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大吾と休日①

●前回のあらすじ●

マールは可愛いちっぱい天使だった。


 

 小鳥がチュンチュン囀るも平和で穏やかな朝、事件は起こった。


 ダダダダダダダダダッ! バンッ! バタンッ! バッ!


「んん~…? 何だこんな朝早くから…、え?」

 俺は何やら物音に目を覚まし、薄目を開けるとそこには白いワンピースを着た天使が今まさに俺の上にのしかかる1秒前だった。

 つまり飛んでいた。

 それを俺は下から眺めていた。

 その為色々見えるものが見えてしまい、しかもその天使はちっぱいと分かる程に肌とワンピースの隙間から色々と見えた。

 その間は1秒だったが、俺はしっかりとその光景を瞳の奥から脳細胞へ焼き付けた。

「透け防止のグレーのキャミソールに上下お揃いの水色ちぱブラおげっ!」

 俺が全部言い切る前に時間切れが来たようだ。

 そのちっぱい天使は俺の上へとのしかかり、俺とマールの初夜(語弊有り)のように跨ってガクガク揺らし始めた。

「大吾さん起きて! 大吾さん起きて! 大吾さん起きて!」

「ちょっ、マ、マール…く、くるし…」

「大変なんです! 大変なんです! 大変なんですー!」

「おおぉぉぉ…」

 こ、このままじゃマジで意識が飛ぶ…!

 しかも若干昨日の酒も残って二日酔い気味なので、頭ガンガンをガクガクされるとキラキラしちゃうかもしれない…!

 仕方ない。マールを一度俺の上からどかすしかない。

 今ここでキラキラしたらマールちゃんにかかってしまう。だから仕方ないんだ。分かってくれマールちゃん。

 しかし俺のステータスというか『ちっぱいの神』のスキルによってちっぱい女子に乱暴な攻撃を行う事は出来ない。つまり払い除ける事は出来ない。やろうとも思わない(真意)。

 出来るのは優しく触れる事だけ。

 なので‶仕方なく″俺は――

「わひゃあっ!?」

 優しくマールのちっぱいにタッチした。

 ついでにふにふに揉んでおく。

 あぁ、手が幸せです。マールちゃんのちっぱい初めて揉んだ。

 寝起きだし、腹の上に乗られて苦しかったから手が当たっちゃったと言えば許してくれそうだ。無理かな。無理か。

「どうしたのマールちゃん。そんなに慌てて」

「た、大変なんです大吾さん!」

「何だ? もし昨日の朝から俺が寝てると思って自分のちっぱい測ってる時にサイズがコンマ1でもアップしてるっつー話なら勘違いだぞ? 昨日マールをおぶった時に背中で感じたちっぱいと、今この掌で堪能してるちっぱいは寸分の狂いもなく同じ重量、形、柔らかさだからな」

 間違いない、と断言するマールちっぱいマイスターの俺氏。

 昨日はリンゴ半分と比喩したが、それは見た目と重さの話であってやはり本物は柔らかさが違った。最高でした。

 そういえばリンゴ買うの忘れた。

 でもなんでここにリンゴがあるんだろう。あ、これリンゴじゃなくてマールのちっぱいだった。

 そして、そんなリンゴを持ってるマールもまたリンゴのように頬を染めた。

「起きてたんですか!? って別にいいじゃないですか測ったって! それにいつまで揉んでるんですか!?」

「俺の寿命が尽きるまで」

「一生!?」

 そんなの無理です、と手を払われてしまい俺とマールのちっぱいが離れてしまった。あぁ、今度はいつ君に会えるのだろう。

「大吾さん、いきなり体の上に乗ってしまったのは謝ります」

「全然いいよ。むしろずっと乗ってていい。それに今も乗ったままだよねマールちゃん」

「ですが!」

「おぉぅ」

 グイッと来た。顔が近い。体も近い。俺はいつマールの好感度を爆上げしたんだっけか、覚えてない。

「女の子のお胸を躊躇いなく揉むのはいけません! また叩かれてアンパン顔になったって知らないですからね!」

「安心してくれ。マール以外のちっぱいは同意がないと揉まない」

「わたしのもダメです!」

 なん…だと…?

