第7話
おっはようございます!私は今、近くの草むらにいます!そう、私は現在、冷えによってお腹を下しました!
予想外だよな…冷えって…
正直、昨日施設内で眠りについた時「ちょっと寒いなぁ」とは、思った。
そりゃあ、コールドスリープなんていうくらいだから、寝てる国民の体はコールドしちゃってるし?
それが100台も有るんだから、施設内もコールドされちゃってるのは解るよ?
でも、腹を下すレベルだとは思わないじゃない!
朝起きてビックリだよ!体キンッキンに冷えてるし!お腹もギュルッギュルなってるんだから!
その時の俺は凄い顔をしてたと思う。
なにせ、水の安全性が担保されたのと同時に、寝床の安全性が低下したんだから…
そして、次の目標が決まった。
暖かい寝床の作製である。
現状、身を隠しながら寝れる場所が、施設しかないのは確かで、何をどうやってもそこは覆らない。
ならば、少しでもそれを軽減するために動くしかないと、俺は判断した。
しかし、方法がわからない。
取り敢えず、木の葉を集めて、それに入ることで暖を取ってみようと思う。
そして今、考え事をしている横でガンガンいってるこい………危な!今こっちの方向に倒れてきたぞ!
うぉっほん!
まあ、お気付きの方も多いと思うが、木の伐採が始まった。
伐採型ゴーレムの名は伊達ではなく、かなりのハイペースで伐採が進ん………だから危ないわ!反対方向から斧振りなさい!
そんな中腹痛から脱した私が何をしてるかと言いますと―――
「ハイッ!ハイッ!ハイッ!よっし!一本!」
―――通常型が運んで来た木の、枝落としをしております。
これがまた、大変なんですよ。
昨日持ってきた石の中で、重くて鋭いのを選んでね?必死に枝を落としてるんですけどね?
私が枝を一本落とす間に、伐採型ゴーレム先生は、一本の木を切り倒すんですよ…
うん…終らない!
そんな中、我が友、通常型くんは、掘削型ゴーレム先生が掘り出した、木の根っこを、その拳1つで砕いております。
我が友である、通常型くんは、なんと、その砕いた根っこを、薪置き場となっている砕き場横に寄せるまで、追加の木材を持ってこないでくれるんです!
おかげさまで、伐採型ゴーレム先生の効率が少し落ちて、木材の供給量が減ってるんですよ!
………出でよ………通常型………
ポワァー
俺のなけなしのポイントを使って呼び出された、通常型2号くんは、伐採型ゴーレム先生の邪魔になる、伐採済みの木材をせっせと運んでくる。
段々と重くなって行く腕…
最適化されて行くゴーレム達…
迷い込んでは、即殺される小型肉食獣…
やったねノーレッジくん、おかずが増えたよ!
その日の夕方…沈み行く夕日と、一回り広がった広場、大量に残った枝落とし前の丸太…
パンパンになった腕で火起こしをしながら…俺は、遠い目をしていた。
「よし!切り替えた!」
焚き火の前で肉を食べながら、今日の戦果を確認する。
丸太と乾燥前の薪、枝落としがてら集めた大量の木の葉と、通常型が倒した獣の肉。
かなり良い戦果ではないだろうか?
元々予定していた木の葉は集め終り、更には肉も手に入れた。
血生臭いのが玉に瑕だが、まあ、仕留めた後の処置を知らないのだから、どうしようもない。
内臓は避けたし、残りも冷暗所内に置いている。
始めの内は、積極的に襲って来て、通常型ゴーレムの入れ食い状態であった、小型肉食獣達であるが、途中からはその数も減っていき、最終的にはゴーレムの姿を見るだけで逃げ出すまでに至った。
驚異的な学習能力だと驚く反面、一部まだ襲ってくる個体もいるため、個体差も大きそうだという印象を受けた。
まあ、それはさておき…木の葉である!
暖かい寝床大作戦第一段である木の葉には、是非ともコーナーを終わらせて貰いたいものである。
しかして、その木の葉は、既に施設内へと運び、1つの山を築いている。
後はそのなかに飛び込み、惰眠を貪るだけという状態にして、今肉を食べている。
実は結構楽しみだったりするのだ。
それこそ、今食べている肉が、ボロボロと零れるのを気にしないくらいには―――
―――はい!それでは、今から就寝したいと思います!
お腹も膨れて、口も濯いだ。
後はもう、ここに飛び込むだけである!
「おやみなさーい…」
明日は良い日になると良いね、ノーレッジ!
「むにゃ!」