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第4章9
「ナト、もし途中でへばっても、今回は回復魔法かけてくれる奴はいないからな。」
「わかっています。カナさん。」
クロストリジウムに行った時には、歩くだけでへばって、ダンの回復魔法の世話になったナトリウムである。
そのため、今回は重い甲冑ではなく、傭兵風の軽い鎧を身に着けていた。
より実戦向きのスタイルである。
カナはいつも通り使い慣れた剣を腰に帯びている。
防具は胸当てのみで、いつもと同じ軽装である。
2人は1週間ほどかけて、パイオメトラの塔の近くの漁村に辿り着いた。
塔はこの村から、小舟で30分程の小島にある。
魔獣退治に来たと言うと、村人達は2人を歓迎した。
魔獣の出現は、この村に大きな被害をもたらしていたようである。