夏祭り と 俺のファーストキス
中学2年生の夏祭りの日。
俺達は、ファーストキス をする。
それは、不器用でぎこちなく、
そして、ドキドキをくれるものだった。
「 夏祭りと俺のファーストキス 」
「 夏祭りと私のファーストキス 」
2人の視点からお楽しみ頂けます!
「 今度の夏祭りで、絶対 余裕でキスしちゃるけぇ! 」
俺は、仲のいい男友達にそう宣言していた。
彩渚と俺は、小6の頃から付き合い始めて、もう2年になる。クラスには、もうキスを経験した奴だっているし、もう中2なんだから、それほど早くはないと思っていた。
「 2人きりになりたい 」
彩渚が、先にそう言ったもんだから、俺のテンションと身体中の体温が跳ね上がった。
「 コンビニ行こうか? 」
俺が提案して、2人で夏祭り会場から抜け出すことに成功した。
薄暗い狭い道を歩きながら、俺の小さな頭ん中は、キスの事でいっぱいになっていた。
気付くとあっという間にコンビニに着いていて、手さえ繋ぐ事ができなかった。
「 まずは、手を握って、それから……」
考えながら車道側を歩く俺の肩が、彩渚の髪をかすめた。彩渚は、来た時は結んでいた長い髪を、崩れたとかで歩きながらほどいていた。彩渚は、ぐちゃぐちゃで恥ずかしいと言っていたけど、そんな乱れた髪が俺の体温を益々上げていた。
「 手、繋ぐ? 」
彩渚が先に言った。俺は、自分からいけなかった事に焦りながらも、彩渚の少し汗ばむ手を握った。
夏祭り会場が近づき、俺の焦りがより一層強くなった時、目の前に大きな荷物を運ぶトラックが立ち塞がった。俺は彩渚の手を引きながら、まず車道側に身体を乗り出し確認してから、歩道側のトラックの隙間を選んで進んだ。
もう少しで通り抜けれそうな所まで進んだ時、俺は立ち止まり引き返す事を選んだ。このまま無理に進むと、彩渚の浴衣が汚れてしまうと思ったからだった。
急に振り返った俺に、止まりきれず彩渚がぶつかった。
「 え……! 」
彩渚の顔が、驚くほど近くで俺を見上げていた。
気が付くと、俺は彩渚にキスをしていた。触れたのか触れていないかよく分からないような、そんな一瞬の出来事だった。
「 えー!! なんでこんな所でするんよぉー!! 初めてなのにー!! 」
彩渚が、怒って言った。
「 いや、俺だって初めてだし……」
そう言いそうになって、やっぱりカッコ悪いからやめた。
「 いや、ごめん、つい…… 」
俺はそう謝ったけど、ニヤけそうになる顔を必死でこらえていた。だって、彩渚が照れ隠しでそんな言い方する奴って分かっていたから。
初めてのキスは、余裕なんて少しもない、トラックと塀の隙間だった。
でも後悔なんてしていない。
だってそれは、彩渚との2度目に繋がる
俺の大事なファーストキスだったから。
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