大吾と勇者⑤
●前回のあらすじ●
メアはちっぱいガールズの一員だった。
「ちぱちぱリンリン♪ ちぱリンリン♪ 超絶美女な素敵な大人に、な~れ♪」
あ、ありのまま今起こった事を話すぜ…。
俺とヴィヴィはメアの動きを封じる事に成功し、いざこの小学生勇者にお仕置きをしようと近寄ったら何とその勇者はコンパクトで変身する魔法少女だった。
もう俺もヴィヴィもマールもシオンもバニラだってお口ポッカ―ンしてた。
勇者で魔法少女って。
いや、魔法少女が勇者として召喚させられた可能性もあるのかもしれないのか。
もしくは秘められた力に目覚めて成長した的なアレかもしれない。
この力は主人公特性でもあるわけだが、最近は敵さんも成長する話があるからね。
そもそも勇者として召喚させられた時点で相手からすれば自分は主人公ですもんね。敵さんは俺です。
ところで今ちぱちぱリンリンって言った?
コンパクトで変身するお決まりの呪文的なものなんだろうけど、俺は初めてこの子を評価したよ。
そしてこちらもお決まりの変身すると着ている衣類が破け散る演出も完備で
「ぐさ」
ぎやあああああああああああああああ!!!!!
「目が、目がああああああああ!!!」
急に眼球に深刻なダメージを負った。
めっちゃ痛ぇけど何か前にもこんな事があったような!?
確かちっぱい天使マールちゃんの生着替えシーンに偶然立ち会う事が出来た時にスズランに指でぐっさりやられたんだ。
あの時も痛かった。って。
「その声スズランだな! いてぇなこの! それとおかえり! 無事で良かったよ!」
「全裸になっている女の子を食い入るように見る目なんか潰れてしまえばいいのに。あとただいま。ありがとうだいご」
「俺だって見たくて見たわけじゃねぇよ! 急に洋服が弾け飛んだらビックリして逆に視線外せないあれな感じだよ!」
「そうなの? でも何かむかっと来たからやってしまったわ。後で膝枕で目薬さしてあげるから許してね」
「許します」
はい。
即堕ちのどうも俺です。
そしてどうやらスズランとクリスさんが城へと戻って来たみたいです。あかりの変身シーンにビックリし過ぎて気付かなかったよ。
アニメなんかでは謎の光とか全身キラキラになって規制かかる場面だけど、円盤になれば規制が無くなる、つまりは映像を加工してあるわけだから現場にいればそれはもうモロですわ。山犬ですわ。救うなんて大袈裟な事はしてないけど、サンもルナも元気だよ。
ところでクリスさん…あっ。
「め、めめめめめメア様…! なんとおいたわしい…!」
今のメアの在り方を見てガタガタしとる。
いえね? メアって言ったら動かないまでも魔剣を作り出して攻撃出来るじゃん?
しかもこっちからの攻撃はその切断力とフルプレートで完全防御じゃん?
