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第2章 第15話 「週休3.5日制度導入初日! 国中お祭り騒ぎ」

◆ 朝からにぎわう王都

週休3.5日制度、ついに記念すべき導入初日。

王都は朝から、なぜか祭囃子のような音があちこちで響いていた。

「ねえ美月様、これ……休みなのに、みんな働いてません?」

リリアーナが首をかしげながら、屋台の列を見回す。

「まあ……お祭りの準備は、働くうちに入らないのかもね」

美月は笑いながら、ふわっと漂ってきた焼き立てパンの匂いに鼻をひくつかせた。

「だってほら、パン屋さんも楽しそうじゃない?」

クラリーチェが指差す先では、パン職人が笑顔で客に試食を渡している。

「ほら、美月様。休日は“趣味の延長”だから仕事じゃないって、みんな口をそろえて言ってますわ」

________________________________________

◆ 王子の“休みの過ごし方”

そこに颯爽とゼファル王子が登場。

「やあ、美月。今日はどう過ごすんだ?」

「せっかくだから視察……っていう名目の食べ歩きかな」

美月が答えると、王子は肩を揺らして笑う。

「視察って便利な言葉だな」

「殿下、それは美月様だから許されるんです」

リリアーナがピシッと突っ込み。

「そうか……じゃあ今日は俺も“視察”に同行しよう。なんせ女王の護衛だからな」

と、明らかに食べ歩き目的の笑顔で言う王子。

________________________________________

◆ 各地から届く“休日の便り”

王都の広場では、各地方からの魔導通信映像が大型スクリーンに映し出されていた。

「天空都市でもすごいにぎわいです!」

「海洋国は漁師さんが船を飾ってパレードしてます!」

クラリーチェは目を輝かせる。

「美月様、本当に連合全体でお祭りのような休日になってますわ!」

「いいねぇ……でも、ちゃんと休んでるんだろうか……」

美月が少し心配そうに呟くと、王子が耳元で囁く。

「休み方は人それぞれだ。君の制度がきっかけで笑顔が増えた、それで十分だろ?」

________________________________________

◆ そして夜

夜になると、王都の空に花火が上がった。

「おぉー!」と市民が歓声を上げる中、美月は静かに息を吐く。

「……なんだか、やっと第一歩って感じだね」

「第一歩にしては派手だな」

ゼファル王子が笑い、隣でリリアーナとクラリーチェも頷く。

「次は、この笑顔を当たり前にする番ですわね」

「ええ、週休3.5日が“特別”じゃなく、“普通”になるまで――」

こうして、美月たちの新しい国づくりは、またひとつ確かな形となったのだった。


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