第4話 執事、街へ入る
セバスと商人ヤッサシたちはフィルム街道を道なりに進んでいた。
「セバスさんは何故あの時 空から落ちてきたんですか?」
ヤッサシはセバスが不意に虚空から落ちてきたのが不思議でならなくて、思わず聞いて見る事にした。
するとセバスが、
「吸い込まれたからです」と正直に話すと
「……え?」
ヤッサシは聞き間違いかと思い再度セバスに聞くと、
「自動販売機に吸い込まれたからです」
と、意味が理解出来ない回答が返ってきたので
「は、はぁ。そうでしたか、大変でしたね」
と、言葉を濁らせたのだった。
セバスとヤッサシたち商人が歩いてまもなくすると、何やら一際大きな石壁の城壁と門が見えてきた。門の前には先程のコスプレイヤーさんとは違った姿の騎士風の男性が立って居るようにも見える。
商人のヤッサシが
「あっ!あの門ですよ!あの門をくぐればタルマーヤの国です」とセバスに伝えた。
セバスは「ならば向かいましょう!(坊っちゃまへコーラを渡すためにも!)」
と商人のヤッサシに言った。
門の前まで来ると、門番の騎士が商人ヤッサシたちに「許可証又は冒険者許可証それが無ければ銅貨2枚だ」と伝える。
商人ヤッサシは商売許可証を見せ、セバスの分の銅貨2枚を支払い、
「セバスさんは恩人ですから支払わせて下さい。」
と言った。
セバスは思った。私は特に何もしていないのに
と。
セバスと商人ヤッサシたちは門を抜けてタルマーヤへ入国した。
タルマーヤ国は商業国で有りながら唯一にして
亜人(人間や各種族のハーフなど)族が安心して住める国である。商業ギルド、冒険者組合、教会、鍛冶屋、宿屋が入場門から近い場所
に存在する為、迷うことはあまり無い。ただ、
少し奥に行くと貧民街や奴隷商人の館が近いので注意が必要である。