第5話
どーもこんにちは、私ノーレッジは今、施設近くの川へと来ています。
目視できる範囲に動物は見当たらず、そこそこ水深のある、深めの川であることが伺えます。
川の中にも魚影は見当たらず、この辺りも静かなものです。
それもこれも、ついさっきまで原生生物が餌を取りに来てたからなんですけどね!
いやぁ、ベアーですよベアー。腕四本あるし…
うん!生命の危機を感じたよね!死んだと思ったよね!
あのクマさん凄いんですよ!
私ね!知識としてね!ゴーレムの大きさ知ってるんだけどね!
あのクマさん、魚取るためにね!ゴーレム位の大きさのね!岩をね!
こう、ベアーバックっていうの?抱き締めてね!それはもう軽やかにバキッと!
死の恐怖ってああいうのを指すんだね!お兄さん、また1つ勉強しちゃった♪
…ところで皆?お兄さん今足がガックガクして止まらないんだけど、止め方知らない?
口の辺りもカチカチうるさいんだよね…なんとかならないかな?
あっズボンは温かくなってないよ。そこだけは死守したんだ♪
あれっ?なんでフェードア………
………あれから、10分がたったよ♪
完全に居なくなってるのは解ってるんだけど、震えが止まらないんだ♪
今?今はねぇ、運搬型ゴーレムを出して、なんとか運んで貰えないか試行錯誤してるところだよ♪
その過程で、川底を歩けば水が手に入るって解ったことは良かったかな♪
今はそんなことよりも、一刻も早くこの場所を離れたいんだけど…お兄さんの足、全く言うことを聞かないんだ♪
自分の体なのに言うことを聞かないなんて、可笑しいよね♪
あっなんとかしがみつけそう…
よっこいしょっと………ゴーゴーゴー!ハリーハリー!早く、早く拠点に戻るんだ!あっでも、音たてたら熊に見付かるかもしれないから、静かにね!
なんだかんだで拠点へとたどり着き、一言。
「うん!もう二度とあそこ行かない!」
その声はとても…とても恐怖に満ちていた。
はぁ、水汲みどうしようか…
まあ、運搬型ゴーレムに往復して貰うしか無いんだけどな…熊連れてくることを考えると…
罠…張るか…
といっても、俺が持っている知識にあるのは落とし穴だけ。
しかもこの拓けた空間の殆どは、施設が占領している。
開拓…するか…
開拓するためには、木を切る伐採型、根を掘り起こす掘削型、それを運ぶ通常型の3タイプが必要になる。
ただ、水汲みを見られると、熊を含む原生生物に、着いてこられる可能性がある以上、戦闘型の盾型か剣型に居て欲しい訳で…
ポイント…見るか…
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ビルドキングダム
【ノーレッジ王国】 国王:ノーレッジ
KP 85
人口 100 (大体の数字です)
人種 人間種
権利 ゴーレム購入
所持機体
・運搬型 1
通常型
・通常型 10P
・運搬型 15P
技能型
・伐採型 30P
・採掘型 30P
・掘削型 30P
戦闘型
・盾型 50P
・剣型 50P
オーバーテクノロジー 教育ポット
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ポイント…足りないかぁ…
開拓…防衛…うーん…死んだら元も子もないし…戦闘型…かなぁ…
その時、脳裏に蘇る『あのチキン野郎またチキってるよ』のセリフ―――
『言ってない!というかあれが1回目なのにまたとか言うわけ無いでしょ!』
「やってやろうじゃねぇかこの野郎!」
『うわぁぁぁぁぁ!やっぱり聞こえてないよねぇぇぇぇぇ!』
伐採型、掘削型、通常型………出てこいやぁ!
ポワポワと、辺りが煌めき、段々と光の粒が生成されて行く。
その粒たちは、大小様々な岩へと姿を変え、結合し、ゴーレム達を形作って行く。
そうして、辺りが煌めきを失う頃、三体のゴーレムが姿を現した。
手がそれぞれの道具となった岩石巨人達は、己が主へと体を向け、最初の命令を待つ。
………いや、怖っ!三体のゴーレムがこっち見てるの、無茶苦茶怖いんですけど!
影が怖いんだよね。
申し訳程度に掘られてる顔がさ、薄暗い森と合わさってさ…無茶苦茶怖い!
段々と日も…暮れて…来た…から………作業は明日開始だなぁ…
「全ゴーレム、施設前で待機」
日が暮れるまで後少し、お腹も減ったし、喉も渇くが、絶対にやらなくてはいけないことがまだひとつある。
それをしに行かなくては。