表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

好奇心で

「ああああ!むかつくなぁ!!」


そう叫んだのは今年で高校一年生の[柳 松葉(ヤナギ マツバ)]だった。生まれつきの女顔と華奢で小柄な体のせいで皆にはいつも馬鹿にされていた。


「俺だって…こんな顔に生まれたくなかったし…」

『うるさいどうした』

「わああああああっ!!??」


柳の肩から顔覗かせたのはいかにも美人です、というような冷めた目付きの女の子だった。


「い、いきなりなんだにょぅ!?」

『あっ噛んだ。やっぱり柳ちゃんは可愛いでちゅねー』

「いい加減にしろおおおおおおおおおっ!!!」

『ハイハイ可愛い可愛い』

「このやろぉおおおおおおおっ!!」


柳の顔は怒りと恥ずかしさで真っ赤だった。嗚呼、早く家に帰りたい。むしろ家が俺を迎えに来てくれ。柳はそう神に願った。


『あっやべ、あたし図書の仕事忘れてた。』

「えっ」


『つーことであたし学校逆戻りしねーといけなくなったからそれじゃあっ!』


柳は神に感謝した。気付けば家から50m付近の場所だった。






「あーーただいまーーー」

誰もおかえりとは返事してくれなかった。そりゃそうだ。この時間には誰もいない。いつものことだ。

重い足取りで自分の部屋に向かった。この時間何やってたっけなーなんて考えながら。

部屋に入る。一気に開放感が自分を包んでくれた。いつもの見慣れた風景――いや、違う。正確には見慣れぬ物が1つだけあった。白い、白い小さな箱が机に置いてあった。

「なんだこれ」

誕生日プレゼントか?でも誕生日は3ヶ月後のはず。誕生日プレゼントにしては随分と早かった。

「開けても……いいのかな…?」

柳は良心と好奇心とで約5分ぐらい葛藤をした。そしてどうやら、好奇心の方が勝ってしまったようだ。

「バレなきゃ大丈夫だよな!!……多分…。」

そしてそうっと、ガラス細工を扱うかのように両手で恐る恐る箱を開けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