第5話 執事、ギルドへ向かう
セバスと商人ヤッサシは無事タルマーヤ国に入国し、入口の近くにある街を散策していた。
「セバスさん、宿屋は沢山あるんですけど、おすすめは【招き肴のもぐもぐ亭】が良いですよ!」
と、ヤッサシがセバスに宿を紹介する。
セバスは、
「宿屋…あぁ、ビジネスホテルの様なものですか。しかしヤッサシさん、私おそらくですが手持ちが無いと思うのですが泊まることは出来るのでしょうか」
と、ヤッサシに聞き返した。
ヤッサシは、
「なるほど!うーん、そうですね…あっ!でしたら冒険者組合で冒険者組合許可証を発行して貰って、依頼で稼いで見るのは如何でしょうか?」
と、セバスに伝える。
セバスは、
「冒険者組合…あぁ、なるほど。いわゆる仕事斡旋所や労働者組合みたいなものですかね。」
はっ!?そういう事ですか。確かに私、こちらに落ちて来てからだと無職になってしまいます。仕事をしてない執事にはお給金も支払われません。働かざるもの執事べかざるですね。
「理解しました。その冒険者組合」へ向かって見る事にします。」
と、ヤッサシに言った。
ヤッサシは、
「セバスさんがギルド登録を行っている間に私たちは支部へ戻って歓迎の支度をしてきます。迎えの方を送るので、セバスさんは焦らず登録してくださいね!」
と、明るくセバスに伝えた。
セバスはヤッサシたち商人を後にし、ギルドへ向かって歩き出した。
セバスは思った。
無職を脱却し、私は執事へ再就職します。
いざ、坊っちゃまへの依頼完了の為にも
冒険者組合へ行かなければ。