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漆黒の戦機  作者: 夏木裕佑
第五章 「賢帝は旗の色を知る」
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一三三年 二月十二日~

・アリオス歴一三三年 二月十二日 大型巡洋船アクトウェイ ダハク星系連邦


 アクトウェイがワープアウトする。ワセリージャンプ特有の時空震が発生し、さらにもう一隻の船がワープアウトしてくる。紫色のけばけばしい色彩を纏ったコンプレクターがぴったりと黒い船の横に付き添い、二隻は虚空へと躍り出ると、即座に超光速レーダーの量子通信波を放ち始めた。瞬く間に、星系内が探索されていく。

 膨大な情報は、アクトウェイの中枢コンピュータへと集約されていく。直接接続された独立人格を持つAI、アキの機能のひとつを用い、管制長であるセシル・アカーディアがコンソールを操作し、三次元のホログラフで整理されたデータを空中で掴み、船長席に座るリガルへと投げた。

 座席の目の前で止まり、展開された宙域図を眺める。リガルは少し伸び始めた黒い前髪を指で弄りながら、しばらくの間それを見やった後、くるりと座席を回して、後ろに控えるアキを見据えた。


「これはいったい、どういうことだ?」


 青年の問いに、白髪の淑女は楚々と小首を傾げた。


「超光速レーダー、発信、受信、共に異常ありません。経由する回線も同様です。常に船内システムの自動走査関数が働いていますが、特に異常を示してはいません」


「フム、奇妙だな。全体にノイズがかかっている……あ、直った」


 宙域図の情報が更新され、到着したばかりのジョスカボフ星域。G四型恒星が連星になったため、星域の中心部から三十光分の位置に五つのジャンプポイントが存在する。それぞれがダハク星系連邦の主要星系へと伸びている。

 ダハク星系連邦は、旧銀河帝国領、首都星系の存在したロリアは政治で栄えたが、この国は主に銀河帝国軍の兵站事業、特に大型艦船建造の拠点となっていたこともあり、第一次オリオン腕大戦後は重工業を中心に栄えた。

 旧銀河帝国領の中では、ロリアに次いで栄えていた。銀河帝国軍残党が最初期に目を付けていたのも当然と言えた。ジェイスは、ロリアに駐屯しており、バレンティアに対し反旗を翻した第七機動艦隊が存在していた。

 ジョスカボフ星域には、小ぶりな資源惑星がひとつ、巨大な小惑星帯がその外側に広がり、さらに外側には巨大なガス惑星が浮かんでいる。所々には造船用の大型ステーションが浮かび、資源惑星上にも多数の真空作業設備や、主たる居住区となっている大型軌道ステーションが見える。

 その資源惑星の軌道上に、一五〇を数える帝国軍艦が浮かんでいた。

 セシルが報告する。


「今までにない長距離探索のため、精度は保証しかねますが、捕捉している敵艦隊は、ゴースト・タウン宙域で接敵した旧銀河帝国軍艦と整合率七二パーセント。数における誤差、プラスマイナス一〇隻」


「多くとも一六〇隻の帝国軍艦か。性能的にも、近代化改修が施されているとみて行動しよう」


「了解。ところで」


 砲雷長席から、イーライ・ジョンソンがちらりと視線を投げる。その先に佇んでいるのは、影のように息を潜める一人の男。

 灰色の髪、青い瞳。中肉中背、体格としてはリガルに近い。しかしその身に纏う空気は、明らかに異なっている。リガルが眠れる獅子を思わせる鋭さと覇気を備えているのなら、この男は亀だ。ただ静かに佇み、気配を消し、自らの殻にこもって何かを見つめている。


「そちらの、プリンストン・B・エッジ大尉は、どう思われますか?」


 ひとつ追加されたオブザーバー席、リガルの右隣にあるそこで、プリンストンはアキの様に無機質な瞳でイーライを見つめ返した。


「砲雷長。私が歓迎されていないことは理解していますが、正直に申し上げてもよろしいのでしょうか?」


「勿論ですよ。バレンティア航宙軍、新進気鋭の大尉殿のご意見を伺いたく存じます」


 あからさまな当てこすりを無視しているのか、それとも、怒りつつも感情を隠しているだけなのか。

 大尉はセシルに頼み、リガルと同じ宙域図を手元に広げると、数瞬の黙考の末に口を開いた。


「何故、この隊形なのでしょう?」彼は、球形陣を敷いている敵艦隊を示した。「どう思われますか、砲雷長?」


「え? そうですね……待機時間が長いのでしょう。未だに、銀河連合軍はダハク星系連邦まで進出してはいませんから」


「私もそう思います。ですが、敵は百年前の大戦の亡霊。待つ事には慣れているはず。だとすれば、いつ敵艦隊が出現しても即応できる様に、長方形陣や円錐陣となり、機動力を重視した隊形を取っていてもいいはずです」


