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第2章 第17話 「感謝と涙の休日表彰式編」

◆ 美月、真実を知る

ある日の朝、美月は領地視察のため王宮を出発しようとしていた。

廊下の角を曲がった瞬間、偶然ドアの隙間から聞こえてくる声に足を止める。

「……市場価格の調整表、もう夜明けまでかかって作りましたわね」

「ええ、でもこれで商業区の休日混乱はなくなりますわ」

――リリアーナとクラリーチェの声だ。

その机の上には、膨大な休日調整案、交代勤務表、各地の要望メモ。

どれも、美月の提案した週休3.5日制度を定着させるための資料だった。

(……もしかして、この数週間、ずっと私のために?)

胸の奥が熱くなり、美月はそっと扉を閉める。

チグーが心配そうに見上げると、美月は小さく笑った。

「ねぇチグー……今日は、ちょっと予定を変えようか」

________________________________________

◆ 突然の召集

その日の夕方、王宮の大広間に国の幹部、騎士団員、職人、商人、農夫まで集められた。

壇上に立った美月は、満面の笑みを浮かべる。

「今日は――私から、みんなへの感謝を伝える日です!」

ざわめく会場。

「特に……この二人!」と、リリアーナとクラリーチェを壇上に呼び寄せる。

二人は顔を見合わせ、慌てて前に出た。

________________________________________

◆ 表彰式、開幕!

「リリアーナ、クラリーチェ。あなたたちが私の“週休革命”を守るために、

 どれだけ裏で頑張ってくれたか……全部、聞きました」

「……えっ!? どこで!?」

「聞き耳……ですか?」

「う、うん……偶然ね、偶然」

会場から笑いが漏れる。

美月は小さな木箱を取り出し、二人に渡す。

「これは“休日守護勲章”。私の勝手な創設だけど……今日から正式に、

 あなたたちはこの国の“休日大使”です!」

リリアーナは口を押さえ、クラリーチェは涙ぐむ。

「美月様……」

「女王の休日が、私たちの誇りですわ」

________________________________________

◆ サプライズの結末

会場は拍手と笑いで包まれる。

「これからも、みんなで無理せず楽しく働いて、しっかり休もうね!」

こうして、連合王国初の“休日表彰式”は、

国民にとっても心温まる記念日として語り継がれることとなった。


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