アルバイトにログインしましたが
健康診断とか赤い液体飲まされたとか身分証の作成だとか、そう言った多分必要な事柄を終えて通された部屋は学生時代の修学旅行の時に泊まったホテルの一室みたいだった。
以前住まわして貰っていたお弁当屋の二階の部屋の3倍くらいは広い。
身分証明書がルームキーになっていて科学の発展って凄いと思った。
タワー型のデスクトップパソコンと32インチのくらいのモニターがセットされたテーブル。と、ふかふかのベットが部屋に置かれても8畳くらいの余白の空間がある。
わーいとベットにだいぶするが最後、アヤメは翌朝の8時まで目覚める事はなかった。
布団以外で眠ったのは実に五年ぶりだった。
朝起きて目が覚めるとここは何処状態。
カーテンを開くと眼下に広がる都会の街並み。
そういえば拾われてアルバイトをする事になったんだっけ。
顔を洗ってキッチンの冷蔵庫を開けてみたがすっからかんだった。
ああ、食事は建物内の食事処ならどこでもいいんだっけ。
空っぽの胃にコップ一杯の水を入れてから、部屋を出る。あいにく社員証のカードは首からかかっていたので、鍵にもなっているカードが部屋の中に取り残されることはなかった。
あ、迷子だ。迷子になっているなう。とりあえず上の方に行けば何かあるだろうとエレベーターに乗ってレストランコーナーみたいな所で降りたけれども、ハンバーガー4000円とかまじか。サラダ2000円とか正気か?
先程から人の気配を感じられないので社員御用達のビッフェレストランではないだろう。
ただこの階層ではここが一番安そうなのでここに入ろう。
暖簾がかかった料亭とか、鉄板焼きの店に入る勇気は持ち合わせていない。
中に入ると、ぶ厚いステーキを頬張っている白髪の美少女と目が合った。
「初日からここに食べに来るとは、お前さん大物じゃのう」
朝からステーキとかアメリカンかよ。
美少女が「同じものを」と注文しちゃったので私も朝からステーキを食べる事になりました。
何年か前にあった気がするステーキダイエット。
明日はちゃんとビッフェに行こうと地図を確認すると普通に一階にあった。まじかよ。
部屋に入ってパソコンの電源スイッチを押す。そしてアプリをダブルクリックするとゲームが開きキャラクリエイト画面へと移動した。
種族は最初人間しか選べないけれど物語を進めて条件を達成すれば転生できるらしい。
職業は考える事がめんどくさいのでソロでも行けそうなファイター。
大剣と斧が持てるそうだ。
髪はリアルと同じ薄い紫色にロングヘアー。
目の色は赤にしておこう。
プレイヤーネームも考えるがめんどくさいのでアヤメ。
文字を入力するとゲーム内にアヤメさんは581人いますがよろしいですか? とプッシュアップ。
yesを押して582番目のアヤメとしてゲームを始めようとするとセカンドキャラクターの設定画面に飛んだ。
セカンドキャラクターとは?
まあさっさと設定しよう。
582番目のアヤメさんの反対でいいか。
むきむきのおっさんで髪の毛は濃いオレンジ。
後方支援キャラのプリーストで目の色は緑。
ネームはメヤア。
一人目のメアヤさんだった。
と適当に反対要素を設定すると、魔法少女の衣服を身につけてピチピチなおっさんが誕生した。
そしてログイン。
「……この世界は」とか始まったので「SKIP」
一人の戦士が新たな大地に経ったところで2時間が経過したのでログアウトした。
アヤメのレポート1日目
1:目的
ゲームを始める為にキャラをメイキングした
2:結果
キャラをメイキングしログインしたところで2時間が経過した
3:考察
思ったよりセカンドキャラクターの制作に時間が手間取った
セカンドキャラクターの制作を好きなところから始められれば旅立ちが早くなると思う
セカンドキャラクターの存在意義はまだ何も知らないが