ツンつん
大きな音を立てて墜落したものの、そこまで体にはダメージがなかった。
墜落した衝撃で舞った砂埃が徐々に晴れていく。
そこには、驚いた表情で武器を構えているおじさんたちが数人と、今にも泣きだしそうな顔の美少女が一人いた。
おっ、これはこれはマジで美少女だわ。長くてさらさらしている金髪に、くりっとした大きな眼。スレンダーなライン……胸はまぁ、しょうがない。胸が女の人の価値は決まらない。
よしっ、ぞんじゃ、やりますか。
俺はそう思うとおっさんたちに向かって
「寄ってたかって一人の少女をいじめるとは、お前らそれでも男か!!」
決め台詞を吐いた。
「・・・・・・・。」
え……。誰も反応してくれないの。
「あぁ、お前。ガキのくせにいっちょ前な言葉を吐き出しやがって。野郎どもあいつをぶっ潰せ!」
男たちのリーダーらしき男がそう指示を出すと数人の男たちが俺をめがけて襲い掛かってきた。
お前らなんて相手にならねーっうの!
「炎の玉」
そう俺が唱えると無数の炎の玉が現れる。
俺の特異な炎魔法を受けやがれ!
「掃射」
一斉に炎の玉が野郎たちに襲い掛かる。
「うがぁぁ」
「ぎゃああ」
男たちは見事に炎の玉の餌食となった。
後に残ったのは男たちの焼けた遺体と美少女一人。
美少女は驚いた顔をしてこっちを見ていた。
驚いた顔もかわいいな……。なんか、話しかけないとな、第一印象重要!
「そこまで大したことなかったな。そこのかわいいお嬢さん、ご無事ですか。」
「助けてくださりありがとうございます……とかいうわけないだろ、この糞野郎。」
「え・・・・・・・?」
「せっかくおびき寄せた盗賊だったのに、あいつらを犯罪奴隷として売れば結構な儲けだったのによ!!お前のせいでもうけられねぇだろ。」
美少女は怒った顔でそういった。
えぇ!!なにそれ。理不尽過ぎない!!さっきまでこれはきたな、きたな、美少女ゲットだよって思っていた俺の期待を粉砕しやがって。美少女=性格いいっていう方程式は幻想であると証明された。
「そうだ、お前、私とデペンドのダンジョンに行くときに一回だけパーティー組んでくれよ。もちろんダ
ンジョン内で獲得したアイテムは私のものな。そしたら今回のことチャラにしてあげるよ。さっきの戦闘でお前はなかなか戦闘できることが分かったし。」
そんじゃいくよ。
彼女はそういうと俺の腕をつかんでどこかに向かって歩き始めた。
俺の頭はその時、処理に追われていた。
美少女と二人きりで・・・・・・・・・・うふぅふぅふぅ、、、、、じゃない。
「俺はまだ、了承してないぞ!」
そういってもなんも返事はない。
あれっ、きこえなかったかな。
「俺はまだ、了承してないぞ!」
少し大きな声で言った。
「うっさいわね。聞こえているわよ。黙ってついてきなさい。」
まぁ、いいか・・・・・・・・・。