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魔獣物語  作者: ひよく
序章
14/155

序章14

「助かった…。」

 村人の1人が、ぽつりと呟く声が響いた。

 すると、張りつめていた場の空気がフッと緩み、カナは力尽きたように倒れ込んだ。


「カナ!」

 タミナが、カナに駆け寄った。

 カナを抱き上げ、膝に乗せる。

 母親の膝の上に乗せられたカナは、先程まで魔人と死闘を繰り広げていた戦士とは思えない、実年齢以上の幼い表情を見せ、母親の胸に顔をうずめた。


 他の人間から一呼吸遅れて、ダンも緊張の糸を解そうとした。

 が、その時、ダンは気付いた。

 魔人が、完全に死んではいない事を。

 そして、魔人の中に、凄まじいレベルの魔法力が高められている事を。


 普通の人間が魔人になったからと言って、魔法が使えるようになったりはしない。

 この魔人は、もとから魔術師だったのだ。

 魔獣化して理性を失い、魔法の使い方も忘れていた魔人が、死を目前にして、それを思い出したのである。


 突如、空に積乱雲が現れた。

 雷撃による攻撃魔法。超高等魔法である。


 攻撃対象は、魔人の前方にいるすべての人間。

 カナ、タミナ、そして、それ以外の村人全員。

 

 魔人のやや後方にいたダンだけは、攻撃対象から外されている。


 そして、魔法は発動された。

 と同時に、魔人は力尽きて息絶えたが、一度、発動された魔法は、術者が死んでも効力を持つ。

 もはや、魔法は止められない。

 これを防ぐには、攻撃対象に魔法が到達するよりも先に、他の魔法を無力化する対抗魔法をかけるより他にない。

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