第2章 第18話 「休日イベントで国がもっと活気づく!経済と笑顔の好循環編」
第2章 第19話
「国境を越えて! 他国からの視察団、質問攻めの巻」
◆ 休日の街にあふれる笑顔
週休3.5日制度が正式に施行されてから、まだ一か月。
だが、その効果は驚くほど早く現れた。
休日ごとに、王都の広場や商業区には露店がずらりと並び、
楽師や踊り子が音楽を奏で、子どもたちの笑い声が響く。
市場の店主たちは口を揃えて言った。
「平日と休日の客足が均等になったおかげで、売上が安定した!」
「休みの時間に仕込んだ新商品が、飛ぶように売れるよ!」
美月はチグーを抱きながら、広場を見渡す。
(……これだ。仕事と休みがちょうどいいリズムになれば、
人の笑顔はこんなにも増える)
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◆ 休日大使、出動!
リリアーナとクラリーチェは、休日イベントの公式ナビゲーターに就任。
二人は色違いの可愛いリボンを胸に付け、司会台で声を張る。
「さあ皆さま! 本日は“休日グルメまつり”でございます!」
「連合王国各地の名物料理を、この広場で味わえますわ!」
屋台には、薬膳つけ麺、ハーブパン、魔物肉串焼き……
そして美月考案の「休日限定ラーメン」まで。
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◆ ゼファル王子、こっそり参戦
ふと、美月の背後から低い声がした。
「――この匂い……やはり君の仕業か」
振り返れば、休日モードのゼファル王子。
鎧を脱ぎ、軽装にサングラス(なぜか目立つ)という格好だ。
「王子! そんな変装でバレないと思ってるんですか?」
「いや、バレてないだろう?」
「……ほら、もう屋台の子どもたちが“ゼファル様だー!”って」
「……ふむ、民の観察力も鍛えられてきたな」
美月は思わず吹き出す。
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◆ 経済と幸福度の循環
夕方、広場の売上集計を見た経済担当官が目を丸くする。
「……これ、平日と休日の収益がほぼ同じ……!」
「しかも、消費額が全体で15%増えています!」
美月は微笑み、広場の空を見上げる。
(仕事を少し減らしても、みんなが元気なら経済は回る。
それどころか、笑顔が増えて消費も活発になる……)
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こうして、連合王国は「休日経済」という新しい文化を確立。
次回、第19話は