現れたのは魔物達
まずはレムステルの首都、グランベールへと向かった。
移動飛行機は近くの平原へと着地。
すると街の入り口付近に騎士団が集まっている。何やら事件が起こっているらしい。
目を凝らして見てみる。
・・・魔物だ。ざっと十匹はいるだろうか。しかもオオカミ種の。
「うおっ!魔物がいてやがる!」
「ともかく行ってみよう!」
「くっ・・・。強い・・・」
騎士団は押されているようだ。
するとレックスはさらに加速し、拳を振り上げる。
「うおらっ!」
魔物の腹を横から思いっきり、殴る。魔物は消滅。
「おしっ!まずは一体だ!」
茫然とする騎士団にライルは
「ここはまかせてください!」
と言い、横を駆け抜ける。
続いてレックスは二体の魔物を叩く。すると背後から
「ガアアア!!!」
という声がした。振り向くと魔物はジャンプして鋭い牙をむき出し、迫っている。
とっさに腕でガードの体制をとった。
その瞬間魔物は動きが空中でピタリと止まった。体は剣が貫いている。
「助かったぜ。ライル」
「戦場は助け合いってことさ」
するとライルの斜め後ろに魔物が迫る。
「ライル!!」
レックスはいち早く叫ぶ。
するとその魔物にもう一本の剣を振りぬく。
そう。ライルは双剣使い。2本の剣を装備している。
ライルはバックステップで体制を立て直し、レックスと背中合わせになった。
周りには五体の魔物がいる。
「ここからの形勢逆転ができたら上出来だよな!」
レックスはニッと笑った。
「そうだね」
ライルも返した。
沈黙が続く。時が止まったかのように。
「ジャリ」
地面の砂の音をツメでたて、一成に魔物達が襲い掛かる。
その瞬間、円の中心から鋭い閃光と力強い拳の幻影が現れ、魔物を消し去った。
「マスタークラスをなめんなよ!!」
「決まったね」
そう言って、お互いの顔を見た。これこそ相棒だ。
「あ、ありがとうございます・・・」
騎士団の兵士が一声かける。すると他の兵士たちもよろよろと立ちあがった。
全員、かろうじて無事なようだ。
「あんまり無理しないでください」
「大丈夫です・・・。このごろ魔物の問題が深刻なものでして・・・」
・・・・・・魔物。守護団でも問題視としている。だけど解決できないのが現状。ここでも深刻化しているのか・・・。
「さあ。我々も引き続き、警備にあたるぞ・・・」
「なっ、そんな体で大丈夫なのか?」
兵士はそんなレックスを見て
「ええ。我々の仕事ですからね・・・」
と言って、また警備にあたった。
「仕事・・・か。俺たちも今の任務を果たさないとな」
レックスは兵士達を見やって、そういった。
「そうだね」
ライルは兵士達を見て
「それじゃあ、失礼します。がんばってください!」
その言葉を聞いた兵士達は一礼した。
2人はグランベールの城へ向かった。