第5章5
仕方なく、2人はカナに言われた通り先に食堂に行って、昼食をとる事にした。
本来、王族のナトリウムは王や王妃達と食事をとっていたのだが、カナとダンがレプトスピラに滞在するようになってからは、2人と一緒に食事をとる事も多かった。
その日もナトリウムは、他の騎士達に交じり、ダンと一緒に食堂で食事を注文した。
そうこうしているうちに、ようやくカナが身支度を整え、食堂にやってきた。
しかし、その顔は不機嫌さ丸出しであった。
「今日は遅かったな。」
というダンの言葉も無視。
ガツガツと、ダンとナトリウムが頼んだ食事を食べ始めた。
それは、あっという間に食べ終わり、さらに追加注文する。
ダンは、ただただオレンジジュースを飲みながら、その光景を眺めていた。
あまりの勢いに、ナトリウムも呆気にとられている。
大皿に大量に盛られたサンドイッチも、すべてカナの腹に納まった。
「おい、それくらいにしておけよ。いい加減、食い過ぎた。」
さすがにダンが注意した。
すると、カナはいきなりダンの胸倉を掴んだ。
「うるさい!お前には関係ないだろ!」
ナトリウムが吃驚して、止めに入る。
「カナさん!一体、今日はどうしたのです!?」
周りにいた他の騎士達も騒めき出した。




