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第1章12
その周りに、いくつもの小さな炎が出現し、金魚が泳ぐように、ダンの左手の周りを浮遊する。
もしもよく観察していたら、その小さな炎の数は、残る野盗の数と同じ18である事がわかっただろう。
一体、何なのだろう?
野盗もオルソも、一瞬、動きを止めてしまった。
だが、野盗の1人は恐怖にうわずった声でこう叫んだ。
「コイツ、魔術師だ!!」
その恐怖が伝染していくかのように、野盗達の顔色は一瞬で蒼白になった。そして、逃げ出そうと後ずさった瞬間に、ダンは火炎魔法を野盗達の顔面に向けて叩き付けた。
「うぁぁーー!!」
「ぐぉぉーー!!」
炎に顔面を包まれた野盗達は悲鳴をあげ、地面の上でのた打ちまわる。
しかし、魔法の火炎が消える事はなかった。
すぐに野盗達は屍と化して、動かなくなった。
結局、その場には、剣で斬り伏せられた死体が9体、顔面を消し炭に変えられた死体が18体、転がっていた。