第2章 第10話 「広がる週休3.5日革命! 新たな空の国からの招待状」
カムイの里での“休む革命”が成功を収めたことで、美月は王都に戻り、連合王国の各幹部が集まる大公会堂で報告を行っていた。
「……というわけで、週休3.5日モデルタウンでは、労働効率と幸福度の両立が確認されました。現在、町の住民満足度は“過去最高”とのことです」
「なんと……昼寝選手権ですと……?」
騎士団長が眉をひそめながらも、内心ちょっとうらやましそうだった。
「うちの隊にも導入できんものか……いや、しかし……寝てばかりでは訓練が……」
「逆に回復魔法の成功率が上がってるって報告もありましたわよ? “心の余裕”が集中力に繋がっているんですって」
と、リリアーナがにこやかに補足する。
「そ、それは……まさか、私の居眠り癖も正当化される時代が来たのか!?」
「それは違います、団長」
クラリーチェが即ツッコミを入れた。
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◆ 祝・モデルタウン成功! 新たな都市へ広がる波
美月は壇上で、深く一礼した。
「これから、カムイの里で得た知見をもとに、各都市の事情に合わせた“週休3.5日”の柔軟な導入を検討していただければと思います」
その言葉に、大公会堂はどよめいた。
「うちの街でも、やってみたい……」
「市場の混雑が減れば、それだけで助かるわい……」
「定休日のない制度って、逆に便利かもな……」
人々の表情に、希望と期待の色が浮かび始めていた。
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◆ その夜、届いた一通の手紙
夕暮れ、美月の屋敷の応接間。
クラリーチェが封を開けた手紙を持って、小走りでやってくる。
「美月様、美月様! 空中農園都市から、正式に招待状が届きました!」
「空の国、アウリゼル……」
「“ぜひ、私たちの国にも、豊かな日々をもたらしてほしい”とのことですわ!」
「ふふ……あの国って、天空都市の隣ですよね?」
「王子のゼファル様が、にやにやしながら“また来てほしい”って……」
「ふ、不純な動機じゃないですよね!? 国家間の誠実な交流ですよね!?」
「ゼファル王子、どうやら“美月さま観察日誌”を毎日書いているそうですわ」
「待って、それはちょっと重いっ!」
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◆ もふ外交も出動!
「もふ〜!」
ちびグリズリーのチグーが、風呂敷を背負って準備万端の様子。
「チグーも行く気まんまんだね!」
「そろそろ“連合王国特命 もふ外交官”の称号が必要では……?」
「名刺とか作る? 『肩書き:もふ』とかで……」
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◆ 次回予告!
空中農園都市への旅が、いよいよ始まる!
空に浮かぶ農園の秘密、厳格すぎる“空の民”たちとの出会い、
そして、食糧問題に悩む彼らに、美月はどんなラーメンを提案するのか――?
「心がふわり、体はどっしり」
空と地をつなぐ、薬膳の架け橋!