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第4章4
そんな様子を覗き見している2人組がいた。
カナとナトリウムである。
「コカリちゃん…。凄過ぎます…。」
ナトリウムは自分の妹の繰り出した魔法に度肝を抜かれていた。
驚いたのはカナも同じだ。
「凄いな、コカリ姫は。私はずっとダンと一緒にいるが、魔法なんて全く使えないぞ。」
「でも、カナさんは強いじゃないですか。」
「だけど、私は真剣勝負になったら、多分、ダンには勝てない。もしかすると、コカリ姫にも勝てないかもしれないな。」
「カナさん…。実は僕もカナさんにお願いしたいことがあるんです。」
「なんだ?」
「僕に剣技を教えてほしいんです。僕も強くなりたいんです。この国は何者かに狙われています。騎士が今まで通り、お飾りではダメだと思うんです。」
騎士なのに、まるで剣が使えないナトリウムである。
帯刀してはいるが、まさにお飾りであった。
「よし!いいぞ、ナト。私がうんと強くしてやるからな!」
そうして、ナトリウムの修行も始まった。