 イーライ・ジョンソンの表情が、一際真剣な面差しに変わる。リガルは面白そうに、二人の会話の成り行きを見守っていた。好奇心に突き動かされて口を開かずにいる船長へ、アキは人知れず、目玉をぐるりと回す。


「一理ありますね。遅かれ早かれ、ここへ銀河連合軍がやってくることは明白でしょうから。ジョスカボフ星域は交通の要衝でもあり、敵軍の兵站面でも大きな役割を担っている」


「そう考えれば、この星系に一六〇隻しか駐屯していないのには疑問符を付けざるを得ません。ここは資源も豊富な工業星域です。特に、軍用艦艇のような大型のものなら、いくらでも維持できるほどの物資、設備は整っている筈ですから」


「考えられることは二つ。ひとつは、何らかの要因で帝国軍がこの星域の施設を使用できない状態にあるか。ふたつめは、あえて少数の艦隊をここに駐屯させているか」


「後者だろう」リガルが口を挟むと、二人は等しく彼を見やった。「ジョスカボフ星域の特徴を考えれば、すぐにわかる。この星域はジャンプポイントが、どの拠点からも遠く離れている」


 プリンストンは、興味深そうに彼の論説を聞いている。

 リガルはコンソールを操作し、艦橋を覆う半球形状ディスプレイに天頂方向から俯瞰した星域図を表示する。クルーたちはそちらへ目を移し、滑らかに指を走らせる。

 星域図には、中央の連星からほど近い位置にある資源惑星、その傍に駐留している敵艦隊に、目標アルファのタグとともに強調表示している。


「仮に、我々が使ったワープポイント以外から銀河連合軍艦隊がワープアウトしたとする。資源惑星軌道上には一六〇隻の敵艦隊だ。それほどの手勢ではない。星域奪還のためにも撃破に動くだろう。そうすれば星域の内部へと誘い込まれる」


 フィリップが指を鳴らした。


「なるほどな。大規模な艦隊であればあるほど、勝利の確信は強まる。それに、ここは資源惑星も豊富だ。銀河連合にとっちゃ、これ以上はない戦略目標だな」


「そういうことだ。大方、ある一定のラインを超えたところで、あの艦隊から星系外部の帝国軍へと報告が飛ぶんだろう。そうなれば、たとえ通信を傍受して気付いたとしても袋のネズミだ。ワープポイントまでは、どこも遠い。各ワープポイントから敵の大軍が訪れても撤退はできない」


 相変わらず、ポケットウィスキーの中身を美味そうに飲みながら、ジュリーはつまらなさそうにげっぷをする。イーライがやれやれというふうに肩を竦めた。


「そうなりゃ、ダハクには相当数の帝国軍が集結していることになるねぇ。いくら地の利があるとはいえ、包囲殲滅戦法を取るなら、それなりの手持ちが必要だろう?」


「俺はそう考えている。ほとんど間違いないだろうな」


「御見それしました」


 軽く一礼するプリンストンに、クルーたちは微妙な表情を浮かべる。

 言うまでもなく、彼はリガルと同じ見解に行きついていた。これは、彼がこちらの能力を測ったのである。

 クライス・ハルト中将が、ロリアへ向かうアクトウェイの行動の自由を保証するための交換条件として示した、バレンティア航宙軍から一名、監視のために軍人を同行させること。

 クルーたちは、勢揃いで格納庫へと赴いた。何しろ、バレンティア航宙軍の派遣する兵士である。直接、言葉で示しはしなかったが、必要とあらばクルー全員をすべからく殺害することも任務の内であることが、容易に想像された。

 まだクライス・ハルトにとっては、アクトウェイへの疑念は晴れていないのだろう。あの男は抜け目がない。どれだけ小さな確率でも、彼が目を付けたものは疑念が晴れない。そうすることで、あの男は若くしてバレンティア航宙軍、第七の序列にある第七機動艦隊の司令官を拝命しているのだ。

 そうして、緊張の極みにある彼らが、機密を保つための巨大なエアロックを潜り抜けたシャトルの中から出迎えたのは、三人の人物だった。

 一人は、カルーザ・メンフィス准将。言うまでもなく、リガルの親友と言える人物である。金髪を撫でつけながら格納庫へ降り立った彼の後ろには、美しい黒髪を携えた女士官。レイズ星間連合領内、二人が初めて見識を持った場であるアルファ・ステーションでも見かけなかったその顔に、リガルは驚きと好奇の視線を向けた。どちらも灰色のレイズ星間連合宇宙軍を示す軍服を身に纏っており、飄々とした足取りで近づいてくる。

