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03成り変わり

 バブル君の第六感が会社の同僚の代わりに補充された人達は人間の形をした別の生き物だと言っていた。バブル君は霊視は出来たが役に立つレベルでは無かった。強い霊が霧や煙の様に視え、大好きな動画の映像を遮断するものであった。無能どころかデメリットとストレスだらけの最悪の霊視能力だったのだ。

 バブル君の目には何も視えずに霊的な異常は無いと思われた。


 『カチカチカチカチカチカチカチ…』時計の針の動きとカッターの歯を出す音の中間の様な現実味の無い音だった。バブル君は後ほど経験から怪異の前兆の音だと判断するが、初めて聴いた音であった。

 バブル君は霊視は全然駄目であったが耳はそれなりに良かった。一定距離内で波長の合った霊的な音に対して霊聴を行えるのだ。


 バブル君は一昨年まで霊聴が病気だと思って度々に会社に入社しては辞職を繰り返していたが、ある日、非現実的な音の一部が意思を持っている事に気付いた。バブル君は節約を頑張れば生活費以外のお金を月2万円程度も捻出が出来たが離職が続くと貯金が出来ない。

 お金が完全に無くなる前に半信半疑の想いと勇気を持って、予算内で霊能力者に霊的な自分の霊的な状況を視て貰ったのだ。貧相なバブル君は本来の霊視と除霊代は4万円だったが、担当の霊能力者の慈悲で2万円と安くして貰った。そしてバブル君は霊障を受け入れて働く事にしたのだ。


 霊視によれば霊聴は声を聞かせる意志がある霊のモノしか聞こえないらしいし、悪霊に取り憑かれているのでその場で除霊して貰った。バブル君はスピリチュアルやオカルトは信じてはいなかったが、身体中から見えない存在が剥がれて取り除かれ霊聴が聴こえなくなった事から信じざるを得なくなってしまったのだった。なので霊聴の原因は何かしらバブル君に興味があり霊的な波長を合わせてしまった事になる。


『カチカチカチカチカチカチカチ…』と言う音の後には1秒もしない微かなフラッシュが焚かれ、調度品や人が別の物に入れ替わる。頭の悪いバブル君でも、これは分かる。いわゆる超常現象だ。バブル君は心の中で思った。決して口には出さない。『絶対に霊障だけじゃ無い…物理的な何かも作用している。』バブル君は経験から知っていた。超常現象やら怪異の報告を認識出来ない人種に伝えると病院送りになり、何度も何度も検査を繰り返し金と時間だけを消耗して、下手したら人生が詰む。


 またこの怪異は一般人に見せない為の仕掛けである事も容易に推察出来た。宇宙の技術か未来の技術だろうと思ったが、バブル君は戯れで全てのSNS上の個人情報を別人に設定していた事を思い出した。もしバブル君が死んでも未来人にバブル君を発見できる事は不可能なのだ。故にこれは宇宙の技術であり、未来が滅んだとしても未来人は過去に修正に来れない事になる。


 バブル君は恐怖を持って業務に当たり人間モドキとコミニケーションをする事になる。代替えの人間モドキは基本的に知性は高いのに残忍でプライドが高く、何かの見えない命令に頻繁に従い、絶対服従であった。それがバブル君の感想であるが、実際にはかなり違った。


 人間モドキは空間にフェードインする様に発生するがバブル君の観察眼は2種類以上あると感じた。1つはその場で構築されて出現する人間モドキだ。この類は何かしら使命を持って創造され、持ち前の能力である霊媒で守護霊と一体となり知識と経験を共有するのだ。霊が本体とされ肉体である人間モドキが不良であれば殺処分を受けると考えられた。ただ一瞬で入れ替わり殺処分を繰り返されるので殺されている様には見えないのだ。

 劣化した彼方の神の思念体は冷酷であり、結果だけを求めているのだろう。遠い宇宙の人類とか夢のある存在では無いのだ。

 2つは転送されてくる人間モドキだ。知能が高く自愛を持ったタイプもいれば狡猾で非情なタイプもいる。殺処分から逃れ、成長したのではとバブル君は感じたが、会社のスタッフに成り変わったのは明らかに前者であった。短時間でどんどん別人に成り変わって行くのだ。


 バブル君は自分もいつ人間モドキの様に殺処分されるのかと不安いっぱいで仕事をこなしていた。バブル君の先輩に擬態した人間モドキは殺処分を受けたのか入れ替わりは頻繁に行われた。何故こんな事をするのか全く理解出来ないまま、先輩の中身が別人だと確信は時間が経つほどに濃くなって行くのであった。バブル君の本当の同僚や先輩は才能に溢れ、とても優秀で優しく尊敬できる人達だった。バブル君は努力家だったが無能だった。無能が生き残ったのだ。

 何故、会社のスタッフは殺されなければならなかったのか?こんな凄いテクノロジーを所持しているのに死人は蘇らせないのか?殺す事が目的の一部なのか?


 グルグルとバブル君の頭の中は困惑していた。だが最も困惑したのが仕事をレクチャーしてくれていた優しい先輩達がバブル君を殺さずに人生が詰む様に色々と誘導をして来た事であった。


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