第110話王子と結ばれる!?そして第1部完!!
天空王国へと戻った美月とゼファル王子。
王宮の壮麗な大広間で、改めて無事を喜ぶ仲間たちが集まっていた。
「美月様ぁーーー!!」
クラリーチェが涙目で飛びつく。
「もうっ!もうっ!どれだけ心配したと思ってるんですの!?
私なんて、救出作戦に参加できなかったショックで五杯もラーメン食べましたわよ!」
「……それ、いつものペースじゃない?」
リリアーナが冷静にツッコミ。
「わたくしは美月様のために徹夜で救出プランを立てていたのに、
王子が颯爽と現れて全部持っていくとは……!」
「悪かったな、持っていって!」
ゼファル王子が豪快に笑う。
「でもおかげで美月は無事だ。俺の手で守れたんだ。
これ以上の幸せはないさ!」
「そ、そんなこと急に言われても……」
美月は頬を赤くして俯いた。
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◆いきなりのプロポーズ!?
「……美月、決めた。君をもう離さない。
この先もずっと、俺の隣にいてくれ」
「ええええええっ!? そ、それって……け、結婚!?!?」
美月がパニックになっている横で、クラリーチェが目を輝かせる。
「きゃーっ!お姉さま結婚ですわ結婚ですわ!?
天空王国の王妃に……!私、泣いてもいいですか!?
ついでに結婚式のプロデュースもしていいですか!?!?」
「落ち着けクラリーチェ!まだ正式に決まってない!」
リリアーナが羽交い絞めで制止するが、目元はしっかり緩んでいる。
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◆チグー、祝福のもふっ
「もふぅ〜♡」(←チグーが美月の足元で転がる)
「チグーも祝福してるみたいだな」
ゼファル王子が微笑み、美月の手をそっと握る。
「わ、わたし……」
胸がいっぱいで言葉が出てこない。
でも、ゼファルの真剣な瞳に、美月は小さく頷いた。
「……お願いします。これからも、一緒に……」
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◆仲間たちの騒動と未来への布石
「やったぁーーー!!」
クラリーチェとリリアーナが両脇で飛び跳ねる。
「式場は天空王国の大広間ですわね!?ラーメンビュッフェスタイルで!」
「いや、さすがにビュッフェは……」
「でも、未来の女王陛下が作る薬膳ラーメン……考えるだけで民は泣きますわよ?」
「……それは、それでちょっと見てみたいかも」
王子が苦笑すると、美月は顔を真っ赤にして叫んだ。
「ちょ、ちょっとみんな!勝手に式の話進めないでよーーっ!!」
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◆そして――
こうして、
薬膳ラーメンで世界に笑顔を届け続けた美月は、
天空王子ゼファルと結ばれることで、また新たな未来への扉を開いた。
彼女の手が紡ぐラーメンと笑顔は、きっとこれからも
多くの人々をつなぎ、幸せにしていくだろう。
――第1部完!
(チグー「もふっ!(次もあるよ!)」)