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【視聴者さん】転生先はVRMMOのNPC!?転生して最弱の錬金術師になった私はゲームの中からVtuberとして配信します!【助けて】  作者: 猫月九日
王都編

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第46話 四天王フォーシア

 開かれた扉の先は広間だった。

 先にはちょっとした階段があり、さらにその上に豪華な椅子が一つ。

 豪華な椅子には王冠を着けた男性が座っており、その横にはローブを着た老人が立っている。

 言うまでもなく、王冠を被っている人が王様で、横の人がアルジフと名乗っている四天王の一人だろう。


「お久しぶりです父上」


 レイさんが前に出ていく。

 しかし、王様はなんの反応もしない。ただうつむいたままだ。


「くくく……、ようやく来ましたか」


 レイさんの言葉に反応したのはアルジフの方だ。


「ひょっとしたらこのまま来ないかもと思ってましたよ。それはそれで楽だったんですがね」


 アルジフは笑っている。


「アルジフ! 貴様! 父に何をした!」


 レイさんがアルジフに剣を向ける。


「何を? 私はただ迷っている王の背中を押しただけですよ」


 アルジフは王の背中側に回り、肩に手をかける。


「王妃を亡くして嘆いている王に対して、ちょっと人を復活させられるかもという情報を与えただけ」


 人を復活させる!?


『えっと……この世界の人間って基本的にはプレイヤー以外は生き返らないはずだよね?』

『そのはず、それができてるんだったらアリスちゃんだって……』

『GMが無理って断言するレベルだから……』


 そう、人は生き返らない。だから、


「そんな嘘で父を拐かしたのか!」


 レイさんが激昂している。


「くくくっ、あなたのお父様も最初は疑ってましたよ。でも、最終的には信じてくれました。それだけ死んだ奥さんのことが大事だったんですね」


「貴様っ!」


「私の指示に従って、国に混乱までもたらしてくれましたからねぇ。知ってますか? あなた方が解決したという誘拐事件の真実を」


 アルジフは私の方に目を向けた。

 誘拐事件? 真実?


「あなた方がもしも私の部下を倒さずにそのままだったらどうなったか」


 誘拐されてその後?

 ……GMさんが死んでたみたいなこと言ってなかったっけ。


「生贄になったんですよ。王の命令で王妃様を生き返らせるためのね」


「なっ!?」


 えっ、っと、どういうこと?


「つまり、あの誘拐事件は王の命令によるものなんですよねぇ。私の部下はあくまでも王の命令によって動いていただけです」


 ……言葉が出ない。


『絶句』

『おいGMこいつ性格悪すぎない?』

『しかも自分の部下のことなんとも思ってないのが』


 つまり、あの事件の真相とは、

 アルジフが王に奥さんを生き返らせる方法を教える。

 その方法というのが人を生贄に捧げること。

 その結果人を誘拐していた。


 しかも、何が酷いかって……


「人は……生き返らない!」


 レイさんが怒りのあまり震えている。

 そう、結局のところ、首尾よく生贄に捧げたとしても王妃様は生き返らない。

 あまりの酷さに言葉が出ない。


『重い重すぎる……』

『あのよくわからないまま終わったイベントの真相が知りたいと思って見てたんだけど』

『想像以上の真実が降ってきて笑えないわけだが』

『こいつだけは許しちゃいけないと思う』


 私達の反応にアルジフは高笑いをする。

「いやぁ、誘拐事件が失敗に終わったと聞いた王の反応は面白かったですよ! それ以降こうやってうつむいたままですが!」


 うん、視聴者さんの言う通りだ。

 こいつだけは許しちゃいけない。


「アルジフ……貴様を……倒す!」


 どうやら私だけでなく、皆がそう思ったようだ。

 レイさん、ヴァルキリーの3人がそれぞれ構える。


「おっと、怖い怖い。私一人では怖いですからね。助けが欲しいですねぇ」


 言うと、アルジフは王の肩を押す。


「さぁ、王様。敵が来ましたよ。お相手しなくては」


 肩を押された王様は顔を上げて立ち上がる。


「王様は王子の相手をお願いしますよ」


 表情が完全に虚ろだ。


『操られてる?』

『うわぁ、まじで性格悪い』

『わざわざ王子に当てるのもなぁ』

『王子も自分が相手するとか言ってたけど、操られてるのと戦うのかよ』


 レイさんがゴクリと息を呑んだのがわかった。


「作戦通り僕は父の相手をする。君たちはアルジフの相手を頼む」


 そう言うと、レイさんは剣を振りかぶり。


「うおぉおおおおお!」


 王様に向かって切りかかった。

 王様も素早い動きで腰から剣を抜いて対応する。

 それをニヤニヤと見守るアルジフ。


「さてさて、あなた達は私と遊びましょうか」


 アルジフは言いながら、胸に手を当てる。

 手を当てた部分から黒い煙みたいなのが吹き出してきた。

 これは見たことがある。


『真犯人の錬金術師の時と同じ』

『魔族に変身か! いや、変身っていうか正体を現す?』


 黒い煙がアルジフの身体を包み込む。


「君たちには部下がお世話になったみたいですからね」


 黒いモヤが一瞬にして晴れる。

 そこにいたのは、羊みたいな角を生やし、メガネを掛けた研究者風の容貌の男性。


 これがアルジフが正体を現した姿。


「私の名前はフォーシア。四天王フォーシア」


 私にとって、二度目の四天王との遭遇。


「部下を倒した実力を見せてもらいましょう!」


 そして、四天王との初めての直接対決だった。


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