って耳を澄ませていても今度は何かと何かが当たる音がしだしたらそれこそ俺死亡。
ここは腹をくくるしかねぇ。
持ってくれよ、俺の足腰。ちぱリング。例え即死級の継続ダメージを喰らおうとちぱリング&ちぱソンコンボでスズランだけは引き寄せて逃がす事が出来るはず!
そうして俺は意を決し風呂場へと駆けこんだ。
「そこまで――ぶっ!!!」
瞬間。俺の顔にユリさんの拳がめり込んだ。
何というスピードと破壊力…!
ちっぱいレベル2の巨乳ユリさんからの攻撃は重すぎる…! スズランブーストでバーサクしてるユリさんな事もあって重すぎる…!
だがしかし! 俺は倒れない! ちっぱい女子(の貞操)を守るちっぱいの神スキル『不屈のちっぱい愛』。
ちっぱい女子を庇う状態になり俺はHP1を残し滅びない。何度でも蘇る。
「*」
「じゅあっ!」
「**」
「じゃっ!」
「***」
「ぼあああああああああああああっ!!!!!」
「*********」
顔の『*』がどんどん増えていく…。恐れていた事が起きてしまった…。
ちょっとユリさん? もう少し手加減してくれたら嬉しいかなーなんて言ってもバーサクしてるから聞こえてないし、そもそも俺ユリさんの初弾で顔が『*』になってるからぷーしか言えなくなってる。
もしかしたらぷーとも言えてないかも。息が漏れる隙間も与えない程のスピードで顔の肉が変形してるからね。
俺はもうとっくに気絶していた。
最後に見た光景は半泣きの泡々スズランと何故か風呂場にメロン二個持ち込んだユリさんの姿だった。
「はっ」
ここは?
「あ。起きたのね、だいご」
「スズラン?」
目を覚ますとそこは俺の部屋だった。またこのパターンか。好きだね俺も。
そんな俺はベッドに寝かされ、隣には俺の手を握るスズラン。ぷにぷにおててが温かい気持ちいい。
「無事だったか?」
「……それ私じゃなくて自分に言ってあげなさい。ビックリしたわ。人の顔ってあんなに腫れ上がるなんて知らなかった」
「なにそれ怖い」
「お姉ちゃんの事は安心して。ちゃんと盛っておいたから」
「えっ」
「睡眠薬を」
ビックリさせないでよ! 倒置法で!
スズランは寝る薬をたくさん持ってるからね。ぐっすり寝る薬とか痺れて寝る薬とか永遠に寝る薬とか。
でも今回はぐっすり寝る薬を使ったんだよね? そうだよね? そうだって言って。
「まずはお礼を言うわね。助けてくれてありがとう。おかげで私の処女はまだ大吾にあげれそうよ」
「お礼は嬉しいけどそんな大切なもの受け取れません」
「でもだったら何であんなに絶妙なタイミングでお風呂場に入って来れたのかしら?」
「えっと、それはですね。たまたま脱衣所の前を通ったら何か声が聞こえた? みたいな? うん。聞こえた」
「今日のお風呂はだいごが一番先だったのに何の用があって脱衣所の前を通ったのかしら?」
「えっと、それはですね。えっと」
「お姉ちゃんは我を忘れていたし、だいごがお風呂場に入って来たのはまだ私しか知らないわ。でも答えによってはまーるやゔぃゔぃも知る事になるかも。私とお姉ちゃんの裸も見」
「すみませんでした。スズランのちっぱいが気になって待ち伏せしてました」
「ん。素直でよろしい。じゃあどうする? 今すぐ吸う?」
「数ある選択肢の中から何故吸うをチョイスしたのか気になるけど吸わない」
「だいごまだ体がうまく動かせないでしょ? だから揉むより吸う方がいいのかなって」
「確かに体の自由が利かない」
「まーるやゔぃゔぃ、めあ。三人とも隙あらば欲望の限りを尽くしたいと思ってるだいごなのに、私はそんなに魅力が無いのかしら?」
「人を節操のない奴みたいに言わないで」
実際節操ないけど。ちっぱいに対して節操はないけど。
それにしゅんっと元気がないスズランは勘違いをしているようだからここは間違いを正しておかないとな。
「俺が一日どれだけスズランのちっぱい見てるか知ってるだろ。魅力がない奴をそんなに見るかよ」
「知ってるわ。だから吸いたいなら思い切り吸っていいわよ」
「俺をどこまで堕とせば気が済むのかしらこの子は」
「私はだいごのそういうところは嫌いじゃないわ。変態だとは思うけど」
「救われたと思ったらそんな事なかった」
「むしろ人として当然だと思ってるわ。生物なんて結局は男と女、オスメスで繁栄してきたわけだからだいごのそのエッチな行動も自然な事よ」
「えっと、スズラン…ちゃん?」
「でもねだいご。だいごもちょっと勘違いしてるわね」
「あの…目が」
「エッチなのが男だけだと思っていること。危ないところを助けてくれた王子様を目の前に、体が熱くならない女なんていないっていうことよ」
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