 さらに後ろ、遅れてシャトルのハッチを潜って来たのが、プリンストン・B・エッジだった。

 同じような配色ではあるが、明らかに違ったデザインの軍服をそのままに、三人は横列に並んで敬礼する。リガルらは軽く一礼し、まずはカルーザと旧交を温め合った。次いで、彼の口から紹介が為される。


「バレンティア航宙軍第七機動艦隊情報部部所属、プリンストン・B・エッジ大尉だ。ただいまから、大型巡洋船アクトウェイの目付部員として同乗する」


 クルーたちから落胆の吐息が漏れたのを、リガルは聞き逃さなかった。

 プリンストン・B・エッジには、敵意や害意といった、およそ考え得る限りでの闘争心は欠片も見えなかった。よくもこのような男が軍人になれたものだ、と、元軍人であるイーライやフィリップは呆れ返っていた。

 が、アキだけはリガルの袖を引いていた。

 後にも先にも、リガルが、アキが誰かの乗船を拒んだことなど、この一度限りだっただろう。恐れの覗くその瞳を、リガルはどうにか振り払った。ここで彼の乗船を拒否しては、潔白なる身にいらぬ虚偽を招きかねない。

 ジェイスとの関与を疑われている、それだけで怒り心頭に発する所ではあるが、クライス・ハルトという男にブラスターを突きつけたところで状況は何も好転しない。如何様な出自を持つ疑惑であれど、晴れれば朝の霧のように消える。

 そのためにはジェイスを乗船させねばならない。アキはそれをわかっているはずなのだが。

 リガルは、灰色の男へと歩み寄り、その瞳を覗き込んだ。

 底の知れない男。第一印象はそんなところ。腰に下がっている大型のブラスターは、視界に入れないようにした。


「リガル船長」


 彼は頷く。リガルもうなずき返した。


「エッジ大尉」


「プリンストンとお呼びください。あなたにお目にかかれて光栄です」


「およそ、俺を監視しに来た人物の発言とは思えないな」


 悪びれもせずに鎌をかけると、プリンストン・B・エッジは冷たさと熱っぽさ、その両方が微妙なバランスを保っている瞳をこちらへ向けた。


「お世辞ではありません。お噂はかねがね、私の耳にも入って参りますから」


「お気持ちは受け取っておくよ。ハルト中将も、それくらい俺を評価してくれれば、面倒事も少なくなるのにな」


「御冗談を」リガルは彼を睨み付けた。「提督の疑念を払拭する。そんな理由がなくとも、あなたはロリアへと向かうおつもりだったのでしょう? ジェイスを討つために」


 横顔に、カルーザの突き刺さる様な視線を感じる。それは彼の、友人としての警告だ。これ以上挑発してなんになる、リガル、ここは軽くいなせ、と。

 冗談だろ?


「私は多少なりともお手伝いができます。あの男を追い詰めるための。目付部員という名目ではありますが、微力ながら粉骨砕身、お手伝いをさせていただきます」


「それはそれは。まあ、うちの船は居心地が良いことで有名だから、すぐに慣れるよ。クルーたちの紹介も兼ねて、カルーザ、昼食でもどうだ?」


「いただこう。さあ、大尉。食堂へ行こう。軍用食が生ゴミに思えるぞ」


 人の微笑みというものを、さらに水で薄めた様に、プリンストンは僅かに口角を持ち上げた。


「進路を変更しよう」リガルは言う。「ロリアへと向かうに当たり、最短航路を駆け抜ける予定だったが、首都星系を迂回する。少し遠回りをしながら、ダハク星系連邦内の情報収集を行う。大規模な艦隊がこちらに来ているのならば、ジェイスもこちらにいるかもしれん」


「あいよ。一先ず、どこへ向かうさね?」とジュリー。


「クラースナヤ星系方面だ。尚、当星域における帝国軍残党は無視する」


「了解」


「みなさん、そろそろ夕食ですよ」


 短い黒髪を携えた少女、キャロッサの一声で、艦橋に張りつめた空気がするすると解けていく。思い思いに肩を回したりして、クルーたちが弛緩した空気の中を歩き、艦橋から出ていった。

 最後に、リガルとアキが連れ立って出ていく。クルーたちとリガルら、その間に、プリンストンは歩いていた。





 食堂では、いつも通りに食後の他愛ない雑談が繰り広げられている。大きな食堂の中央にどっかりと置かれたディスプレイに、アキが手あたり次第にアーカイヴしてくれた映画やドラマを放送している。

 今は、他愛のないラブコメディーだ。イーライとキャロッサ、フィリップとジュリーという組み合わせが座る中、少し離れたテーブルでリガルとアキが、食後のコーヒーを啜っていた。同じ卓に着いているのはセシル・アカーディアとプリンストン・B・エッジ。二人とも、特にすることも無いようで、テーブルの表面を見つめながら静かに過ごしている。

