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大吾と噂④

●前回のあらすじ●

マール、ヴィヴィ、スズランが属するクランはちっぱい率100%だった。



 ランク昇格クエスト、とは。

 ギルドからの推薦によりランクをワンランク上げても問題ない冒険者や、将来性に期待する冒険者に与えられるクエスト。

 Eランクの冒険者が受けるのはDランク昇格クエストで、クエスト内容は受けるまで公表されず、内容もランダムになっている。

 Eランクの者同士であれば何人で受けても達成出来れば全員昇格出来る。

 ランク昇格クエストでは同ランク以外の冒険者の同行は原則禁止となっている。

 

「そんなわけでダイゴさん、マールさんにはギルドよりDランク昇格クエストの推薦があるのですが、どうします?」


 ハテ? とユリさんは首を傾げている。今日はユリさんの日。

 そう言えば受付嬢の違いでクエストを受ける受けないを決めている冒険者もいるって噂を聞いたけど、確かにユリさんが受付をする日とスズランとでは冒険者の違いがあるな。

 今日いる冒険者は皆とは言わないまでも十中八九ユリさんのタワワニ・ミノったお胸様狙いですね。

 ユリさんのちっぱいレベルは2。

 相変わらずのスイカバーであった。

「クエストの内容は受けるまで分からないんですよね?」

「そうですね。どんな状況でも臨機応変な対応を出来る力を付けてもらいたいのが狙いなので。でもDランク相当のクエストである事は変わらないので、Eランクの冒険者でも対応出来ますし全然大丈夫だと思いますよ?」

 初クエストからユリさんの『大丈夫』は信用しないと心に決めた俺氏。

 なので今回も恐らく‶だいじょばない″のだろう。

「どうするマール?」

 チラリと隣のマールを見る。

 今日はクエストの日なのでマールはオーバーオールにデニムキャップ姿。ちっぱいを強調するオーバーオールは何て最高なんだろう。拝もう。拝んだ。ケイに感謝しないとな。

 そんな最高のマールはハテ顔してた可愛い。

「Dランクに上がると報酬が上がったりするんでしたっけ?」

「だな。あとはEランクでは行けないフィールドのクエストに行けたりする。その分危険度も上がると思うけど」

「どこが追加されるんですか?」

「Dランクでは‶デザートキャニオン″と‶マーメイドビーチ″が追加されます」

「ビーチ!」

 キラッと目を輝かせる俺とマールちゃん。

 はっ!

 ビーチと言えば海!

 海と言えば水着!

 水着と言えば水着回!

 水着回と言えば『大吾さん、背中に日焼け止めのクリーム塗ってください。きゃっ! 大吾さんそこはわたしのお胸です! 背中だけでいいですってば』!

「冒険者たる者、常に向上心を忘れてはいけない! 是非昇格クエストを受けよう! マール!」

「大吾さん!? どうしたんですか!? 前は『その気になったら上がる』みたいな事言ってたのに!」

「マールの水着姿が見たいんだ! マールのつるつるお肌をスベスベしたいんだ!」

「正直!」

 嘘は付けないので正直に言いました。

 想像してみて下さい。ちっぱい女子の水着を。

 今回は昇格クエストという事でヴィヴィは留守番だが、海に行こうと言えば多分一緒に行ってくれるだろうし、スズランも何だかんだついて来そうだ。

 そんなちっぱいガールズの水着姿を。

 マールはその神聖なちっぱいを殺さないような優しいパステルカラーのビキニ。

 ヴィヴィは褐色ちっぱいを最大限に生かす真っ白なスポーツブラのフィットネス水着。

 スズランは真っ白な見た目をそのまま生かす白スク一択。紺じゃダメ。白スク一択。邪道と言われようと白一択。

 ちなみに俺は普通のハーフ海パン(温度差)。

「えっと…、ダイゴさん? マールさん? それではクエストは受注するという事でよろしいですか?」

「よろしいです」

「まぁ大吾さんがそう言うならわたしはいいですけど。いいんですか? とても難しい昇格クエストで大吾さんが怪我しないか心配です」

「大丈夫。マールちゃんがいてくれれば俺は滅びない。何度でも蘇るさ」

「それが心配なんですよ。死なないと言っても大吾さんのお顔が何倍にも膨れ上がるのは見てて辛いです」

 シュンとするマールちゃんは最かわヒロイン2019筆頭レベルの可愛さ。もし作中人気投票があったら俺は手書きで1500票送るよ! ミスニーハのDさんになるよ!

