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第2話 執事、やらかす

ぼすっ


ふぅ…何とか無事に土を踏むことが出来ましたね。あのまま落下していたら私が天のお偉い様に成り代わる所でした。いやはや…。


セバスは服などに付いた砂を払い落とし姿勢を整え周りを見渡すも、見覚えのない景色に違和感を覚えた。


ふむ。ここはセタガーヤ4番地では無さそうですね。新鮮な空気に広大な山々が遠くに見え、傍には馬車と獣の耳を付けているお2人がいますね。どれ、ちょっと聞いてみますか。


セバスは傍にいる亜人の商人である1人に声をかけてみた。


「あー、コホン。そこにいらっしゃる背の高い御方。ここは何という場所でしょうか。もし宜しければセタガーヤ区域への道を教えて頂ければ幸いです。」


亜人の商人で背の高い方が恐る恐るセバスに答える。


「は、はい。えっとここはフィルム街道で、その…セタガーヤ?と言う場所は私共では分かりかねますが…」


セバスはそれを聞き、なっ!?と目を見開いて商人に驚くも、気持ちを落ち着かせた。


そうですか…ここは街道なのですね。ふむ。だとするならどちらかの道を行けば人の居る村か街に辿り着くと、そういう事ですかね。


セバスは顎に手を添えて考えていた。


……ぉい……


セバスの後側から声がしたが、セバスは聞こえていない。


だとすると困りましたね。坊っちゃまに渡す筈のこのコーラ。何故か鞄付きで沢山入ってるんですよねぇ。これはアレですか、抽選とかでたまに入ってる貯金箱的な感じですか。私的には嬉しいですが。


「ぉいっ!そこのお前だ!」


んん?とセバスが後を振り向くと、何やら焦った顔付きの獣っぽい被り物をして、立派な鎧を来たコスプレイヤーさんがそこにいた。


セバスはそのコスプレイヤーさんを視認すると、


坊っちゃまが行くコミケ?にでも向かう途中なのでしょうか。重そうですねと思ってしまった。


「あぁ、私の事でしたか」


セバスは軽くお辞儀をしたが、コスプレイヤーさんは、


「貴様のその足元を見て早く離れぬか!無礼者が!」と怒鳴りつける。


はて?足元…と顔を下に向けると、もう1人のコスプレイヤーさんが既に伸びて気絶していた。


セバスは一呼吸して落ち着いたつもりだったのだが、


なっ、なんて事を私はぁ!?見ず知らずの一般コスプレイヤーさんをずっと足場にしてしまってたのですか!?これは労災ですか?いや、人身?保険は効きますかね。旦那様にバレたらお給金から引かれてしまいます。あぁ、どうするべきか…


セバスは世間体と保身について懸命に悩んでいた。


「オロオロする暇があるなら早く隊長から降りろ!」


気絶していない方のコスプレイヤーさんがセバスに言うと、セバスは気絶していたコスプレイヤーさんから降りた。


気絶していたコスプレイヤーさんをもう1人のコスプレイヤーさんが肩に背負い、亜人の商人の方へ向き、


「今回は隊長が気絶した為に拠点へ戻るが、次に道を塞ごうものなら処罰だ!分かったか」と言い、

商人は、

「は、はい!肝に命じます」と言って礼をする。


「そしてそこの亜人!」

と、コスプレイヤーさんがセバスに言う。


セバスは「私の事でしょうか?」と尋ねると


コスプレイヤーさんは、


「そうだ、貴様だ。名は何と言う。」と聞き、


セバスは、コスプレイヤーさんに澄ました顔で


「名を言うならまずは聞いた方からが礼儀ではないでしょうか」と言うと、


「良いだろう。我が名は「強木 瀬羽州です」


・・・


と静寂が流れた。


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