表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何でも大臣と女魔王様の建国記 ~人口の九割を従えている四天王を追放したせいで古巣は崩壊したみたいだけど、そんなことより俺は新しく建国した王国で魔王の娘と楽しく暮らします~  作者: 三羽高明
一章 何でも大臣と女魔王様、国を作る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/64

国民第二号、誕生(2/2) 

 話をしている内に、二人は広場につく。食材の泥を落としているゴブリンの横で食器の準備をしていたラティーナが、こちらに気が付いて怪訝な顔になった。


「……誰?」

「私か? キュアノスだ」


 青年はにこやかに自己紹介した。だが、ラティーナが聞きたかったのは、恐らくそういったことではなかっただろう。説明を求めるようにこちらを見てくる。


「ところでここは何だ?」


 エレズがラティーナに説明するより前に、キュアノスが質問してくる。ラティーナは「私たちの国よ」とちょっと誇らしげに言った。


「ほう、こんなところに国が! 名前は何と言うんだ?」

「な、名前……?」


 ラティーナはわずかにたじろぐような様子を見せた。そう言えば、国の名前を考えていなかったとエレズは気が付いた。


「えっと……『ラティーナとエレズとゴブリンの国』よ!」

「長い名前だな」

「……略して『ラエゴブ王国』よ!」


 ケチをつけられたと思ったのか、ラティーナはとっさに略称を考えたようだった。まさかこんな適当な経緯で国の名前が決まるなんて思っていなかったエレズは、少し呆れてしまう。


「元首は誰だ?」

「私よ。ラティーナ女王陛下よ!」


 この質問にはラティーナは胸を張って答えた。エレズとしても、ラティーナを君主と仰ぐことに特に異論はない。


「じゃあ彼は?」


 キュアノスがエレズの方を見ながら尋ねる。ラティーナは困ったように、「エレズは国民第一号……かしら」と言った。


「その……色々してくれる予定よ。……私の補佐とか」

「補佐? 大臣か。色々してくれるのなら『何でも大臣』だな!」

「何でも大臣……いいわね、それ。よし、今からエレズは『何でも大臣』よ!」

「な、何でも大臣ですか……」


 全然威厳のなさそうな役職だとエレズは思った。だが、ラティーナはそんなことは気にしていない。それどころか、最初は不信感を抱いていたキュアノスに、好意的な視線を向けている。


「あなたのお陰で国の重大事項が決まったわ。よければ国民第二号の、名誉ある地位を与えてあげるわよ」


「よし、もらおう!」


 ラエゴブ王国の人口が早くもプラス一されたことに、エレズは目を丸くした。


(さすが魔物族……なんてノリが軽いんだ……)


 魔物族は、基本的に難しいことはあまり考えない種族だ。人間族の血が入っているエレズからすれば、適当極まりなく感じてしまうこともよくある。


(まあこの国も、まさに魔物族のやり方、って感じの手順で作られたしな……)


 エレズの感覚では、新たな独立国家を作ろうとすれば、煩雑な手続きが必要になると考えてしまうのだが、魔物族にとっては、「ここに国を作るぞ」の宣言だけで事足りてしまうみたいだった。


 もちろん、それがどこかの国の領土の一部だったりする場合ならいささか問題があるが、運のいいことにこの辺りは、今どこの国の土地でもない。


 つまり、自由に使っていい場所なのだ。少なくとも、魔物族の認識ではそうなっている。


「ところで、ここのゴブリンは少し変わっているな。肌が緑の種族なんて初めて見たぞ」


「ああ、それ、エレズが『動物栽培』で作ったのよ。エレズは耕した土地から……」


 ラティーナは、エレズが隠そうとした能力を堂々と説明しだした。彼らに国家機密などという概念はないのだ。


 こうして、エレズたちの午後からの建国生活は、予想もしなかった飛び入り参加者と共に始まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 国づくりが順調で何より。ノリが軽くて私好みなのです~。キュアノスもめっちゃ軽いし、なんでも大臣苦労しそう……(笑)
[良い点] 可愛すぎて悶絶♡ ほんまにこの子可愛い♡ ラティーナちゃん再考や♡ [気になる点] エレズは国民第一号って? 色々してくれるって? 何を? ムフ あーもう顔がにやけて止まりません [一言…
2021/10/16 14:03 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