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[超短編] 5分でキュン♪

夏祭り と 俺のファーストキス

作者: まえのそら
掲載日:2022/12/15

中学2年生の夏祭りの日。

俺達は、ファーストキス をする。

それは、不器用でぎこちなく、

そして、ドキドキをくれるものだった。

「 夏祭りと俺のファーストキス 」

「 夏祭りと私のファーストキス 」

2人の視点からお楽しみ頂けます!




「 今度の夏祭りで、絶対 余裕でキスしちゃるけぇ! 」


俺は、仲のいい男友達にそう宣言していた。

彩渚(あやな)と俺は、小6の頃から付き合い始めて、もう2年になる。クラスには、もうキスを経験した奴だっているし、もう中2なんだから、それほど早くはないと思っていた。


「 2人きりになりたい 」


彩渚が、先にそう言ったもんだから、俺のテンションと身体中の体温が跳ね上がった。


「 コンビニ行こうか? 」


俺が提案して、2人で夏祭り会場から抜け出すことに成功した。


薄暗い狭い道を歩きながら、俺の小さな頭ん中は、キスの事でいっぱいになっていた。

気付くとあっという間にコンビニに着いていて、手さえ繋ぐ事ができなかった。


「 まずは、手を握って、それから……」


考えながら車道側を歩く俺の肩が、彩渚の髪をかすめた。彩渚は、来た時は結んでいた長い髪を、崩れたとかで歩きながらほどいていた。彩渚は、ぐちゃぐちゃで恥ずかしいと言っていたけど、そんな乱れた髪が俺の体温を益々上げていた。


「 手、繋ぐ? 」


彩渚が先に言った。俺は、自分からいけなかった事に焦りながらも、彩渚の少し汗ばむ手を握った。


夏祭り会場が近づき、俺の焦りがより一層強くなった時、目の前に大きな荷物を運ぶトラックが立ち塞がった。俺は彩渚の手を引きながら、まず車道側に身体を乗り出し確認してから、歩道側のトラックの隙間を選んで進んだ。


もう少しで通り抜けれそうな所まで進んだ時、俺は立ち止まり引き返す事を選んだ。このまま無理に進むと、彩渚の浴衣が汚れてしまうと思ったからだった。


急に振り返った俺に、止まりきれず彩渚がぶつかった。


「 え……! 」


彩渚の顔が、驚くほど近くで俺を見上げていた。


気が付くと、俺は彩渚にキスをしていた。触れたのか触れていないかよく分からないような、そんな一瞬の出来事だった。


「 えー!! なんでこんな所でするんよぉー!! 初めてなのにー!! 」


彩渚が、怒って言った。

 

「 いや、俺だって初めてだし……」


そう言いそうになって、やっぱりカッコ悪いからやめた。


「 いや、ごめん、つい…… 」


俺はそう謝ったけど、ニヤけそうになる顔を必死でこらえていた。だって、彩渚が照れ隠しでそんな言い方する奴って分かっていたから。


初めてのキスは、余裕なんて少しもない、トラックと塀の隙間だった。

でも後悔なんてしていない。

だってそれは、彩渚との2度目に繋がる

俺の大事なファーストキスだったから。




少しでもお楽しみいただけましたでしょうか?

よろしければ、ページ下★★★★★

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