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私のわがままな異世界転移   作者: とみQ
ヒストリア王国最後の激闘編
242/1063

5-12

美奈に宿る精霊の能力、それは━━。


「タイムトラベラー・リバース!」


美奈の手から柔らかな光が放たれ、隼人くんの体全体を包み込む。

黒焦げな隼人くんの体が、やがて煙を上げ始める。

まるで、今魔法に撃たれたように。

そして次の瞬間には隼人くんの体の煙も消え、完全に元の状態に戻っていた。魔法に撃たれる前の状態へと。


「何だとっ!? こ……こんな事がっ……!?」


驚愕の声を上げるポセイドン。

さすがにここまでの事態は予測できなかったらしい。手足をワナワナと震わせ佇んでいる。

私はしてやったりとほくそ笑み、心の中でガッツポーズを取った。

それと同時に計り知れない程の安堵と嬉しさが込み上げてくる。

ゆっくりと起き上がる隼人くんとバル。

彼を後ろから抱きしめる美奈。

胸が急速に熱くなってまたまた泣いてしまいそうになるのを既の所で堪えた。

さすがにこれ以上は泣きすぎだ。


「美奈……? これは……一体?」


隼人くんはまるで夢から醒めたような、ぽかんとした表情を浮かべた。


「ごめんね。隼人くん……ごめん」


美奈の悔しさと申し訳なさと、そして安堵が入混じっじった表情を見て、隼人くんが戻って来た事をより一層実感出来た。

美奈の精霊オリジンの能力。それは時間を操る能力(・・・・・・・)だったのだ。

要するに今までの美奈は対象となる人の生命力ではなく時間を進める事によってその人自身の持つ生命力で傷を塞いでいたのだ。

言うなれば超速自然治癒だ。

今回オリジンと正式に契約を結んだことによりそんな美奈の新たな能力が追加された。

私の場合風を操る能力に風を生み出す能力が追加されたように。

今まで対象となる者の時間を進ませることしか出来なかった美奈は、対象となる者の時間を戻すことすら可能になったというわけだ。

もちろん戻す時間には限りがある。

どれくらいかは分からないけれど、結局はマインドの許す限りなのだろう。

また対象全体か、対象の一部分かによっても消費するマインドは変わってくるとか。

その辺の事はまあ、これから美奈自身が探っていくのだろうけれど。

とにかく今回こそはもう本当にダメなんだと思った。

けれど何とかなったのだ。

皆で支え合って、助け合って、補い合って。

私たち四人は今この瞬間、再び揃ってこの場所に立っている。

私は胸に煌々と希望の炎が灯ったのを感じていた。

どんな困難な道も皆がいれば切り拓いていける。

皆がいればきっと何だって出来る。

どんな絶望も跳ね返していけるのだと。

そんな最高の予感が私の心を充たし、ドクドクと脈打っているような心持ちだった。

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