 俺も顔が陥没したりアンパンになってマールちゃんの顔が見れないのは辛い。心配させるのも辛い。でもマールが傷付く方がもっと辛い。

「昇格クエストもランダムみたいだし、コーコー鳥の殻五袋納品とかそんなも」


「今回のDランク昇格クエストはデザートキャニオンに生息する‶デザートウルフ″の討伐です」


 俺とマールは仲良く固まった。

 え? 討伐? 昇格クエストは討伐っつった今?

 デザートウルフ? の討伐っつった?

 しかもお目当てのマーメイドビーチじゃなくてデザートキャニオンっつった?

「ユリさん」

「はい」

「今討伐って」

「Dランク対象のデザートウルフの討伐クエストです」

「昇格クエストは全部討伐クエストなんですか?」

「そうとは限りません。採集クエストの昇格クエストだってありますよ」

「それにしたりとかは」

「出来ません」

「今デザートキャニオンって」

「はい。ミスニーハの南門から出て馬車で一時間程の乾燥した峡谷ですね。馬車や御者はこちらで用意致しますので、ダイゴさんとマールさんはクエストだけに集中して頂いて結構ですよ」

「昇格クエストは全部デザートキャニオンなんですか?」

「そうとは限りません。マーメイドビーチの昇格クエストだってありますよ」

「それにしたりとかは」

「出来ません」

「ちなみにデザートウルフって?」

「えっと」




『デザートウルフ』


 デザートキャニオンに生息している肉食狼のモンスター。推奨討伐ランク:D以上。

 その凶暴な見た目で討伐を諦める冒険者が後を絶たず、デザートウルフの討伐が討伐専門冒険者の登竜門と言う者もいるほど。

 普段は縄張りに入らない限り襲ってくる事はないが、稀に若い一匹狼と鉢合わせする場合がある。




「――と言う感じです」

 えええ。

 初討伐クエストで何このハードル。

 ないわー。俺別に討伐専門の冒険者なんか目指してないというか、今後受ける気もないのに登竜門なんかくぐりたくないわー。

「だ、大吾さんどうしますか? やっぱり受けるのやめますか?」

 デザートウルフの説明を一緒に聞いていたマールは心配そうに聞いて来た。

 討伐相手が恐らくは闇属性でもアンデッドモンスターでもなさそうなのでマールの‶セイント・ショック″も効果はイマイチそうだし、俺はそもそもちっぱい女子以外にはザッコだからだ。

「今までは人が相手でボコボコにされても顔が凹んだり腫れたりするだけの大吾さんでしたが」

 腫れるならまだしも顔が凹むって相当だけどね。

「野生の狼に襲われたらその凹むお肉さえ食べられちゃいそうです。わたしはまだ大吾さんに人間を辞めてほしくないです」

 俺のスキルの‶ちっぱい魂″や‶不屈のちっぱい愛″はHP1で必ず耐える効果があるけど、その耐えるって言ってしまえば死なないって事だもんな。どんな状態でさえ生きるって事で。

 それこそ顔面骸骨のリアルゴーストライダーになるな。走る道はオーバーロード。

 俺もまだ人間辞めたくもアベンジャーズに入りたくもギルドマスターになりたくもないので、残念だけど今回の昇格クエストは辞退して次回また声がかかるまでEランクで頑張

「海は残念ですけど、命の方が大切ですもんね」

「ユリさん。今すぐに出発します」

 俺は即受注した。

 次回までEランク? はっ。お宝(マールの水着姿)を得るには多少の危険が付きものなんだ。

 その道のりが険しければ険しい程、お宝を手に入れた喜びも大きいというもの。

 行くしかねぇ。やるしかねぇ。

 それに最近はヴィヴィやスズランも一緒にいる事が多かったし、マールちゃんと二人っきりになれる時間も少なかったから馬車の荷台でくっそイチャつこう。揺れてバランスを崩したマールちゃんは俺が支えるんだ(不可抗力)。

