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第4章2
通常、魔法を使用する時には、魔法力を集中させる賢者の杖が必須なのだが、ダンはそれを使わず、自分の身体に魔法力を集中させる方法をとる。
その方が、賢者の杖を敵に奪われたとしても、魔法が使えて便利だ。
コカリ姫に魔法を指南するようになって、3日目。
ダンはコカリ姫にも、自分と同じやり方で教えている。
魔法力をコカリ姫の利き手(右)に集中する事は、随分上手に出来るようになった。
僅か3日でここまで出来るようになるとは、ダンは正直驚きだった。
それで、今日からは実際に魔法を発動させる訓練を始めている。
コカリ姫は必死で魔法力を集中させている。
コカリ姫は炎強くイメージした。
コカリ姫が右手を突き出すと、その周りに金魚のような小さく赤い炎が浮遊していた。
「いいぞ、コカリ姫!撃て!」
「はい!」
コカリ姫の右手から、炎の塊が発射された。