第2章 第36話 「観光立国宣言! 女王の新方針」
◆ 王都の大広場
初夏の風が吹き抜ける王都の大広場。
集まった群衆はざわめき、期待のまなざしで臨時演台に立つ美月を見上げていた。
横にはリリアーナ、クラリーチェ、ゼファル王子、そしてギルド長らが並ぶ。
「皆さん!」
美月の声が広場に響いた。
「週休3.5日制度、そして仕事+1政策のおかげで、国中に笑顔が増えました。
そして――ラーメンは、今や私たちの文化となりました!」
ざわざわ、と人々の表情が輝き始める。
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◆ 観光立国への提案
美月はひと呼吸置き、真剣な眼差しで続けた。
「これまでは、私が各国を訪ねてラーメンを紹介してきました。
でも、これからは――皆さんのもとに、世界の人々を呼びたいのです!」
「……呼ぶ?」群衆がざわめく。
「はい。この国を“ラーメンを中心とした観光立国”にします!」
広場は一瞬静まり、次の瞬間――。
「観光立国!?」「世界の人がここに来るってことか!」
「ええやん! わしらの港町ラーメン食べさせたる!」
「女王様バンザーイ!」
歓声が爆発した。
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◆ 女王のラーメン十傑の予告
美月は笑みを浮かべ、さらに高らかに告げる。
「そのために、私が考案した“女王のラーメン”十種類を発表します。
各地の食材を活かしたレシピです。
申請して認められれば――そのラーメンには“女王のラーメン”の名を冠することができます!」
クラリーチェは目を輝かせて手を叩いた。
「まぁ! 女王様の御墨付きラーメンですのね! それは名誉そのもの!」
リリアーナも微笑みながらうなずく。
「ブランド化……なるほど、観光客にとっても魅力的ですわね」
ゼファル王子は腕を組み、低く呟く。
「……文化を武器にするか。実に興味深い」
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◆ 群衆の熱狂
「女王様のラーメン十傑、食べたい!」
「うちの村の薬草麺も、ブランドに挑戦できるのか!」
「観光客が来たら宿屋も大繁盛や!」
熱気が大広場を包み、まるで祭りの前夜のような雰囲気になった。
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◆ 美月の心の中
(ラーメンは人を笑顔にし、地域を元気にする。
次は、それを国を超えて広げるとき……)
美月は空を見上げ、柔らかな笑みを浮かべた。
青空に浮かぶ白雲が、まるで未来へと続く道のように見えた。