「分かりました。では外に馬車を用意させますので少々お待ちください。ダイゴさんとマールさんは討伐クエストは初めてなので詳しい説明は道中聞いて下さいね」

「道中…? あぁ、御者の人がギルドの人なんですね」

「そういう事です。ダイゴさん達が馬車を使うクエストを受ける時は絶対呼んでねって可愛い顔をして頼んでくる天使のような子です。くれぐれも手を出さないよう」

「安心して下さい。俺の天使はマールちゃんだけです」

「スズランが天使じゃないって言うんですか!?」

「ひっ」

「あっ」





「遅かったわね。だいご、まーる。早く出発しないと日暮れまでに帰って来れないわよ」

「デザートキャニオンって言えば谷底に‶ぷるっぷるサボテン″が生えてるよね。ステーキにするもよし、サラダに混ぜるもよし、リンゴやバナナ、ハチミツなんかと混ぜて一緒にすり潰せば美味しいドリンクになるよ」

 スズランもヴィヴィも普通におる。

 いやあのね?

 スズランは御者してくれるから百歩譲っていいとしてもヴィヴィちゃんは何故ここに?

 AランクのヴィヴィがDランクのフィールドに行ったら全モンスター逃げ出すんじゃね? それに昇格クエストはランク外の冒険者は同行禁止だったはずでは?

 どうなってんだギルド職員。身内っつか仲間内だからって贔屓しちゃダメよ? 融通が利くって言ってもズルはダメよ?

「私は御者で同行。ゔぃゔぃはデザートキャニオンの入り口まで同行。道中も優秀な護衛になるわ」

「ミノタウロスくらいならワンパンだから安心して!」

「ありがとうございます! ヴィヴィさん! スズランさん!」

 にこぱーっと笑うマールちゃん可愛い、ってそうじゃねぇ!

 俺とマールちゃんのいっちゃいちゃタイムが無くなりゅううううう。

「ダイゴはあたしが一緒にいちゃ嫌なの?」

 うるっと涙目ヴィヴィちゃん。

 ぐぉぉぉ…、クエスト前からHPをゴリゴリ削ってくるよこの子は。

「いや、そんな事はない、けど」

「だいご。時間もないしさっさと行ってさっさと帰って来ましょう」

「あ、はい」

 こうして俺とマール(+ヴィヴィ&スズラン)の昇格クエストが始まった。




  ―――




「お姉ちゃんからギルドに登録する時に話があったと思うけど、討伐クエストの達成条件は対象の討伐もしくは捕獲よ」

「あっ! 見て見てダイゴ、マールちゃん! あそこに木の実生ってるよ! あれはブルーアップルだね!」

「本当ですね! 食べられるんですか!?」

「…」

「でも捕獲は麻酔などの専用の道具がないと不可能だし、モンスターの体力を見極める技量と目が必要だから駆け出しの頃は討伐した方が早いわ」

「あっ! 見て下さいヴィヴィさん! あれ野イチゴじゃないですか!? 食べられるんですか!?」

「そうだね。ちょっと酸味が強いけど美味しいよ。乾燥地帯に入る前にちょっと摘んでおいた方がいいかもね」

「…」

 スズランは討伐クエストとは何ぞやを教えてくれている。この辺りは普通にギルド職員やってくれてて助かる。

 ヴィヴィもこれから向かうデザートキャニオンが乾燥地帯って事で水分が取れる果物などを教えてくれて助かる。

 でもね? マールちゃんはね? 荷台の窓からキラキラお目目を輝かせてるだけじゃん。ピクニックじゃん。可愛いじゃん。

 マールちゃん全然話聞いてないけど大丈夫? 討伐クエストだよ? 狼狩るんだよ? 狼は怖いよ? マールちゃんみたいな無垢な女の子はすぐ俺みたいな狼に食べられちゃうんだから(舌舐め)。