でもヴィヴィが胸当ての部分を壊してくれたお陰でちっぱいお胸様だけには魔法スキルが通じることになったんだ。
鎧を通さない、つまり鎧の中だけでスキルを使えば効果は発揮されるのはメアが自身にバフをかけていた事で証明されているからね。
だ か ら 俺 は メ ア に も バ イ ン ド を 使 い ま し た 。
しかもちょっと暴れるもんだからヴィヴィみたいに足だけでは、褐色で健康な足だけではなく、全身隈なくギチギチに縛り上げました。これなら身動き出来ず、魔剣のみの攻撃ならヴィヴィの覇気で対応出来るので安心です。
格好が捕まった女騎士のそれで、もしこれが俺の愛用していた薄い電子書籍だったらとんでもない事になってたけどごめんなメア。正気に戻ったらヴィヴィと一緒に謝るから許してね。
謝るついでに看破の神眼ちっぱいスカウター発動。
しかし顔をフルメイルしてるのでちっぱいレベルは測定出来ず。あとで取ってもらおっと。
「アンタたち随分余裕そうだけど、これで勝った気にならない事ね! こっちにだってパワーアップしたんだから!」
そして今の一連のやり取りを大人しく見ていてくれたあかりちゃん根はいい子。
もしかしたらショッカーとか怪人のポジションの方が向いているのかもしれない。彼らヒーローの変身シーンとかには手を出さない暗黙の了解って言うか、隙をつかない縛りしてるもんね。
「いや、あのな」
「ふふん。謝るなら今のうちよ! 今なら三回回ってあっかり~ん☆ で許してあげるわ」
「だから」
「これ以上口答えすると五回にするわよ! それでもいいって言」
「お前、目の前で変身したから本人だってバレバレだし、何より普通のOLじゃん」
「はっ」
はい。
冒頭で話してた変身シーンなのですが、このあかりちゃんは戦う変身ヒロインではなく、本当の何にでも変身するヒロインなのでした。大人とか動物とかに変身出来るあれね。
この手の変身は誰も見てない所で変身するから意味があるのであって、目の前でノリノリで変身されたらビックリはするけどあかりだってバレバレである。
この子がアホでよかった。所詮はまだ小学生ですわ。
知人に変身からの洗脳コンボとかされたら非常にまずいからね。口が裂けても言えないね。
「アンタこんな大きなおっぱいの女に手を上げる気!?」
「余裕で上げる」
「な、なんで…? この男、他の男子と違う…」
ふっ。異性に興味を持ち始めたばかりの小学生男子と比較すること自体が間違っている。
確かに俺も昔は大きいお胸様ひゃっほいしてた時代もあった。だから別に巨乳好きを馬鹿にしたりはしない。
小があって大が映えるように、大があっての小だからだ。みんな大ではただのメロンだ。
この神域に辿り着くには三蔵法師もビックリの旅路を歩んだからね。
「いや? 待って。明日香ちゃん(親友)に聞いた事がある。男子の中にはちっちゃいおっぱいハァハァする人もいるって! アンタがそうなのね!」
「そうだが」
「つまり元の私の姿がいいって言ってるのね!」
「違うけ」
「ぐさ」
ぎやあああああああああああああああああああ!!!!!
「スズラン! 眼球追い刺しはやめてくれよ! せっかく視界もクリアになってきたのにまた涙でぼやけるじゃねーか! 失明したらどうしてくれんだ!」
「その時は私が貰うから安心して。失明しなくても貰うけど」
じっと至近距離でその翡翠色をしたスズランの瞳に見られます。
涙でよく見えないはずなのにゾクっとした。
って、こんな事してる場合じゃないんだ! 今はOL勇者になったあかりをどうにか…あら?
「え?」
「あれ?」
なんか目の前にヴィヴィが二人おる。
目を痛撃されすぎて視力が悪くなっちゃったのかな?
それはないと思いたいし、恐らくは俺が馬鹿やってる隙にあかりがヴィヴィに変身したのだろう。やっぱりあかりはショッカー向きではなかった。
「騙されないでダイゴ! あたしが本物だよ!」
「ううんあたしが本物だよ! この顔見て! 本物でしょ!?」
「ふむ…」
洗脳スキルもそうだったが、さすが転移者と言うべきか変身スキルも完璧で瓜二つだ。
綺麗な銀髪も褐色肌も俺が巻いたバインド包帯だってそっくりそのままだ。ちっぱいであることもね。しかし。
