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第3章16
ケタミンはそれでいくらか警戒心が和らいだのか、3人を中に招き入れた。
ケタミンは松葉杖をつきながら、家の中を歩いていた。
家の中には小さなキッチンとテーブルと椅子が1脚、ベッドがあった。
「狭い所で、すみません。」
ケタミンが申し訳なさそうに、奥の方から折りたたみ式の椅子を3脚持ってきた。
「突然、訪ねてきた俺達が悪いんだ。気にしないでくれ。」
3人は、ケタミンの持ってきた椅子に腰を下ろした。
ケタミンはお茶を用意しようと、キッチンに行きかけたが、それをダンが止めた。
「余計な気は使わないでくれ。それより早く話がしたい。」
「わかりました。何なりとお聞きください。もうあんな悲劇は、たくさんです。それを繰り返さずに済むのなら…。」
ケタミンは俯きながら話し出した。