第2章 第21話 「領内の休日祭り、そして出発準備!」
◆ 休日を楽しむ領民たち
週休3.5日制度が本格的に回り出した最初の休日、美月は久しぶりに自分の領地へと帰ってきた。
領都の広場は、まるでお祭りのような賑わいだ。
「女王陛下ー! 見てください、この温泉まんじゅう! 新作ですよ!」
「おぉ~、薬膳入り! 食べたら三日は元気でいられそう!」
美月が頬張ると、すかさず子どもたちが群がってくる。
「ねぇねぇ、美月さま! この前のラーメン大会みたいなの、またやって!」
「次は“つけ麺祭り”がいい!」
リリアーナが笑いながら腕を組む。
「……やっぱり、女王というより、領民からは“ラーメンお姉さん”扱いですわね」
クラリーチェもうなずく。
「陛下、これはもう職業病ですわ」
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◆ 新キャラ登場!?
そんな中、美月の前に一人の若者が現れた。
日焼けした肌に、山岳用の厚手コート。
「初めまして、女王陛下。俺はガレン、領地北部の牧場から来ました!」
「牧場? あの高原地帯の?」
「はい! 週休3.5日制度のおかげで、家族と過ごす時間が増えて……感謝を伝えたくて」
クラリーチェが目を輝かせる。
「まぁ! こういう直接の声って、やっぱり嬉しいですわね!」
美月は照れ笑いしながら、ガレンの手を握った。
「こちらこそ、牧場の乳製品は私の薬膳メニューに欠かせないから……今度、視察に行ってもいい?」
「もちろん! 歓迎します!」
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◆ 出発準備と名残惜しさ
夕方になると、広場の賑わいも少し落ち着き、港へ向かう馬車の音が響き始める。
ゼファル王子が旅支度を終えてやってきた。
「美月、そろそろ国外出発の準備を……あれ? なんで牧場のチーズ抱えてるんだ?」
「お土産よ! 休日外交には“おいしいおやつ”が必須なの!」
リリアーナが小さくため息をつく。
「はぁ……これ、絶対に向こうの国でも即席つけ麺祭りやりますわね」
クラリーチェが笑いを堪えきれずに肩を震わせる。
「でも……それが美月様ですもの」