 じゃ、じゃあ俺は誰のちっぱいを揉めばいいんだ? 定期的にちっぱい揉まないと禁断症状が出て手が痙攣起こすんですよ俺。牌が透けて見えるんだよ。

「嘘は言わない大吾さん、約束して下さい。今後はわたしや他の女の子のお胸を気安く触らない、と」

「無理」

「即答!?」

「約束出来ないのは約束しない。他の女の子ならいざ知らず、マールのちっぱいを忘れる事は出来ない。もう手が覚えてしまったから」

「手が覚えたってなんですか! そんな理由でお胸は触らせません!」

「でも異性に揉まれると大きくなるって、はっ!」

「なるんですか!?」

「た、確かに彼氏に揉まれる事で大きくなったという話があったり」

「誰が彼氏ですか誰が」

「そ、それに俺の手でマールが気持ちよくなってくれるのは嬉しいけどそれでもしマールの可愛いちっぱいが大きくなってしまったら…」

 なんという事だ。

 俺はガクガク震え出した。

 マールのちっぱいは揉みたい。だが揉むと大きくなる可能性がある。つまり気安く揉めない。絶望的じゃないか。

「…わかった。マールのちっぱいも同意がないと揉まない」

「同意する日はこないと思いたいですが」

「その代わり!」

「ひゃっ」

 さっきのお返しとばかりに今度は俺がマールにグイッと迫る。驚かせちゃってごめんね。

「マールもこれから先俺以外の男にちっぱいに触れさせないと約束してくれ」

「えぇぇ…、何ですかその交換条件」

「俺は女の子のちっぱいを同意がないと揉まない。マールは俺以外にちっぱいを触らせない。お互いの利害は一致している」

「してると思います? 穴だらけですけど」

「条件を飲むのか飲まないのか!」

「何か色々めんどくさいですけど、分かりましたよ。その条件でいいですってば。大吾さんも約束守ってくださいよ」

「安心してくれ。俺は同意がない限りはもうちっぱいを揉まない。嘘は付かん」

「大吾さんの嘘をつかない所だけは素直に素敵だと思います」

「そうだろう。だからマールも声に出して約束してくれ」

「えっ」

「ほら早く。『わたしは大吾さん以外の男にはちっぱいを触らせません』ってほら。言って。恥ずかしがらずに! さぁ!」

「な、何でわたしがそんな事言う必要があるんですか! そんな事言わないでも約束出来ますから!」

「口にすらしない約束に信憑性なんかあるかよ!」

「ひっ」

 俺の言葉に怯えるマール。心臓が張り裂けそう。

 しかし耐えなければ。マールの約束を聞かなければ。

 そしてゆっくりと時間をかけ、マールはポツポツと話し出した。

「わ、わたっ…わたし、はっ」

「うん」

「だ、大吾さん以外の男の人、に…」

「うんうん」

「ち、ちち…ちっ、ぱ、い、を…」

「うんうんうん」

「さ、触らせ…ませ、ん…」

 ぶぇぇぇぇ、と約束を言い終わるのと同時にマールは泣き出した。

 あらー。自分の欲望のままに赴いた結果がこれだよ。

 今の俺はただの鬼畜であった。




  ―――




「ごめんってばマール」

「もういいです。大吾さんはそんな人ですから」

 すっかり拗ねてしまったマールちゃんだが、もちろん完璧俺が悪いですわ。

 マールは体育座りをしながらすんすんと鼻をすすっている。俺の上で。

 正直そろそろ辛抱たまらんのだが、ここでまた暴走するとマールの好感度が一周回ってカンストしそうなのでやめておこう。…あれ、いいのか? ちょっと分からなくなってきた。

「そ、それで大変な事ってなんだっけ?」

 なのでとりあえず話題を変えることにした。

 さっきまで何の話してたっけ? マールのちっぱいがコンマ1大きくなったのが大変だったんだっけ?

「あ、忘れてました。実は昨日クエストから帰ってナンシーさんにクエストで着る服を洗ってもらったじゃないですか」

「もらったね」

 今着てるこの普段着や、マールはもう着替えてしまったがパジャマなども昨日の朝ナンシーさんが洗って干しておいてくれたもの。

 布団もそうなのかお日様とマールのいい匂い。あ、マールはここにいた。マールは太陽だった。

「ちょっと気にはなってたんですが、案の定その服が洗濯したばかりで全然乾いてません。早くてもお昼時みたいです」

 なん…だと…(本日2回目)。

 これはつまり今日の稼ぎはなしという事か?

