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第3章19
「でも、なんで隠してたんだ?」
カナが口を挿む。
「それはダン様が賢者のロープを纏わない理由と同じだと思います。父は常々申しておりました。‘魔術師は常に国に利用される存在だ。魔法は学問として覚えておいた方が良いが、それを周囲には知られない方が良い’と。」
それを聞いたダンは、フっと笑って
「それもそうだな。」
と、応えた。
「さて、随分、遅くなってしまいましたね。今夜はうちにお泊りください。もう宿屋まで行っては真夜中になってしまいます。狭い所ですが、野宿よりはマシでしょう。」
その言葉に甘え、3人はケタミンの家で一晩、世話になる事にした。