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一話

「ごちそうさまでした！」

両手をパアンと打って食べ終えた食器を流し台へともっていく。今日の晩御飯は私の大好きなオムライス。小さい頃からよく作っては、ケチャップで色んな文字を書いていた記憶がある。

私は流し台で軽く洗い、食器洗濯機の中へと入れ、スイッチを押して起動させた。

ウォォンと起動音を聞いてから、エプロンで手を拭き、1階の電気を消した。

まだ7時台だというのに、電気を消してしまうと一気に静かになる。

私の家は3人家族だ。父と母、そして私。父は仕事の出張でほとんど家を空けている。

母はバリバリのOLだ。飲み癖があるせいで、毎晩毎晩飲み会で帰りは遅い。

しかも朝早くに家をでてしまうので、私と顔を合わさない日が１ヶ月続いた日もあった。

休日はというと、母はいつもパチンコや競馬などのギャンブルで出かけることがほとんどだ。

それでも二人とも、私の誕生日には必ず帰ってきてくれた。それだけで私は嬉しいんだ。

でもやっぱり時々寂しくなる。家事全てを私が担当しているから、友達とあまり遊ぶこともできず、そのせいで学校では疎外感を感じてしまう。

私………落合日菜子（おちあいひなこ）はそんな高校一年生なんだ。