 昨日のクエストも一応は半日だったが、昼前に街を出れて帰って来たのが日没ギリギリだったからスタートが遅れるとその分帰りも遅れる。

 そもそもまた丁度良くエメラルドマウンテンのクエストがあればいいが、それも怪しいからな。

「…しょうがない。こうなったら予定を変更しよう」

「変更?」

 ハテ? するマール可愛い。

 当初の俺の目的というか目標は一日5パルフェ以上を稼ぎ、空いた時間にマール教の布教活動と思っていたが、服が乾かない上にベッドの上から動けねぇと思ったらマールに乗られてる+筋肉痛でピッキピキだからだった。

 風呂の癒し効果とマールの癒し効果を以てしても取れない筋肉痛マジチート。

 そんなわけでこの筋肉痛では歩く事は出来るかもしれないけど労働なんかとても無理なので、

「二日分の家賃と生活費を一日で稼いで、あとの一日は街での布教活動にしよう」

 それなら体も休めれるし、信者も増える。一石二鳥だ、と。

 昔読んだアメフト漫画で知ったけど、筋肉は毎日痛めるのではなく超回復と言って一日くらい休ませた方がより強くなるんだとか。

 などとそれっぽい理由を付けてマールに話してみるとマールは目を輝かせた。

「さすがです大吾さん! 空いた日さえ無駄にせず、むしろ休みの日だからこそ効率よく信者の方を増やしたり、パワーアップしようと考えるなんて!」

 パァァと晴れやかなマールちゃん。

 マールの俺に対する好感度にはどうやら波があるらしい。今はその波が最も高い時。勇気出して告白してみようかな。無理か。

「そうと決まれば宿代専用の財布に新たに5パルフェを入れてっと」

 チャリリリリンと銅貨5枚。

 いきなりだったし、さっき申し訳ない事をしてしまったので今回は俺が出しておいた。

 それにしても昨日多めに稼いでおいて助かったぜ。いきなりの赤字生活になるところだった。

「じゃあ朝飯食って早速行動しよう。今日はクエストは休みだが、休みだからこそ出来ることはあるはずだからな」

「そうですね大吾さん! 今日の朝ごはんは梅のおにぎりと、ジャコのおにぎりでした!」

 情報早いなマールちゃん、と思ったがよくよく見たらマールの口周りにご飯粒が付いていた。

 俺はそのご飯粒を取ってぱくっと食べた。

 今まで食べたご飯粒の中で一番美味かった。ご飯粒はマール味だった。

 マールは顔が真っ赤になりながら、先にご飯食べてごめんなさいと謝ってきたのでとりあえず可愛かった。これからマールの口に付いてる食べ物は全部食べよう(決意)。

 俺はその後頑張って起き上がってトイレを済まし、マールと一緒に一階へ降りて朝飯を食おうとした。

 のだが。

 既に食べ終わっているマールが物凄く物欲しそうな目で見て来たので1個あげることにした。

 大丈夫だよマールちゃん。

 一人で食うおにぎり二個と、マールのモフモフする顔を見ながら食うおにぎり一個じゃ後者の方が腹が膨れるんだ。

 そんな訳でマールはジャコのおにぎりが好きなんだな、と残った梅のおにぎりを頬張って思う俺なのであった。

 昨日も思ったが、マールは口が小さいのに食べ物を一気に頬張る癖があるので色々付いてしまうのだ。

 もちろん今回も例外ではなく口周りにご飯粒とジャコを付けていたので、俺はすかさず取って食べた。やっぱりマール味だった。うめぇうめぇ。

「朝から仲よくていいねぇ~」 

 と、キッチンの方からナンシーさんに話しかけられた。

 やっぱりそう思います? そうなんですよ。俺とマールは凄く仲がいいんです。ね、マールちゃ、あ。おにぎり食うのに夢中だ。

「ギルさんはもう仕事に出たんですか?」

「いいや。あの人はいつも動き出すのは昼前さね。なんたってお湯入れるだけの仕事なんだから」

 まぁ、うん。

 でも結構繁盛してるんですよ、ギルさんのお店。

「俺たち今日はクエストへは行かず街を見て回ろうかと思ってるんです」

「そうかいそうかい。この街はそこそこ大きいからね。色んな職人がいるから飽きないと思うよ」

「色んな職人…?」

 ナンシーさんにそう言われて俺はハッと思い…出した!

 異世界に来る前にまず第一にやっておこうと思った事だ。

 今までバタバタしてたからすっかり忘れていた。

 ちっぱ、じゃなくてマール教に必要不可欠な大切なものだ。

「ナンシーさんはこの街に詳しいですか?」

「ん? まぁ何十年も住んでるからね。そこらの冒険者よりは詳しいと思うけど」

「実は人を探してまして」

「ほぉ」

 誰だい? と聞くナンシーさん。

「石工職人を探しています。それも女性の」

 俺の答えを受け、ナンシーさんとマールはハテ顔をした。

 マールはおにぎりをほっぺたパンパンに入れてリスみたいな顔になっていた。可愛すぎて梅干しの種吹き出した。



ちぱブラ、とは『ちっぱいを優しく包み揉む天使のブラジャー』の略称であり、数多のちっぱいガールズから愛されている下着なのだ。

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