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第2章 第30話 「はじまる“仕事+1”ライフ! 奇想天外クラブ続々」

◆ 役所に殺到する申請

週休3.5日で余暇を得た国民たちが、次に動き出したのは“仕事+1”政策。

王都の役所は、申請書を抱えた人々で長蛇の列になっていた。

「えーと、申請内容は……“猫観察同盟”?」

「はいっ! 昼寝している猫を見守り、記録し、幸せになる会です!」

役人:「……まあ、害はなさそうだから通すか」

「こちらは“酔っ払い舟歌クラブ”?」

「港町で余った酒樽を使って、みんなで歌うんです! 健康のため声も出ます!」

役人:「健康……? まあ、通すか」

________________________________________

◆ 港町的な+1活動

港町ではさっそく新しい活動が花盛り。

•「大漁魚料理研究会」

→釣れた魚をそれぞれ調理して競う。なぜか審査員役が人気。

•「昼宴会吟遊詩人団」

→宴会のたびに新曲を披露するが、歌詞が毎回“週休3.5日バンザイ!”で同じ。

•「港町もふもふ同好会」

→チグーを囲んでただ撫でるだけ。会員数、爆発的増加中。

リリアーナはため息をつく。

「……どれも真面目なんだか、ふざけているんだか」

クラリーチェは目を輝かせる。

「でも、みんな本当に楽しそうですわ!」

________________________________________

◆ 王都での+1クラブ

王都でも変わり種が続々と。

•「詩と薬草茶の午後会」

→詩を朗読しながら薬草茶を味わう。ゼファル王子がひそかに参加している。

•「未来発明の集い」

→子どもたちが木の歯車や水車で“未来の道具”を試作。ロカンが顧問に。

•「笑い研究所」

→漫才や小噺を持ち寄り、人を笑わせることを研究。港町のお調子者コンビが出張公演。

美月は目を細めた。

「……なんだか、みんな本当に生き生きしてる」

________________________________________

◆ 美月の実感

ある夜、美月は学院の生徒たちと食卓を囲んでいた。

「先生! 僕、“昆虫観察クラブ”を申請しました! 畑にいる虫をスケッチしてます!」

「わたしは“歌って踊れるラーメンクラブ”です!」

美月は思わず笑った。

「そう、これがやりたかったんだよね。

 みんなが仕事だけじゃなく、夢や好きなことを大事にして、笑って暮らせること」

ゼファル王子は杯を掲げる。

「“仕事+1”は、国に“夢”を増やした。……その夢が、この国を守る力になる」

美月は大きくうなずいた。

「うん。笑顔と夢で、この国をもっと元気にしよう」

________________________________________

◆ 未来への種

こうして、週休3.5日で得た余暇は“仕事+1”という形で人々の暮らしに根づき、

国中に“第二の人生”の芽を育てていった。

港の笑い声、王都の歌声、子どもたちの発明――

それらすべてが、美月の願った「幸せな暮らし」の風景になっていった。


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