 リガルはアキに持ち掛けた。


「なあ、アキ。前々から気になってはいたんだが」


「なんでしょう、リガル」


「アクトウェイの未踏査区域なんだが、君自身は調査してるのか? いや、一度はみんなで探検もいいだろうけど、それじゃあ時間もかかりすぎるし」


「仰っていることは理解していますが、ドロイドを用いてもいつ終わるかわかりません。それに、隅々までこの船体を調べることは不可能でしょう」


「でも、君はセンサー類を全て覗けるんだろ? いつも船内環境の維持に務めてるじゃないか」


「人が記憶を思い起こすことと、私が記録を閲覧することは、必ずしもイコールではありません。いつぞやに話したかと思いますが、私は自分自身の主体を、この生体端末へと移しました」


「ともすれば、アクトウェイでさえ、俺達が持っているこの携帯端末とは変わりないってことか。荷電粒子砲とメッセージの送信は大差ない?」


「まあ、有体に言ってしまえば、そうですね。たとえば――」


 途端に、食堂の天井から数十のパネルが開く。中から現れたのは、小型のブラスターが装着されたガンカメラ。それらが一斉にイーライ・ジョンソンへと向けられ、最低レベルの照準レーザーが集中照射。彼の金髪の先がちりちりと煙を上げ、同時に悲鳴も上がった。フィリップとジュリーは腹を抱えて大笑いし、キャロッサが慌てふためいて、砲雷長の頭をひっぱたいている。

 リガルはむせ返りながら、セシルは口元を抑えながら、どうにか笑いの波動を押し殺そうともがく。二人はそのままイーライの下へ駆け寄り、笑顔の輪に加わった。

 アキがすまし顔で保安機構をオフにし、天井が元通りになると、食事中も黙していたプリンストンが口を開いた。


「生体端末ですか」


 アキが、じろりと視線を向けた。


「珍しいですか、大尉?」


「いえ。ただ、あなたの感情の豊富さに驚きまして。AIにしてはいささか行き過ぎているように見受けられます」


「私もあなたも、対して違いはないと思います。お互い、感情表現が苦手でしょうし」


「フム、面白い意見です。確かに、私はお世辞にも人付き合いが得意な訳でもないですからね」


「バレンティア情報部のやり口はわかりません。これだけは覚えておいてください。もし、私のクルーに少しでも危害を及ぼす様な真似をすれば――」


「真似をすれば、なんです?」


「今、見せた通りです。あなたに対しては、加減できるかどうかわかりませんから」


 つまり、今見せたデモンストレーションは、リガルらクルーではなく、この部外者の男に対してのものであるのだということだ。

 それでも、プリンストンは表情を崩さない。無表情こそが、彼の持ち得る顔のレパートリーの様だ。

 自分もこう見えているのだろうか、とアキは自問する。アクトウェイのセンサー類を使えば、自分の容姿を確認することなど造作もない。だが、やはり自分の目を使って見た物でなければ、実感という点では大きく薄れる。

「警告は受け取っておきましょう。ですが安心してください。私は、この船で破壊工作をするために送り込まれた訳ではありませんから」

 アキは肩を竦めた。リガルとの会話で覚えた所作だ。人間は、相手に対しての疑念を表明したり、処置なしと判断したものにこうした仕草をすることがある。

 リガルの様に、気さくで、誠実な青年もいれば、それほど歳も変わらないのに、これほどまでに難解な人物も存在する。その多様性こそが人間の真骨頂であり、今も戦争を続ける原因ともなっているのだが、アキはこの気を許す事の出来ない軍人に対して、それらと同じように許容する訳にはいかなかった。

 アクトウェイを守る。その想いがもたらした、彼女にとって初めての偏見かんじょうであったのかもしれない。


「驚きました。人工知能(AI)が、ここまで独立した人格を有するとは」


「それで、どうするのですか?」


「特に何も。私の任務は監視であり、報告ではありません。そうだ、ひとつ教えて差し上げましょう」


「拝聴します。なんですか?」


「言葉とは便利なものですが、必ずしも相手が意味のある言葉を投げかけているとは限らない。言葉の持つ意味と、所有者の乗せた意味は、必ずしも一致はしない、ということです」


「そんなことは承知しているつもりですが」


「つもりでしかない、ということもあります。それでは、私は一足先に部屋へ戻らせていただきます。船長にお伝えください。それでは」


 プリンストン・B・エッジは、リガルとアキの髪色を足して二で割ったような髪色を彼女の視界に残して食堂を出ていった。その間、アキは船内の保安システムを総動員して、彼がしっかりと自室へ向かっているかを監視する。

 彼の自室のコンソールは、完全な監視下にある。行動は逐一確認している。相手に気取られぬ範囲で、危害が加えられる前に阻止する腹積もりだ。

 アキは嫌悪を知った。

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