表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔獣物語  作者: ひよく
序章
8/155

序章8

 カナの袈裟斬りの斬撃を躱し、魔人が僅かによろめいた瞬間、魔人の足元が弾けた。

 ダンは先程、魔人の眼前に放った爆発の魔法を、今度は魔人の足元に使ったのである。


 魔人は堪らず、仰向けにひっくり返った。


 絶好のチャンスである。

 カナは魔人の首筋めがけて、剣を突き刺した。


 ところが、驚くべき事に、カナはそれでも魔人を仕留められなかった。

 剣は魔人の首筋の横…地面に突き刺さっていた。


「カナ、お前…。」

 ダンは信じられない気持ちで、その光景を見つめていた。

「ダン…。」

 ダンのほうに振り返ったカナの顔は、今にも泣き出しそうだった。


 ダンは、ようやくわかった。何故、カナが魔人を斬れないのか。


 カナは魔人に馬乗りの体勢になっていた。魔人は左腕を伸ばし、カナの頭を片手で鷲掴みにした。

 地面に剣が突き刺さったままになっていたので、逃げるのが遅れた…というわけではなく、カナはもう半分泣きべそをかいていて、逃げるどころではなかったのである。

 魔人は上半身だけ起こした体勢で、まるで手毬でも放るかのように、カナの体を、ダンの後ろにあった大木の太い幹に向かって投げつけた。


 ドォンという轟音が響き、大木が揺れ、叩き付けられたカナは、そのまま木の根元に倒れ伏した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