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何でも大臣と女魔王様の建国記 ~人口の九割を従えている四天王を追放したせいで古巣は崩壊したみたいだけど、そんなことより俺は新しく建国した王国で魔王の娘と楽しく暮らします~  作者: 三羽高明
二章 何でも大臣、精霊の国と交渉する

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ここ、どこですか?(4/4)

 エレズはゴブリンの案内で、何でも大臣の執務室へと足を踏み入れた。


 前の魔王城にもエレズの仕事部屋はあったが、そこよりもずっと豪華で広くなっている。調度品なんかも置いてあった。


(これも助けた商人たちからもらったのかな?)


 そんなことに考えが及んだところで、エレズはゴブリンが言っていた台詞を思い出した。


「俺のいない間、タロス王国軍がこの近くに来たのか?」


 椅子に腰掛けたエレズは、ゴブリンの取りまとめ役のホブゴブリンたちを集めて話を聞くことにした。


「はい、行商人の方やリーヴ様によると、リーヴ王国にタロス王国の軍勢が攻めてきたらしいです」


「何だって!?」


 エレズは思わず椅子から立ち上がった。


「そ、それで、リーヴ王国はどうなったんだ……?」


「滅びました。行商人さんがそう仰っていたので。それに、タロス王国軍の兵士が何体か国境付近に迷い込んで来たのですが、彼らからも同様の話を聞いています」


 つまり、誤報の可能性は極めて低いと言うわけだ。


「滅びた……リーヴ王国が……」


 自分を冷遇した古巣がなくなってしまったと聞き、エレズは複雑な思いだった。悲しくはないが、妙な心地だ。


(それも、よりによってあのタロス王国だもんな……)


 タロス王国は、かつてエレズの故郷を蹂躙した国家だ。その国がまたしてもエレズのいた場所を破壊してしまった。


 元から魔界の中でも最悪レベルに凶暴な国家だったとは言え、何か因縁めいたものを感じずにはいられなかった。


 だが、寒気を覚えてばかりいるわけにもいかない。エレズは椅子に座り直すと、ラエゴブ王国の何でも大臣として、やるべきことをすぐさま実行に移すことにした。


「国境付近の見張りの数を今の倍にしてくれ。あいつらが『ついでに』この国を狙わないとも限らないしな」


 タロス王国は自分たちの都合で目についたものを好き勝手に破壊してしまうと知っていたエレズは、警戒心を強める。


「後、タロス王国軍の本隊の居場所を探れるか? リーヴ王国への侵攻が何日前のことか分からないけど、しばらくは油断できないから……いや、リーヴ様に聞けばいいか」


 エレズは思い直す。


「リーヴ様がラエゴブ王国に来たのって、もしかしてタロス王国軍に国を滅ぼされたからなのか? 何か聞いていないか?」


「それでしたら、ただラティーナ様にお会いしたかったから、と伺っていますが……」


「……あっ、そうなのか」


 別に深刻な事情があったわけではなかったらしい。


 リーヴ王国にタロス王国軍が攻めてきたことは知っていたようだから、その後の顛末についてもきっと聞き及んではいるのだろうが、特に気落ちした様子はなかったし、彼は故国が滅んだことを大して気にも留めていないようだった。


「それから、タロス王国軍の本隊の位置についてですが、すでに情報を得ています。もう本国に引き揚げてしまったらしいですよ」


「引き揚げた……。それならひとまずは安心……か?」


 何らかの事情があって引き返して来ないとも限らないが、一旦は安心して良さそうだと見て、エレズは安堵する。


 何せラエゴブ王国には、タロス王国と渡り合えるだけの軍備はないのだ。今攻め込まれたら、間違いなく半日と持たずにラエゴブ王国は滅びてしまう。


「他に何か変わったことは?」


 警戒は怠らないようにしつつも、そこまでしっかりとした注意を払う必要はなさそうだと判断し、エレズは別の報告を聞こうとした。


 だがホブゴブリンは、「一つ伝え忘れたことが……」と何かを思い出したように付け足した。


「国境付近に現れた、本隊からはぐれたタロス王国軍の兵なのですが、次の標的のことを話していました」


「次の標的……?」


 戦争が終わったばかりなのに、もうそんなことを考えているのか、とエレズは嫌悪感を覚える。


 だが、ゴブリンの次の言葉を聞いた瞬間に、エレズは頭の中が真っ白になってしまった。


「タロス王国軍が次に狙うのは……エーテル王国です」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 緊迫してきましたーっっっっっっっっっっっっっっ キタキタキタキタキタ なんかおらドキドキしてきたぞ! [気になる点] 胸騒ぎとゆうかなんと言うか 物語読んでこんな思いしたのないかもで…
2021/11/14 15:52 退会済み
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