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01被験者の選定


 人類をオモチャとして弄ぶことを決めた神は夢見心地で地球を発見して喜んだ。

 『天然の資源だ…!なんと言う奇跡の宝。私がいち早く手に入れなければならない!』

 地球は辺境の星であり、神は途方も無い遥か彼方に存在した。だが神は光年を見渡す眼を持っていた。神は天然ではなかった。天然の資源とは進化を繰り返した生物だったのだ。彼方の神々にとって最も価値あるものは天然の進化物であった。神々の世界は全てが作り物であり、物理的には満たされていた。地球は神が寿命を全うするまでに辿り着けない程に遠すぎた。


 彼方の神が人類を遠隔で操作するのは必然だった。神は何度も何度も丁寧に空間を織り辺境にまで届けた。地球の衛星軌道上の高さまで織り込んだ空間を届けたが、届いて具現化したのは劣悪で劣化した神のコピー体の思念であった。

 『宝の進化を促進して、価値ある物を私の所有物にするのだ。』神にとっての本能は計算されない優れた進化への渇望だった。


 生物の進化にはキッカケである素材マテリアルが要る。劣化した神の思念体は地球の霊的な存在の意識を乗っ取り始める。素材マテリアルを探すためである。霊から霊に伝達し神へ成り肉体を持った生物に伝達するのだ。

 生物が見た眼の情報は霊に伝達し神へ渡り、劣化した彼方の神の思念体の情報へと変わる。つまり人間がWEBサイトを閲覧するとしたら、その情報は全て伝わり蓄積されるのだ。


 とある被験者は通称バブル君と呼ばれていた。バブル君は東京郊外に住んでたが、都心で働く大卒でも無い冴えない、能力が低い事が原因での残業祭りを頻繁に催している社畜のオッサンだった。当然、幸福度は低い筈だったが動画のサブスクのおかげで精神をまともに保っていた。


 バブル君は役に立たない微かな第六感で、ささやかな怪奇を発見してはブログとしてレポートをWEB上で公開していた。バブル君程度の実力では霊的な存在に影響を与えることは無いレベルなのだ。故にバブル君は自分の存在を確かめることも兼ねて自身の記録をしていたのだった。

 ブログの閲覧者はまずまずおり、週末には日/200人以上のアクセスがあり、その情報は劣化した彼方の神へ届いた。この様な情報を記録して公開するのは人類としては異常な思考でありイリーガルな存在であった。悪目立ちしたのだ。劣化した彼方の神は素材マテリアルの候補としてバブル君を選定した。


劣化した彼方の神は悪癖があった。素材マテリアルの品質の向上である。バブル君は能力者として中途半端でも無いほど、最高に最低に低いスキル…シンプルに言うならば無能力者に等しいのである。

 バブル君の暇つぶしの結晶であるブログのレポート数は230回以上の投稿を超えており人類進化の素材マテリアルにするには充分すぎるほどの実績がある。…劣化した彼方の神は判断した。

 彼方の神は何もかも劣化した存在なのだろう。人間社会においてはまともな思考では無いのが明らかである事は、素材マテリアルですら理解できるモノであった。


 劣化した彼方の神にとって正義は進化のみだった。進化における行いに関わるモノ全てが正しいと言う事だった。これは神にとっては正常で、素材マテリアル…剪定された人類にとっては異常に感じた。


 劣化した彼方の神は朽ちた星の船を見つける。停止してから10億年程度経過しているが機能の一部はまだ生きていた。この進化のプロジェクトにとっては非力であった。

 『素材マテリアルを保存する空間が欲しい。』そう願うと世界が割れた。パラレルワールドが出来たのだ。『肉体を持つ手足が欲しい。』人間そのものであるが人間では無い人が生まれた。神々は霊的な存在であり肉体が必要な時もあった。霊的存在が憑依で動かせる強力な霊媒師の様な人種だった。明らかにバブル君が100人いても敵わないレベルの能力者だった。

 神々に密かに人間モドキと呼ばれ、本人達は人間でありたいと貪欲に想い、人間社会に入り込もうとした。但し、成り代わりという非人道的な方法でだった。特に創りたての個体は心が人から離れていた。


バブル君は今日も仕事から帰って爆睡していた。インドア派の趣味が動画視聴では肉体は非力であり、体力がなかった。しかもモテなかった。バブル君は会社で唐突に人間モドキと衝突することになる事を知らずに今日も盛大に寝坊をした。

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