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魔獣物語  作者: ひよく
序章
11/155

序章11

 ダンは抱えていたカナの体を地面に横たえ、カナを庇うように魔人の前に立ちはだかった。


 自分ひとりでやるしかない。


 だが、ダンも先程の回復魔法で、魔法力の大部分を消費してしまった。余力はほとんど残っていない。

 しかし、魔人も既に相当、消耗している。勝機はあるはずだ。


 よろめきながら立ち上がった魔人は、ふらついた足取りで、一歩、また一歩と近づいてくる。


 一撃で仕留めなければならない。


 ダンには、カナのような戦士としての動きはとれないからだ。

 相手の攻撃を躱す事など出来ないのだ。接近戦に持ち込まれれば、魔術師は一巻の終わりである。

 やるなら、魔人との距離が開いている今しかない。


 ダンは、自分が使える最大級の攻撃魔法の準備をしていた。

 実戦では使った事のない魔法だが、今は敵に隙を作る事だけを目的とした小手先の魔法では、どうにもならない。


 魔法とはイマジネーションである。思い描いたイメージに、魔法力を付加させる事で、それは現実のものとなる。イメージが鮮明であればあるほど、魔法は強く発動される。


『燃え盛る炎。全身を焼き尽くす激しい業火。』


 ダンは‘炎’を強くイメージし、残された魔法力を振り絞って、それを一点に集中させた。


「これで終わりだ!」

 ダンは集中させた魔法力を、魔人に向けて一気に解放した。

 魔人はそれを避けようとすら、しなかった。

 ゴォォ、という爆音とともに火柱があがり、一瞬にして魔人の体は炎に包まれた。

 魔法は成功したのである。

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