「ちょっと。だいご聞いてる?」

 むっすーっとジト目を向けてくるスズラン。可愛いは認める。

「いや、人生思うように行かないなと思ってさ」

「そうね。これだけアピールしても全然手を出してくれないし、こうなったら寝込み襲って既成事実を作るしかないのかもしれないわね」

「俺は数多あるプレイの中でリョナと睡眠姦だけはやらないと心に決めているんだ。完全同意の元じゃないわけだから当然だよな?」

「私は寝てる時でもいいわよ」

 スズランは襲われ願望持ちであった。

 でも俺はスズランの家知らないし、ユリさんもいるだろうから滅多な事じゃないと伺えません。

 今日知ったけど、もしかしたらユリさんは超絶シスコンなのかもしれない。

 スズランを天使と言った目は本気も本気だった。

 もしかしたら百合さんなのかもしれない。

 だからスズランは男に興味持ちまくりなのかもしれない。

「そう言えばヴィヴィさ」

「もふ?」

 青リンゴみたいの食っとる。ほっぺパンパンにして青リンゴみたいの食っとる。

 俺がスズランと話してる隙に走行中の馬車から降りて獲って来たのか。

 もしかしてヴィヴィの親戚に‶天剣の宗次郎″って字名の剣客いないか?

 そんな縮地使いの親戚がいるヴィヴィの隣には同じくフルもっふしてるマールちゃん。ちっぱい女子の可愛さは隙を生じぬ二段構えであった。

「ヴィヴィもAランクって事はD、C、B、Aって昇格クエスト受けたんだよな?」

「んぐっ。…うん。そうだよ」

「ヴィヴィはどんな内容のやつだったんだ?」

「あたしの時はねー、DとかCは忘れちゃったけど、BやAは飛竜の卵納品とか船で指定の国まで行って果物を買ってくるってやつだったかな」

「えっ。何その内容。はじめてのおつかい的な」

「飛竜の卵納品は余裕だったけど、買い物は大変だったよ? まず船は手作りだし、往復二週間くらいかかるしで」

「うわぁ…」

「あたし食べるのと壊すのは得意なんだけど作るのは全然ダメダメだからさ。手作りの船もあたしが乗ったら沈没したし、仕方ないから船の材料を浮きにして泳いで行って帰って来たよ」

「お前ホント凄い奴なんだな」

 別の意味でも。

 無尽蔵のスタミナと脚力、精神力を持っている。

 それは魔王にもなりますわ。片道一週間を泳ぎ切れたらそれは魔王にもなりますわ。

 海にもモンスターはいるだろうからな。

「あたし状態異常無効のスキル持ってるからクラゲとか魚を気にしないで食べれるしね。色んな種類の魚を食べたけど、毒持ちって言われてる魚の方が美味しかったかな」

 関係なかった。

 むしろ食料になってた。

 同じ大食い仲間でも状態異常無効がないマールちゃんはヴィヴィの真似しちゃダメよ。お腹壊しちゃうからね。

「デザートウルフってヴィヴィも狩った事あるのか?」

「ううん。あたしは食べれるのしか獲らないから」

 命を大切にしないとね、と大食いのヴィヴィは言う。

 デザートウルフは食用じゃないんだな。

 まぁ肉食って大抵不味いから食用には向かないんだろうな。

「ディラゴォンって食えるの?」

「ディラゴォンの肉は最高級だよ! それはもう口の中でとろけるし!」

 キラキラ笑顔可愛いヴィヴィの言葉にぴくんっと反応する青リンゴフルもっふ中のマール。

 ダメよマールちゃん。

 ディラゴォンはSランクモンスターだし、素材もくっそ高いからね。俺らには縁がない食材だよ。

「あはは。マールちゃんにもご馳走してあげたいけど、なかなか依頼がないクエストだからね。ディラゴォン自体が少ないのもあるけど」

 今度あったら狩ってきてあげるよ、とヴィヴィ。

 それに頷くマールちゃん。

 口から液状の何かが大量に溢れ出してるけど、それ青リンゴの蜜だよね? 涎じゃないよね?

 つかディラゴォンをソロで、しかも庭でミニトマト採ってくる感覚で狩れるのヴィヴィくらいだからね?

 普通はAランク、Sランクが束になってやっと狩れるレベルなんだから。

 そんなこんなで話し込んでいるうちに俺たちの馬車はデザートキャニオン入り口に到着した。

 ここでスズランとヴィヴィは待機。

 ここからは俺とマールでデザートウルフ討伐をしなければならない。

 よし。準備はいいかマールちゃ、あっ。青リンゴ二個目食っとる。



次回はデザートウルフとの死闘です。

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