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魔獣物語  作者: ひよく
第4章
123/155

第4章3

しかし、それは予想をはるかに超える大きさだった。

薪は一瞬で燃えつくされ、巨大な火柱が上がった。


「びえぇぇ~ん!怖いよぉ!」

自分で出した火柱のあまりの大きさに、吃驚したコカリ姫が泣き出した。

「コ、コカリ姫、ストップ!後ろに下がれ!」

ダンは慌てて、水流の魔法を発動し、消火作業にあたった。


(とんでもない魔術師だ…。)

自分を超えるかもしれない魔法の才能。

ダンは自分が高揚してくるのがわかった。

この才能を育てたい。

ダンは完全に火を消すと、まだべそをかいているコカリ姫のもとに近付いてきた。

よく見ると、コカリ姫は自分で出した火炎魔法で、頬に軽い火傷を負っていた。

ダンはコカリ姫の頬に自分の左手を当てた。

小さな火傷は、その瞬間に綺麗に治癒していた。

「ダン様、私も回復魔法のほうがいい!攻撃魔法は怖いんだもん。」

「そうだな。回復魔法は魔法の中でもとりわけ難しいんだが、コカリ姫なら上手く習得できるかもしれないな。」


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