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第8話 執事、草を探す

セバスは入場門の出口に向かうと、商人ヤッサシが入場料を支払ってくれた騎士さんに会った。


騎士さんは入場門から出ていこうとするセバスに、


「ぅん?出国するのか?それとも依頼か?どちらにせよ許可証の提示は忘れるなよ?あぁ、後は暗くなり始めたら門を閉めるから気をつけるんだぞ。」と教えてくれた。


セバスは出来たての冒険者許可証(ギルドカード)を騎士さんへ提示する。


すると、騎士さんは、


「なになに?ふむ。【Gランク】冒険者か。となると依頼だな。まぁ、ケガしないように適度に頑張れよ。この城壁の周り位なら問題ないとは思うがな」とセバスにアドバイスした。


セバスは、


「助言感謝致します。それでは依頼を遂行して参ります」と騎士さんに伝えた。


騎士さんは「おう、頑張れよ。」と眠たそうにしながらも入場門の見張りに戻っていった。


セバスはまず、ある【薬草採取:ウマミ草とナオリ草をそれぞれ5本に付き銅貨10枚】を始める事にした。キザったらしい男性のバラスィスから教えて貰った城壁の周りを探してみる事にした。


セバスは不意に喉が乾いた為、鞄の中から1本のコーラを取り出した。赤いラベルに白いカタカナ文字でコーラと書かれており、内容量はどうやら280mlのペットボトル型の様だ。


セバスはコーラの(ふた)を開けようとすると炭酸の音がブシュッと聞こえたので、少しずつ緩める事で吹き零れ無いように開ける事が出来た。


ゴクッ ゴクッ プハァ


セバスはコーラを飲むと、喉が潤いを取り戻したのか落ち着く事が出来た。だが、コーラを飲んだセバスの頭の中で奇妙なメッセージが響いた。


”コーラ1本を飲んでくれてありがとう!お礼に君には【鑑定の極み】を付与するよ!ステータスで確認してみてね♪”


セバスは鞄からギルドカードを取り出すとステータス欄を確認しますか?のメッセージが出てきたので、迷わず『はい』を押した。するとステータス欄がセバスの目の前に表示される。


 名 セバス 職 冒険者【クラスG】

STR A

INT A

AGI SSS

LUC A

TEC A

MEN B

スキル 【鑑定の極み】New!

持ち物 持ち物 鞄(容量∞だがほぼコーラ) 無線機 スマホ 充電器

豆乳 仕込杖 爆竹

財布(記念金貨20枚 記念銀貨10枚)


セバスは【鑑定の極み】について理解できなかったのだが、再び頭の中にメッセージが響いた。


”ごめんごめん!教えて無かったね。【鑑定の極み】はね、頭の中で知りたい情報を1つ指定すれば、その情報がキミに分かりやすい状態で教えてくれるんだよ”


セバスは落ち着いた気持ちでメッセージを聞く事に集中する。


”例えば、キミが今探しているウマミ草とナオリ草を1つづつ【鑑定の極み】を使って鑑定してごらん?きっと内容が分かるはずだよ!”


セバスはそこら辺に生えている草を丁寧に抜いて見た後、スキルの【鑑定の極み】を使用してみた。


『この草を【鑑定の極み】で鑑定します……照合しました。』


ウマミ草……料理での調味料になる為、依頼によく出回る。そのまま食べると味の素の様な味がする。似たような草にヤバミ草があり、こちらは食べると味はしないが吐き気を(もよお)す為注意しなければならない。採取しただけでは害は無い。ウマミ草との違いは茎の部分に棘があるか無いかである。(ウマミ草は棘が無い)


セバスはもう1つの草を今度は抜かずに頭の中で【鑑定の極み】をイメージし、スキルを使ってみた。


『指定された草を【鑑定の極み】で鑑定します……照合完了しました。』


 ナオリ草……回復薬や薬草等の素材になる為、依頼によく出回る。そのまま怪我をした部分に使うとオロナインの様な効果がある。似たような草にイタミ草があり、こちらは怪我をした部分に使うと激痛を与えてしまう為、注意が必要である。採取しただけでは分別が難しく、傷口に触れようものなら悪化してしまう。ナオリ草との違いは花びらの部分で、黒ずんでいるか赤っぽいかで判断するといい。(ナオリ草は黒ずんでいる)


セバスは早速、棘が無い草と黒ずんでいる草だけを選び、鞄の中に入れ込んでいく。集中し過ぎたのか空は夕暮れになっていた。


このままでは真っ暗になってしまうと思い、草を採取するのを切り上げ入場門へ戻っていく。


セバスが入場門へ戻ると、門の見張りをしている騎士さんが眠たそうな眼を(こす)りつつも対応する。


「ぅん?あぁ、もうそんな時間か。依頼された物は上手く採取出来たか?おっと、許可証を…よし、通っていいぞ」


セバスは冒険者許可証(ギルドカード)を騎士に見せて街の中へ戻り、ギルドへ歩いていく。


セバスは思った。

世の中には不思議な感覚もあるものですね。坊っちゃまに会ったら少し自慢話でもして見ましょうかね。いや、やはり()めておきます。

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