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私のわがままな異世界転移   作者: とみQ
ヒストリア王国編
210/1062

4-37

「ああああああああああああ……っ」


アリーシャに纏わりつく闇が、憎悪の感情を帯びて赤黒く変色していく。

苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

苦しくて苦しくて、アリーシャは気が狂いそうになる。その力に抗えず何もかもを投げ出してしまいたい衝動に駆られる。

私が一体何をしたというのだ!?

忌み子と罵られ、蔑まれ、王家の恥さらしと言われ。私も望んでこんなこの国の王女として産まれた訳では無い!

私に負の感情を向ける全ての者をこの手で斬り殺してしまいたい。

そう。そのために私は今まで必死で努力して、日々剣の腕を磨いてきてのだ。

血の滲むような努力と研鑽を重ねて。

憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

もう全てがどうでもいい!!

ただ、全てが憎い!! 憎くて憎くてどうしようもないのだ!!


「がっ、がああああああああああっ……!!!」


いつの間にかアリーシャを取り巻く闇は消失していた。

先程までアリーシャを包んでいた闇は増幅しその全てが彼女の中へと戻っていったのだ。

その結果彼女の表情が魔人のような形相となる。

目は赤く、人ではない者へと変貌するように。


「アリーシャ! アリーシャァッッ!!!」


ふと自分の名前を呼ぶ声がした。

それは聞き覚えのある、アリーシャにとってとても大切な誰かの声だ。

荒ぶる心に、吹き荒れる黒い嵐のような胸中に、あっさりと欠き消されてしまうそよ風のような。

だがそれはアリーシャの心の中に確かな温もりを与えた。

アリーシャは突然何も存在しない空間に投げ出された。


……。……。

周りには何も無い。何も見えない。

ただあるのは虚空だけ。

目を開いているのか、閉じているのかすら分からない。

身体の感覚が無く、こうなれば最早自分が生きているのかすら怪しくなってくる。

私は……。私は何をしている?

私は誰かと戦っていて。

どうして戦っている?

どうして?

そんな事今はどうでもいいのでは?

本当に?

私は何のために戦っているのか、戦うのか。

戦いはいつだって辛くて、苦しくて。

本当ならば逃げ出したい筈なのに。

でもそんな事は絶対に出来はしない。

何故?

何故なら……。何故ならば。

大切なものを守るためだから。

私の大切なあなたの事を、私が守るのだ。


「!!」


アリーシャは我に返り、その瞬間に目の前に広がる闇と心の中に渦巻く黒い感情に戸惑った。

だが、まるでそれが自分ではないかのように。

自分を見つめる第三者かのように。

その心の闇にそっと……。

触れた。

その瞬間目の前に掛かった靄が晴れて、そこにライラが剣を携えて立っていた。

ライラはアリーシャと目が合い彼女の瞳孔を見つめながらその瞳を大きく見開いた。


「アリーシャ!? ……まさか」


ライラは一瞬だけ驚いた表情を見せたが、すぐにいつもの涼しげな表情へと戻る。

そしてアリーシャはというと瞳に正義の輝きを宿し、目の前の倒すべき相手を見据えた。

そして最後の一節の詠唱を、その唇から紡ぎだした。


「悠久の理を越えて 神々さえも呑み込んで!」


闇魔法の詠唱は今正に完成へと至った。

あとは力ある言葉を解き放つのみ。

アリーシャの顔が凛々しい騎士のものへと戻り、深淵の闇の塊が凄まじい引力に吸い寄せられるように剣へと入り込んでいく。それと同時に極光の輝きが剣から放たれていった。

アリーシャは獅子の咆哮のように大きく瞳を見開くき、最後の力ある言葉を今正に解き放った。


「ダークシャドウ・プロビデンス!!」

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