「それなら一人ずつ俺の背中におんぶしてみろ。本物のヴィヴィならそれくらい造作もないはず」
「そんなの」
「余裕だし」
そう言ってヴィヴィは俺の背中に抱き着いてきた。
「ふむ…」
俺は変身スキルを甘く見ていたのかもしれない。
この背中に当たる低反発。これは紛れもないちっぱいお胸様の感触だった。
「これでわかったでしょ! あたしが本物だって!」
「ふむ、ふむ」
「ちょっとダイゴ!」
シャッ! っと一瞬で背後を取られる。
は、はえぇ…。
相手はパンサー。俺はガゼル。勝ち目はない。
「本物はあたしだって! 信じてよ!」
「知ってるよ。本物は今俺におんぶしてるヴィヴィだ」
「え」
ピタっと偽ヴィヴィの動きが止まる。
「何でわかったの!?」
「お前は確かに見た目やもしかしたらステータスなんかもそっくりになれるのかもしれないが、俺の知ってるヴィヴィは決まってこう抱き着いてくるんだ。姿形は真似出来ても、動作や癖までは真似出来まい」
これも変身能力者を見つける手段のあるあるだ。
そう言ったら背中のヴィヴィから安堵の溜息が聞こえた。
「よかった。ダイゴがわかってくれて」
「正直に言えば初見で見破ってたけどな。ヴィヴィは困った時に頬をかく癖があるからね」
「そ、そうだっけ…?」
あはは、と声だけでも照れてるの分かるヴィヴィちゃん可愛
「ぐさ」
「あぶね!」
スズランの指を寸前の所で躱す。三発目はやばいってさすがにね。
「ちっ。おしかったわね」
「あぶねーだろスズラン! マジでやめろって!」
「何かゔぃゔぃとだいごが凄く仲良くなってる気がするのは気のせいかしら」
「そ、そんな事ないよスズランちゃん! あたしとダイゴはほら! いつもこんな感じじゃん!」
「うおおおっ…! ヴィヴィ…く、苦し…」
「あっ。ご、ごめんね? ダイゴ…」
「いちゃついてんじゃねぇ」
「あぶね!」
スズランの指を再度寸前の所で躱す。この子をこれ以上怒らせてはダメだと俺の危機管理センターが通報を出したのでヴィヴィに背中から降りてもらった。
正直なことを言えばもっと背中で本物のヴィヴィのちっぱいを堪能したか…はっ!
「大変です大吾さん! 今度はわたしに変身したみたいです!」
「今度も見分けつきますよね大吾さん!」
マールちゃんが二人になっとる。
あかりのやつ懲りずに今度はマールちゃんに変身するとは。
俺がマールの事を普段どれだけ見てるのか知らんらしい。
「マールちゃん。今日のご飯はディラゴォンのお肉だよ」
「本当ですか!? 楽しみで」
「ガルルルル…!」
「えっ?」
片方のマールちゃんもキラキラお目目で可愛いが、本物には程遠い。
食べ物に目がないマールちゃんはご飯の話を聞くとすぐにビーストモードになる。が。
ぷにっ。ほっぺぷに。ダブル)3(顔マールちゃん可愛い。
「ふぁっ」
「うーん。ほっぺの柔らかさは同じ」
「ふぁいぼふぁん! わたふぃがふぉんものでふ!」
「わ、わたふぃでふ!」
喋る時に上唇と下唇がピコピコ動くの可愛い。あと可愛い。
皆さんならもうお気づきだと思いますが、わざと分からないフリをしています。ぷにぷに。
「はっ! 分かったぞ本物の見分け方が! マールちゃんのちっぱいを触らせてくれれば」
「聖浄化!」
「ぎゃあああああああああああ!!!!!」
マールの浄化魔法を受けて俺の心はパァァと晴れた。
どうやらマールのちっぱいに対し邪な心を持っていたらしい。
「ヴィヴィさんの時はすぐにわかったのに酷いです…」
うるっと涙目マールちゃん。
それを受け、近距離でマシンガンで秒間120発撃ち込まれた衝撃を全身に受ける。
な、なんという破壊力…。さすが本物は尊さが違った。
「ごめんなマール。ちょっと意地悪し過ぎたらしい」
「むー。本当にわかってますか?」
「マールちゃんも結構癖あるからね」
「例えば?」
「今で言うと食べ物の話をするとすぐに我を忘れたり、食べ物を見た日には涎が世界の三大滝になったり、食べる時はほっぺパンパンに頬張ったり」
「全部食べ物関係じゃないですか!」
「でも俺美味しそうに食べてるマールちゃん見るの好きだよ」
「そ、そういう事を真顔で言わないで下さい!」
顔真っ赤になって照れるマールちゃん可愛…はっ! 奴が来るっ!
「だいご。これ飲んで」
「スズランちゃん? なにその小瓶に入った禍々しい色した液体は」
「大丈夫よ。人体に害はないわ。ちょっとだけ、ほんの少しだけ眠くなるけど」
「ホントに害ない? それ」
「やっぱりもう孕まさせるしかないようね」
ふふっと笑うスズランちゃん怖ぇ…。
そして例の脅し文句。この恐怖からもしスズランに変身しても余裕で見破る自身があるよ。
「そもそも俺のスキルの『ちぱロケーション』で皆の位置分かるからそっくりに変身してもすぐにバレるんだけどな」
「えっ」
ピタァっとマール二人とヴィヴィ、スズランの時が止まる。
ちぱロケーションの能力はスキル展開時看破の神眼で見た者のちっぱいレベルに応じ位置特定出来るというもの。
あかりが如何にマールやヴィヴィになろうが、あかり自身である事に代わりないためちっぱいレベルに反応はない。俺はロリではないのだから。ロリ≠ちっぱいなのだから。
それにシオンやバニラだってそうだ。
本物のマールちゃんの足に抱き着いて離れないし、愛があれば見分けられるのだろう。五つ子ゲームよりも簡単な問題だ。
しかしそうなるとおかしな事がある。
今この場にいる人物は俺以外にはマール、ヴィヴィ、スズラン、シオン、メア、クリスさん、そしてあかりの七人。バニラは狼ね。
ちぱロケーションにはもう一つ『ちっぱいレベルを設定すればさらに細かく位置特定出来る』という特性がある。
つまりヴィヴィのちっぱいレベル95に合わせればヴィヴィだけ探知出来るし、スズランの88に設定すればスズランだけ探知出来る。もちろん88、95に設定して二人共探知する事も出来る。
その為先程マールのちっぱいレベル99を合わせたちぱロケーションを展開したのだが反応が4人なのだ。
マール、ヴィヴィ、スズラン。
クリスさんはちっぱいレベル39だから反応なし。
シオンとあかりもロリっ子という事で反応なし。
つまり残りはメアだけって事になるのだが、俺はメアの顔を見た事がない。
ちぱロケーションの条件は看破の神眼を使った事のある者限定なのでこれはおかしい。
もしかして、今まではメアの鎧でスキル無効化されてただけで以前どこかで鎧を着ていないメアと会った事があるのだろうか。と、思っていると。
「これは一体…、どういう事だ…っ!」
さっきトイレで会ったバッキバキの鍛えられた逆三角の体をしたおじさんがいつの間にかおる。
トイレで会った時は王様っぽい格好してたけど、今はプレートを着込んで手には弩デカい剣を持っている。本人の2Mはありそうな背丈よりもデカい剣マジ弩デカい。
そんなデカいおじさんはプレートを着てるところを見ると王都専属騎士なのだろうが、めっちゃピキピキしてるけど城の中庭でこんな騒ぎを起こしてたらそれはそうもなりますよね。
お巡りさんこいつです。こいつがメアを操ってたんで
「テトラ様! メアリー王女はご無事です! ご安心ください!」
す?
え? クリスさんが何か言っとる。何て?
メアリー王女? クリスさんの近くにいるのはメアでしょ? メアリー王女は王女でメアじゃないでしょ(混乱)?
「おぉ…! メアリー! よくぞ無事で…! クリス、よくやってくれた。礼を言うぞ」
クリスさんの言葉を聞いてメアの元へ駆け寄るテトラと呼ばれた大男と下がるクリスさん。
そしてメアのフルメイルに手をかけると、手を斬られる事無く外しにかかった。
この人も何か特別なスキル持ちなのかと思っていると、
「だ、ダイゴ様…。もうお許しください…。体が…熱い、です…」
フルメイルの下には顔真っ赤にして蕩けに蕩けきったメアリーンさんがいた。
え? 何故メアの鎧をメアリーンさんが? と思う刹那、俺の息が停止した。
テトラと呼ばれた大男が俺に対し殺人光線と言う名の視線を向けてきたからである。
その視線に俺はおろかマールやヴィヴィ、スズラン、シオンだってバニラだって、もしかしたらあかりだってちょっとちびったかもしれない。
久しぶりに三つ輪のクローバーのちっぱいガールズ全員が絡む話を書きました。
スズランがいるのといないのとでは話の面白さが全然違うと個人的には思います。
もちろん大吾さんにとってもね。




